Quadruple Axelでアイスダンス?!と思いながら注文した「フィギュアスケート男子ファンブック Quadruple Axel 2021 シーズン開幕スペシャル」が届いて早速チェックした。
表紙が村元哉中/高橋大輔組で、NHK杯後の巻頭インタビューじっくり。コーチのマリーナ・ズエワ、マッシモ・スカリのインタビューも詳しい。ズエワコーチは「この調子で成長を続けていければ、オリンピックでも充分、表彰台は狙えるでしょう」と自信満々だ。
高橋大輔のシングル時代のコーチ長光歌子さんや、村元哉中の姉で木下アカデミーコーチの村元小月さんのインタビューもある。
キャシー・リードさんは「カップル競技がより一層注目されていることに興奮しています!」と喜びつつ、「このいい時代を迎えるまでには、多くの方の尽力があったことを忘れてはいけません」として、先輩たちの名前をずらっと挙げている。敬称略で要約すると:
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1956年に全日本選手権で初めてアイスダンス競技が行われ、初代チャンピオンの金子恵以子/竹内己喜男が8連覇、62年に世界選手権に初出場。84年サラエボ五輪に佐藤紀子/高橋忠之が出場して17位。出光純子、藤森美恵子、加藤真弓、東野章子、滝野薫は引退後ジャッジやテクニカルスペシャリストとして活動。宮本賢二、都築奈加子、佐藤操、田中衆史、木戸章之、渡辺心、有川梨絵、平井絵己はコーチや振付師として後進の指導にあたっている。
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この系譜に、キャシー・リードさんも続いている。木下アカデミー、倉敷FSCで指導し、今季は小松原美里/コレトティム改め小松原尊組も指導しているということだ。
日本のアイスダンスチーム名鑑に紹介されたのは10組。プロフィールとして生年月日、所属クラブ、コーチの名前、今季のプログラム曲、振付師の名前がまとめられている。
NHK杯優勝の小松原美里/ティム・コレト、同2位の深瀬理香子/張睿中、全日本ジュニア優勝の吉田唄菜/西山真瑚、この3組はインタビューも掲載。
平山姫里有/立野在(全日本4位)、矢島榛乃/池田喜充(同5位)、佐々木彩乃/田村篤彦(全日本ジュニア2位)、山下珂歩/永田裕人(同3位)、來田奈央/森田真沙也(全日本ノービス1位)、吉田菫/小河原泉颯(同2位)、山本クレア/福岡孝太郎(同3位)はプロフィールのみで、東日本/西日本選手権や全日本ジュニア・ノービスでの順位やコメントはなし。1ページに写真とプロフィールが並んでいるだけなので、どの組がどのカテゴリなのかわかりにくいのが惜しい
誌面後半に男女の全日本ジュニアと全日本ノービスの結果を紹介するページがある。トップ10のスコアや写真、3位までの選手のコメントが掲載されている。アイスダンスも開催されているのだが、スコアや写真、コメントはない。ノービスには、名鑑で紹介されなかったスミス・カリーナ/森下蓮太郎、松崎羽琉/本村明希も出場していた。名前と写真だけでも掲載してほしかった
[徹底解説]アイスダンスの基礎知識はなかなか分かりやすい。禁止されている動作や、リズムダンスとフリーダンスの必須要素などが解説されているが、細かいところは省略されていて
ツイズルに関して、リズムダンスで必須要素のシーケンシャルツイズルと、フリーダンスのシンクロナイズドツイズルの違いの記述がなく、シンクロナイズドツイズルでまとめられてしまった。1つ目と2つ目の間の歩数(シーケンシャルは1歩、シンクロナイズドでは2~4歩)やパートナー間の接触(シーケンシャルは不可、シンクロナイズドで必須)の説明がほしいところ。
リフトの名前が微妙に 「1か所に止まって行うステーショナルリフト」となっているが、ステーショナリー(stationary)が一般的。
フリーのコレオグラフィックエレメンツとして紹介されたのはリフトのみ。「3種類」とだけ書かれているが、何種類から選ぶかが書いてない。シニアはキャラクターステップシークエンスが必須で、さらにリフト、スピニングムーブメント、ツイズリングムーブメント、スライディングムーブメントから2種類の計3種類というのが正確なところ。
いろいろ突っ込みどころはあるが、アイスダンスがどーんと特集されたことは良しとしよう。でもやっぱり、ペア&アイスダンス専門ムックで、みっちり詳しいのを読みたい
公開当時大ヒットした後、フィギュアスケートで曲がよく使われるようになったミュージカル映画「La La Land」。Amazonプライムとかでも見られたんだけど、なんとなく忘れていて
NHK総合で放送したので、これ幸いと見ることにした。吹替だったのでちょっとびっくり BSプレミアムだと大抵字幕なんだけど 英語音声と字幕で見てみた。
大まかなストーリーは知っていたが、細かいところがやっとわかった。セブがバンド活動で人気が出て、すれ違いで別れたと単純に思っていたが、ミアがオーディションに受かってそれぞれの夢に向かって別れていくのだった。
もし2人が結婚してたら、と空想するラストシーンの構成も沁みる。現実では娘がいるミア、空想では息子が生まれていた。
昔ながらのミュージカル映画をいろいろと彷彿とさせるダンスシーンの数々。一方で立ったまま歌だけで惹きつけるシーンもあって、堪能した。
今季のフィギュアスケートで曲を使っているのは、本田真凛のフリー、深瀬理香子/張睿中組のリズムダンス、閻涵のフリーなど。このあと演技が見られる大会がいつ、どこで開催できるかわからないが、これからは映画のシーンをしっかり思い浮かべながら見られそう