魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

ツマグロハタンポ

2016年02月06日 17時21分02秒 | 魚紹介

ハタンポの仲間は日本には少なくとも8種が知られています。うち7種はハタンポ属に含まれます。

そのハタンポ属の魚で本州から九州において普通に見られるものは2種。ミナミハタンポと、今回ご紹介するツマグロハタンポです。

ツマグロハタンポはミナミハタンポに比べ鱗がこまかく側線有孔鱗数が70~82と、ミナミハタンポ(同45~54)とくらべ多いのが特徴です。またツマグロハタンポはミナミハタンポに比べてやや寸詰まりのような気がします。そしてミナミハタンポに比べ眼も大きい感じ。

ツマグロハタンポの側線


ツマグロハタンポの頭部


ミナミハタンポ


ミエハタンポ


ツマグロハタンポと同じく鱗の数が多くこまかいものにミエハタンポというのがいます。ミエハタンポは名前に「ミエ」とあるのですが、相模湾から鹿児島にまで見られます。しかしながら数はツマグロハタンポとミナミハタンポの2種に比べ少なく、なかなかおめにかかれません。大きいものは全長20cmほどになります。

この仲間は釣りでは夜釣り、ほかの漁法では定置網で数多く漁獲されます。夜釣りでも市場でもハタなどのようにはありがたがられないのですが、高知県の土佐清水の魚市場では女性が水揚げ場のミナミハタンポを集めていました。つぶして(練り物にして)販売するのだそうです。実際にミナミハタンポは焼き物、刺身などでかなり美味な魚です。ではツマグロハタンポはどうでしょうか?残念ながらフォルマリンで展鰭してしまっていますので食べることはできません。

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アヤメエビス

2016年02月05日 17時08分07秒 | 魚紹介

最近ぶろぐを書いていましたらなぜかご好評!?頂いているイットウダイ属の魚たち。この間もテリエビスやニジエビス、それからホホベニイットウダイなど書いてきましたが、今回はこの仲間の代表的な「アヤメエビス」をご紹介。

アヤメエビスはかなり広い範囲に分布するイットウダイの仲間。日本では琉球列島に見られるほか、静岡県以南の太平洋岸にも見られます。海外ではインド‐西太平洋に分布するほか、紅海にも分布し、さらにスエズ運河経由で地中海にも進入しているようです。実際にトルコやギリシャの沿岸でも水中写真が撮影されています。

特徴としては背鰭・臀鰭・尾鰭の基部に黒色斑があることです。ただしこの特徴は小さい個体ではあらわれていないことも多いようです。また、この特徴からスミツキカノコという種類とも間違えられやすいのですが、頭部の形などがやや異なって見えます。あとスミツキカノコの色彩はもっと黄色っぽいようです。さらにスミツキカノコの水中写真で撮影された個体は黄金色に光っていて見事な色彩です。もっとも、ライトの影響などもあるのでしょうが。

もう一つの特徴は体側背部にある黒色の縦線。これが1本、または2本であることにより本種に極めてよく似た種類であるクロオビエビスと区別することができます。クロオビエビスにはこの黒色の縦線がさらに数本あるのが特徴です。また今度ご紹介したいと思います。

アヤメエビスも釣りや刺網、定置網などによって漁獲されますが、遊漁の釣りではテリエビスよりも少ないような感じがします。このアヤメエビスもホホベニイットウダイと同じくすくも湾中央市場に水揚げされたもの。ほかのイットウダイの仲間と同じように食用として知られています。

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ヒメアカグツ

2016年02月02日 16時54分52秒 | 魚紹介

だいぶ前のお話なのですが、愛媛県の沖合底曳網漁業の船に乗せてもらったことがありました。今思えばあの機会があったからこそ自分の魚に対する目がだいぶ養われたのだと思います。まだまだ至らないのですが、それでも乗せていただいて、魚の山を見て、変なものは真っ先に目がいく「くせ」がついてきたのだと思います。

このヒメアカグツも以前なら「ああ、アカグツの幼魚」で終わっていたかもしれません。しかしおなかを触ったり、検索図鑑や「日本の海水魚」のカラー写真で絵合わせしていると、このヒメアカグツにたどりつきました。実際に上からみると、アカグツよりも若干膨らんだ感じがします。

海水魚の中でもアンコウの仲間はちょっと「特殊な」グループといえます。たとえば深海性のものでは雄が雌に寄生するものがいたり、鰭が「脚」のように変化して、海底を歩くことができたり。最近の研究ではアンコウはフグ目の仲間とちかいということも言われていますが、たしかにフグの仲間もユニークなキャラクターがそろっています。

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