フィギュアスケート・ヨーロッパ選手権2019、男子ショートプログラム(ジャッジスコア)、前半は用事をしながら見てただけでグループ5から少しじっくり見た。ジャンプ名の前の数字は回転数。
<G5>
スラビク・ハイラペティアン(アルメニア) SP:59.87(26)
「Caruso」アンドレア・ボチェッリ♪ 白シャツ。3アクセルと3ルッツで転倒してしまったが、3サルコウ+3トウは決めた。「もう少し落ち着いてゆったりと」と解説・中庭健介さん。
グラハム・ニューベリー(イギリス) SP:61.33(22)
「サウンド・オブ・サイレンス」♪ グレー系シャツ。「パリの散歩道」1年目の羽生結弦の衣装にちょっと似てる 3アクセル、3ループ+3トウと着氷で乱れて両手をついてしまった。3ルッツは頑張る。
ジャンプでもう少し流れる感じがほしい。
イラクリ・マイスラゼ(ジョージア) SP:60.89(24)
「Fix You」♪ 資料には「Uptown Funk」となっているが、直前に変えたのかな? 黒にシルバー。4トウに挑戦したが転倒、3アクセルは決めた。転倒した3フリップは「軸が太くて傾いて」と中庭さん、コンビネーションにできなかった。
ジュニアとかけもちで、今季のジュニアではフリップは単独で跳ばなければならない。コンビネーションにする練習が足りなかったか。
イゴール・レズニチェンコ(ポーランド) SP:59.99(25)
「Give Me Love」♪ 黒シャツ。3アクセル転倒、3フリップで傾いたがなんとか2トウをつける。3ルッツも少し乱れた。「ジャンプ前に減速するのが消極的。ある程度スピードに乗らないと」と中庭さん。
現在の練習拠点はイタリアだそうな。
アダム・シャオ・ヒム・ファ(フランス) SP:76.70(13)
「Archangel」「Flying」「Star Sky」♪ ブルー系のグラデーション。3アクセルがきれいに入り、4トウ+2トウが決まった 3ルッツはちょっと傾いてひやっとしたが、うまくこらえる。
安定したポジションでスピン、ステップに入るところから一気に力強さを出してきた。
英文Wikipediaによると、両親はモーリシャス島の出身だそうな。いい得点でコーチのブライアン・ジュベールも嬉しそう。
<G6>
ミハル・ブレジナ(チェコ) SP:83.66(8)
「Who Wants to Live Forever」♪ グレーのシャツ。高さのある4サルコウ+2トウが軽々と決まった 3フリップと3アクセルで手をついてしまったが、滑り全体としてはスピード感としなやかさがあって悪くない。
ケヴィン・エイモズ(フランス) SP:88.02(4)
「Horns」♪ 黒に少し赤。4トウ、高い! 3ルッツ+3トウ決め、カウンターからの3アクセルはちょっとステップアウトしたが耐える。切れのある動きで、音をよく捉えるステップで観客を惹きつけた。
高得点&トップに立って、コーチのほうが嬉しい悲鳴
ダニエル・グラッスル(イタリア) SP:81.69(9)
「Rain」「In Your Black Eyes」♪ 白Vネック。予定では4ルッツだったが、4ループで見事成功 3アクセルはちょっとステップアウト。後半3ルッツ+3トウはやや詰まり気味だったがまとめる。
背が伸びて、キャメルスピンですらっと伸びた脚がきれい。けっこう難しい表現の振付もしっかり見せていた。
ダニエル・サモヒン(イスラエル) SP:86.48(6)
「Senza Parole」イル・ディーヴォ🎵 黒シャツ。4トウでわずかに手をついたが下りたところで、予定を変えて3トウをつけ、高得点を引き出す。さらに4サルコウに挑戦、やや乱れたが立った。後半に回した3アクセル、ばっちり
体を大きく使うステップも情熱的。久々にいい出来
アレクサンデル・マヨロフ(スウェーデン) SP:79.88(11)
「Bang Bang」♪ 黒カットソー。今回は弟と一緒の出場 4トウ決まった! 足を高く上げてから入る3アクセルは傾いて片手をついた。3ルッツ+3トウは危なかったが頑張って跳びきった。
独特の雰囲気の曲、この人はこういうタイプの曲が多い。スピン、ステップでレベル4をそろえた。
マッテオ・リッツォ(イタリア) SP:81.41(10)
「Volare」♪ 白シャツ、ワインカラーのパンツ。滑らかなスケーティングで、3アクセルの流れがきれい。3ルッツはやや乱れたが、後半3フリップ+3トウはきっちり入れてきた。
一歩がよく伸びるステップはターンの一つ一つをしっかり見せる。メロウなアレンジのピアノによく合っていた。
<G7>
アレクサンドル・サマリン(ロシア) SP:91.97(2)
「Cold Blood」♪ ダークグレー。こだわりの4ルッツ、完璧に下りて3トウまで余裕 4フリップに挑んだが途中で開いてしまい、3回転の判定に。3アクセルはきれいに流れた。
4回転ジャンプ前は準備してる感がたっぷりで でもダイナミックなステップ、姿勢を工夫したスピンとオールラウンド。
アレクセイ・ビチェンコ(イスラエル) SP:84.19(7)
「Requiem for a Dream」♪ 紺とブルー。冒頭の4トウが素晴らしく「トリプルに見えた」と解説・中庭さん。3アクセルは少しステップアウト、3ルッツ+3トウは安定していた。
「もう少しステップやスピンでレベルとGOEが上がれば」と中庭さん、確かにステップのエッジなんかは浅い感じがしてしまう。
モリシ・クヴィテラシヴィリ(ジョージア) SP:73.04(15)
「Bloodstream」♪ 黒に黄色など。「月の光」のメロディから始まるスローのパートで、4サルコウ+3トウ、滑らか ほぼ下りたと思った3アクセルで転倒。単独トウループが2回転になってしまって0点
ジャンプのミス以外は悪くないけど、身体の硬さが感じられる。
ミハイル・コリャダ(ロシア) SP:100.49(1)
「I Belong to You」♪ 黒で胸元に白。4ルッツは回避して、4トウ+3トウをきれいに決める。3ルッツ問題なく、3アクセルで下りた瞬間に右手をぐるん、宇野昌磨みたい
キャメルスピンを中庭さんがべた褒め、スピンとステップ全部レベル4。スピードも勢いも申し分なかった。
デニス・ヴァシリエフス(ラトビア) SP:78.87(12)
「Papa Was a Rollin Stone」「Barrett Strong」♪ 黒ジャケに黄色パンツ。まだ4回転は入れない構成。3フリップはゆっくり回転しても余裕。3アクセルは懸命にこらえたが回転足りずダウングレード。3ルッツ+3トウは大丈夫。
小粋な動きで遊び心満載のステップでレベル4獲得。師匠のランビエール譲りのスピンも いつもながら見ていて楽しい。
ハヴィエル・フェルナンデス(スペイン) SP:91.84(3)
「マラゲーニャ」♪ 黒。これが最後のヨーロッパ選手権。最初の動きからフラメンコの世界に誘う。4トウで前に傾いたが落ち着いて2トウをつけ、4サルコウは回転不足だったが着氷。3アクセルは軽くステップアウト。
フライングアップライトスピンが踊りのように見える。ギターの調べとステップで締めくくった。
結果、コリャダが100点越えでトップに立ち、2位に同じロシアのサマリン、フェルナンデスが3位につけた。4位エイモズ、5位コフトゥン、6位サモヒン、ロシア勢が3人ともフリー最終グループに入った。
ベテランのビチェンコ7位、ブレジナ8位、マヨロフ11位。グラッスルとリッツォのイタリア勢が9位と10位。ヴァシリエフスが12位とやや出遅れたが、フリーで挽回できるか。
フリー進出のボーダーラインはちょうど60点になった。昨年フリーに進めたレズニチェンコ、今回はまた25位
フリーは明後日、土曜の夕方(日本時間)から。フェルナンデスの最後の勇姿、見届けよう