魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

セルフィンブレニー

2012年08月09日 19時27分03秒 | 魚紹介

コケギンポ科のセルフィンブレニーEmblemaria pandionis Evermann and Marshです。これも、以前ご紹介しましたイエローヘッドジョーフィッシュや、ブルースポッテッドジョーフィッシュと同じくいただきものの魚です。

コケギンポ科は世界に100種近くの種類が生息していますが、ほとんどの種類が大西洋や東部太平洋に生息しています。この属も西部大西洋とカリブ海、東部太平洋に生息しているもので、本種は西部大西洋、カリブ海、メキシコ湾に生息しています。

頭部には、日本のコケギンポにみられるような眼上皮弁があるのですが、目立ちません。顔が丸く、アゴアマダイ科の魚のようにも見えます。腹鰭も、イエローヘッドジョーフィッシュのように長いです。私も最初、アゴアマダイ科の魚のように見えました。

コケギンポと大きな違いはこの巨大な背鰭です。この背鰭でようやくアゴアマダイではないと確信しました。この大きな背鰭は切れやすく、取扱いには注意が必要です。ピンを指す位置などには気を使うのですが、それでも、穴があいてしまいました。

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シコンハタタテハゼ

2012年08月08日 07時11分29秒 | 魚介類飼育(海水)

ついにやってきました!

シコンハタタテハゼNemateleotris helfrichi Randall and Allen!!

この前のイトマンクロユリハゼと一緒に我が家にやってきました遊泳性のハゼの1種です。

シコンハタタテハゼは写真をみてお分かりの通り、紫を基調とした美しい体色で、とても美しい魚です。その美しさのほか、やや深い海底に生息する種類であり、かなりの高額で販売されるなど、話題が多い魚です。今回は瀬戸市の観賞魚店「ラパス」さんで購入。このお店の記事は前にも書きました。

遊泳性ハゼの仲間は多くが丈夫で飼育しやすく、よく餌も食べます。本種もその例にもれず、家の水槽に開けてその日のうちに人工飼料「メガバイト」を口にしました。お店にいた期間が長かったからでしょうか。もっとも、同じ属のハタタテハゼもアケボノハゼも餌食いは良好で年単位での飼育も可能です。

日本では「パープルファイヤーゴビー」という名前で流通していますが、Fishbaseによる英語のコモンネームはHelfrichs' dartfishです。ヘルフリッチという名前で呼んでいるダイバーもいるでしょう。おそらく人名由来、ダートフィッシュというのはクロユリハゼ科魚類のことです。なるほど。オグロクロユリハゼなど確かに似ています。

この個体はマーシャル産、頭部は鮮やかな黄色ですが、産地、あるいは個体によって頭部の色がピンクや、青っぽくみえるものがいるようです。

「シコンハタタテハゼを囲む夕べ」、この水槽は幅40cm位ですが、魚は20匹も入っています。多くの魚を狭い水槽に入れてしまっているのでコケなどもよく生えてしまいます。キンセンイシモチやクロユリハゼはある程度大きくなったらサンゴ水槽に移す予定ですが・・・。シコンハタタテハゼも下の水槽に移すかどうか悩みどころです。下の水槽には同属のアケボノハゼもハタタテハゼもいるのです。この仲間は同属同士では争うとされており、難しいところです。いっそ、もう1個60cm水槽を置くというのも考えてみてもよいかもしれませんね。

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イトマンクロユリハゼ

2012年08月06日 22時03分53秒 | 魚介類飼育(海水)

 

我が家の90cm水槽には前回ご紹介しましたキンセンイシモチ、クモギンポのほかもう1種新しい魚が仲間入りしました。

クロユリハゼ科のイトマンクロユリハゼPtereleotris microlepis (Bleeker)です。

体はパステル調のブルーという印象で、鰓蓋の後方あたりに小さな黒色線があります。背鰭や尾鰭の一部は黄色がかっています。体側には光の加減によって極めて薄い黄色横帯が入ります。この写真では写っていませんね・・・

ちらっと写っているのはイソギンポ科のヤエヤマギンポSalarias fasciatus (Bloch)。水槽内で最も長くいる魚です。

この水槽には合計4種の遊泳性ハゼが入ることになりました。同じく遊泳性ハゼで、同じ属のオグロクロユリハゼPtereleotris heteroptera (Bleeker)と一緒にしていても大きな問題にはなっていません。サイズがオグロクロユリハゼよりも大きめなのが理由でしょうか。ハタタテハゼの仲間は、同属同士では争う場合があります。おとといも1匹、飛び出して干物になりそうでした。

このイトマンクロユリハゼのほか、もう1種魚を購入したのですが、それはまた次回以降に。

ちなみに本日は、30リットル分の水替えをしました。この時期は水道水の温度が海水の温度よりもかなり高めのことがあるので、要注意です。

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コバンザメ

2012年08月05日 19時21分42秒 | 魚紹介

今日はコバンザメ科のコバンザメEcheneis naucrates Linnaeusを食べた話です。コバンザメを食べたのは2回目なのですが、前回はブログの記事にしていませんでしたので、これでようやく書きます。コバンザメ科の魚は何度か記事を書いていましたが、コバンザメは初めてです。

高知県古満目大敷産

コバンザメの仲間は、「サメ」の名がありますが、実際にはサメなどを含む軟骨魚類ではなく、硬骨魚類でスズキ目・スズキ亜目に含まれています。世界で4属が知られ、9種が有効とされます。日本には8種が分布しています。

コバンザメといえば、その名が示すように頭頂部にある小判状の吸盤。吸盤の板状体は18-28と幅がありますが、スジコバンの9-11よりも多いです。それ以外のコバンザメ科の魚類とは、細長い体、胸鰭先端がとがる、臀鰭軟条数が多い、脊椎骨数が多いなどの特徴によって区別されます。

下顎は上顎よりも長いです。

コバンザメの刺身です。体は細長いですが、普通の魚とさばき方は変わりません。肉はご覧のように白身です。

コバンザメによく似た魚にスギ科のスギという魚がいますが、スギは吸盤を持っていません。このスギは沖縄や台湾などでは養殖もされているほどの魚で、肉は脂がよく乗りカンパチの代用品として扱われていたことがあるのです。本種については乾燥させることや水煮にすることにより赤痢・喘息・肺結核・肝臓・滋養強壮の薬に用いられたことがあるといわれますが、本当に効くのか真偽は不明です。

刺身は美味なのですが、写真に見える緑色の部分は臭みがありました。この個体は定置網の中でウルメイワシをよく食べていたようで、その色素やにおいがついてしまったかもしれません。

スギRachycentron canadum (Linnaeus)です。写真の個体はやや小ぶり。大きいものは1.5mに達します。コバンザメ同様に大型魚に付随して泳ぐ習性がある。写真の個体は三重県南伊勢の漁師さんからいただきました。ありがとうございます。

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キンセンイシモチドット型

2012年08月04日 15時18分32秒 | 魚介類飼育(海水)

この間、高知に行って採集してきたキンセンイシモチです。

キンセンイシモチは体側の白い縦線が破線状になる「ドット型」と、線状になる「ライン型」というのがあります。これらは分子分類によると別種とすべきという意見がでており、現在も研究がすすめられているところです。

この個体は、頭部や体側腹部の縦線が破線状になり「ドット型」Apogon cf properuptus  (Whitley)Dotted typeということになります。過去記事を検索してみますと、高知ではライン型は採集したことがありましたが、ドット型は初めてでした。愛媛県愛南町では、2種類ともがみられるということです。

大きめのオキナワサンゴアマダイやクマノミがすむ我が家では隠れて出てこなくなってしまうかもしれないと不安でしたが、底層から中層、表層を元気に遊泳しています。下の水槽には4匹入っているのですが、4匹で群れていることはあまりなく、小さ目の3個体が一緒にいるという感じです。

まだあどけないかわいいサイズ。小さいの4匹はクロユリハゼと同居させています。

このドット型は、主に九州以北の岩礁域に生息する温帯性の種類のようです。現在は、普通の熱帯性魚類やサンゴの仲間の基準的温度である水温25度で飼育していますが、長期飼育や産卵・繁殖まで考えた場合は水温は低めに抑えるのがよいかもしれません。テンジクダイの仲間は自然下でも寿命が短く、1‐2年程度だといわれています。しかしうまく飼育しますと繁殖まで持っていける可能性があり、楽しい魚といえます。

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