インターハイ2021(第70回全国高等学校スケート選手権大会)、女子フリー(ジャッジスコア)。
後半から。曲名はブロック大会などの選手情報から。
<G3>
伊勢桃菜 SP:49.68(12) FS:72.14(20) 合計:121.82(20)
映画「アナスタシア」より♪ 薄紫と紺。3ルッツは両足着氷になったが、3フリップ+2トウを決める。後半3サルコウの転倒。丁寧に滑っていると感じた。
猪股早哉子 SP:50.32(11) FS:71.89(21) 合計:122.21(19)
「You Raise Me Up」♪ 青系グラデーション。きれいな2アクセルから。両手上げ2ルッツ+2トウ、3サルコウ+2トウ、2フリップ+2トウ決まる。2本目の2アクセルで転倒。2回転が中心なので技術点は厳しいが、柔らかな雰囲気がよかった。
三枝知香子 SP:50.85(10) FS:79.27(16) 合計:130.12(15)
「ライフ・イズ・ビューティフル」♪ オフホワイト。3トウ、3サルコウ+2アクセルといいスタートだったが、フリップでパンク。3トウ+片手上げ2トウ、2アクセル+2トウ+片手上げ2ループなど決まった。一歩がよく伸びてスケーティングには安定感がある。
鬼頭まりあ SP:52.32(9) FS:80.26(15) 合計:132.58(13)
「Unleashed」♪ 黒、スカートの裏地が紫。冒頭のジャンプで転倒したが、2アクセル+3トウ、3サルコウ+2トウをきれいに決める。後半転倒やパンクが出てしまった。最初から最後までスピードがあるのはいい。
渡辺倫果 SP:53.05(8) FS:100.10(3) 合計:153.15(5)
「Sunday Afternoon」♪ ブルー。3ルッツ+3トウ、ここで3+3が決まってきた。3ループ+2トウ+2ループ、2アクセル+3トウなど、さすがの実力を見せる。後半ループがパンクした以外はノーミスでまとめきった。
全日本選手権ではフリーに進めなかったが、ここで滑れて何より。
三浦向日葵 SP:54.24(7) FS:74.89(18) 合計:129.13(16)
ハチャトゥリアン「ガイーヌ」♪ 薄紅。2アクセル+両手上げ2トウ、両手上げ2ルッツ、3サルコウ+両手上げ2トウと序盤好調。ループが不調で回り切れず。最後オイラーを挟む3連続もうまくいかなかった。
「スピンのポジション変更がぴたっとはまって気持ちいい」と解説。
<G4>
江川マリア SP:54.62(6) FS:102.88(2) 合計:157.50(2)
「ロミオとジュリエット」♪ 濃い青の上に水色を重ねる。3ルッツ+2トウを決め、手はついたが3フリップも着氷。ルッツのパンクがあったが、高さのある2アクセル+3トウで立て直す。終盤3サルコウを2つ跳んだが、どちらも単独?
ステップでは「長い手足を生かしている」と解説。全体に優雅な雰囲気を持っている。
浦松千聖 SP:56.30(5) FS:95.54(4) 合計:151.84(6)
「ミス・サイゴン」♪ ターコイズブルーのアオザイ風、裏地がピンク。3フリップ+3トウをビシッと決めるが、3ルッツは手をついた。2アクセル+2トウ+2ループ、3ルッツ+2トウと入る。スピンもI字姿勢やヘアカッターからのビールマンときれいだった。
全日本のときより、身体も動いて滑りに切れがあったと思う。
前野百花 SP:58.99(4) FS:84.82(11) 合計:143.81(7)
「ロミオとジュリエット」♪ ベージュ系。きれいな3ルッツ+2トウ、2アクセルが決まる。後半3トウ+2トウも入るが、3フリップ、2アクセルと2回の転倒があった。ジャンプを跳ぶときに余分な力が入っていないのはいいが、着氷で踏ん張り切れない部分もあるのかな
ビールマン姿勢に入るのが素早かった。
元榮愛子 SP:59.81(3) FS:94.60(6) 合計:154.41(4)
「ラ・マンチャの男」♪ 緑系。2アクセル、3サルコウ、3ルッツ、3ループと前半は単独ジャンプが続いた。後半3サルコウ+2トウ、最後に2アクセル+3トウと頑張る。
ビールマンスピンの姿勢が、足をぴんと伸ばして脛のあたりを持つ面白い形。
松生理乃 SP:61.03(2) FS:120.30(1) 合計:181.33(1)
「Perhaps Love」♪ 蛍光ピンク。3フリップ、2アクセルと着氷後のトレースを美しく見せる。後半3ルッツ+2トウ、3フリップ+2トウ+2トウと高難度ジャンプを入れ、3サルコウ+3トウで惜しい転倒。
男性ボーカルの部分では力強くシャープな動き、女性ボーカルでは柔らかくと意識しているのが見える。
横井きな結 SP:61.77(1) FS:95.20(5) 合計:156.97(3)
「ハリーポッターと賢者の石」より♪ カーキに花。果敢に3アクセルに挑んだが転倒。3サルコウのコンビネーションが+1トウになった。後半3ルッツ+2トウ+2トウは入ったが、2アクセルに3トウ予定が入らないなど、やや不本意だったか。
レイバックスピンは足を持たない姿勢で8回転してからヘアカッター。
結果、全日本ジュニア女王の松生理乃が逆転優勝、2位に2年連続で江川マリア、3位横井きな結。4位元榮愛子、5位渡辺倫果、6位浦松千聖。2位から6位までは150点台。
なかなかショート、フリーともにノーミスというわけにいかなかったようだが、まずは無事に大会が終わってよかった
インターハイ2021(第70回全国高等学校スケート選手権大会)が開催中。
この大会はジュニアのルールに従って行われる。留年などをしていない限り、日本の高校生はジュニア・シニアのどちらにも出場できる年齢に当たるので、選手によっては既にシニアに上がっていて、この大会に合わせてジュニアのプログラムに直していたりする。ジュニア、シニアかけもちもいる。
全日本ジュニアで上位だった選手たちは、シニアの全日本選手権の推薦出場に備えて、すぐシニア用プログラムの練習をしていたと思われる。そして暮れの全日本が終わると、今度はまたジュニア用の練習というわけで、、、ややこしい
今季からシニアに上がっていた鍵山優真、佐藤駿がジュニア用の練習を始めたのは、おそらく年明けからだろう。
ジュニアのルール(2020-2021)を簡単におさらいすると:
<男子>
[SP必須要素]
2回転または3回転ルッツ 2回転または3回転アクセル 3+3または3+2ジャンプ
フライングキャメルスピン 足換えシットスピン 足換えコンビネーションスピン ステップシークエンス
*4回転ジャンプを跳んではいけない。ルッツ以外の単独ジャンプを跳んだら無効。
[フリー]ジャンプは7つまで、そのうちコンビネーションは3つまで。4回転を跳んでもよい。コレオシークエンスはなし。
<女子>
[SP必須要素]
2回転または3回転ルッツ 2回転アクセル 3+3または3+2または2+2ジャンプ
フライングキャメルスピン レイバック/サイドウェイズリーニングまたはシット(足換えなし)スピン コンビネーションスピン ステップシークエンス
*4回転ジャンプを跳んではいけない。3回転アクセルは、コンビネーションの中に入れる以外は跳んではいけない(その場合は別に2回転アクセルも跳ばなければならない)。ルッツについては男子と同じ。
[フリー]男子と同じ。
<男女共通>
・フリーの時間は3分30秒±10秒。シニアより30秒短い。
・転倒による減点は、1回につき1点。何回でも同じ。(シニアは3回目と4回目が2点、5回目から3点)
本田望結の記事で「2回転ルッツは決めた」等の記述があって、一瞬「2回転じゃ0点でしょ」と思ってしまったが、ジュニアのルールではちゃんと点数が入るわけで、記事は正しかった
佐藤駿が「(ずっとSPでも4回転をやってきたので、3回転ルッツに)逆に緊張した」とコメントしていた。必ず単独のルッツを跳ばなければならないので、失敗したらリカバリーできない
鍵山優真はフリーで「コレオシークエンスを抜いた演技構成を自ら考えたが、『ぎゅうぎゅうになったかな』と自己分析した」と記事にある。ジュニア用にコレオを足すより、シニア用からコレオを抜いて再構成するほうが難しいのか、、、
久しぶりのジュニアに参加するのは意外と大変らしいが、これで終わりではない。来週は国体で、中高生が出場する少年の部はジュニアルールで行われる。鍵山、佐藤、本田ルーカス剛史など、軒並みエントリーしている。世界選手権派遣予定の鍵山を除いて、今季最後の試合になりそう。タイトなスケジュールだけど、いい演技ができるように頑張って~