フィギュアスケート・ヨーロッパ選手権2025、男子フリー(ジャッジスコア)。日本時間で夜中の1時からなので、第1滑走のヴァルター・ヴィルタネン(フィンランド)だけ見て寝ようと思ってたのに、、、
やっぱり最後まで見ちゃいました
どうしてヴィルタネン選手が見たかったかというと、今季の世界選手権出場に必要なCombined Total Element Score(ショートプログラムとフリーの技術点合計)が獲得できていないから。選手権出場に必要な技術点は、今季からSPとFS別々ではなく合計が基準になったが、その分スコアが引き上げられた。男子は104点なので、SPで36点、FSで68点くらいが目安になるだろうか。
フィンランド男子は一番高得点のヴィルタネン選手でも101.48。来年のミラノ五輪出場枠がかかる世界選手権2025に、フィンランド代表を送りこみたいところだが…
4回転に挑もうとした冒頭のトウループが中途半端な3回転になり、その後もジャンプ安定せず、残念な演技になってしまった
同様に残念だったのはケヴィン・エイモズ(フランス)。冒頭の4トウで転倒、3アクセルも2度転倒、パンクもあって、どこか痛めたかと心配する。しなやかで独創的な振付やステップの素晴らしさがあるだけに、キス&クライの悲しそうな顔が辛い。元気になってほしい
面白いプログラムは、イヴァン・シュムラトコ(ウクライナ)。ヴィヴァルディ「四季」の「夏」だが、観客とやりとりするように手や指先を使う振付。後半はロックでバリバリ盛り上げた。
4回転がまだないが安定感抜群のアダム・ハガラ(スロバキア)、なんか清純な感じで私のお気に入りの一人 ジュニア最終年で、今季は世界ジュニア優勝を狙っているかも。世界選手権では五輪出場枠も期待されているだろう。
後半最初のデニス・ヴァシリエフス(ラトビア)、うっかりテレビの前から離れていて見逃し、後で動画を見た。4サルコウ2本入った~~~ 3アクセル2本も!回転不足があっても、とにかく下りたのは彼としては凄い。もう観客の盛り上がりも凄くて、得意のスピンも「待ってました!」という感じ。ラストの雄大なイーグルからイナバウアー、ウォーレイのコレオに最高潮だった。
ルーカス・ブリツィギ(スイス)、今季は衣装の変化はないようで 4回転はトウ2本だが、3アクセル2本などほぼノーミス。最後まで元気よく滑りきり、フリーの自己ベスト更新でトップに立つ。267.09、誰が超えるかな?と思ったら、、、
地元エストニアのセレフコ兄弟、兄はいまいち振るわず、弟は4ループを決めたのにその後かみあわず。ニコライ・メモラ(イタリア)が4ルッツ2本、3アクセル2本と美しいジャンプを見せてほぼノーミス、これは超えるか?と思ったが足りず2位につける。スピンやステップであまり取れていなかったのと、演技構成点で差がついたようだ。
SP3位のヴラジーミル・サモイロフ(ポーランド)、4ルッツに挑み4サルコウを決めたが、少しずつずれていったような フリーは13位と大きく順位を落とした。
SP2位のニカ・エガゼ(ジョージア)は、4回転予定が3回転や2回転になってしまったのが響いた感じ。そしてSP1位のアダム・シャオ・イム・ファ(フランス)、4トウ転倒、4サルコウ成功、後半4トウが単独で+REP。終盤にはお約束のバックフリップも見せたが、、、
結果、ブリツィギが優勝 スイス人として1947年以来だそうで
意外にもステファン・ランビエールはヨーロッパ選手権で優勝していなかったのだった。2位メモラ、3位アダム・シャオ・イム・ファ。
来季の出場枠、3枠はイタリア(2位+5位)のみ。2枠はスイス(1位+32位=18ポイント)・フランス(3位+22位)・ジョージア(4位)・ラトビア(6位+14位)・エストニア(7位+9位)・ポーランド(10位)。
結局最後まで見るなら、見ながらコメント書いてアップすればよかったかな エキシビションは日本時間の23時から。
フィギュアスケート・ヨーロッパ選手権2025、アイスダンス・フリーダンス(ジャッジスコア)。最終グループだけ
アリソン・リード/サウリウス・アンブルレヴィシウス(リトアニア) RD:78.67(5) FD:117.99(7) Total:196.66(6)
「Lord and Master」「Never Change」「Kryptonite」♪ 黒のチュチュ風、黒。女性は命を吹き込まれて動き出す。直前のドイツチームが良かったので、比べられてちょっと損したかも。ラストは女性が男性の命を奪って勝利
シーズンベストが出たが、スマート/ディエク組を上回れず。
ユリア・トゥルッキラ/マティアス・ヴェルスルイス(フィンランド) RD:81.26(4) FD:124.43(3) Total:205.69(4)
「Bewitched」「Obcy Astronom (Remastered 2021) 」♪ 赤、黒。アシンメトリーのスカートを艶めかしくさばきながら、タンゴ風の曲でシャープに踊る。靴の上に膝を乗せるリフトにぞくぞく。自己ベスト更新でトップに立つが、、、
ライラ・フィアー/ルイス・ギブソン(イギリス) RD:81.57(3) FD:124.45(2) Total:206.02(3)
「Halo」「End of Time」「Crazy in Love (Homecoming live)」♪ 赤、黒。ビヨンセのメドレーで、スポーティーなプログラム。リンクを縦断するコレオステップはノリノリで、ラストに力強いステーショナリーリフト、盛り上がる。
僅差でトップに立ち、表彰台を確定させた。
エフゲニア・ロパレヴァ/ジェフリー・ブリソー(フランス) RD:82.75(2) FD:124.01(4) Total:206.76(2)
「Elephant」「Fugue in D minor」「360」♪ 赤と黒のつなぎ、黒。オルタナ系の曲で、不思議な雰囲気を醸し出す。きっちりと技術を見せ、迫力のあるスライディングでフィニッシュ。
自己ベスト更新に男性は大喜び、女性は自信があったのか静か。0.74点差でフィアー/ギブソンを上回り、2位以上確定。
シャルレーヌ・ギニャール/マルコ・ファブリ(イタリア) RD:84.23(1) FD:127.89(1) Total:212.12(1)
「Robotboys Audition」「Goodbye」「Dubstepic Symph」♪ シルバー系つなぎ。ロボットになりきって、カクカクした動きが面白い。女性が男性の足をつかんで体を横にするステーショナリーリフト、体幹が凄い
練習どおり出来ている自信が後半の表情に見える。そろって電池切れ、のポーズでフィニッシュすると、女性が男性の胸に頭をつけてほっとした感じ。
シーズンベストに近い得点で、見事にヨーロッパ選手権3連覇達成
結果、優勝はギニャール/ファブリ、2位ロパレヴァ/ブリソー、3位フィアー/ギブソン。4位トゥルッキラ/ヴェルスルイス、5位スマート/ディエク、6位リード/アンブルレヴィシウス、7位折原/ピリネンとなった。
全参加国&地域に3枠が保障されている四大陸選手権と違い、ヨーロッパ選手権は翌年の出場枠が順位(合計)で決まる。
3枠はフランス(2位+9位)、フィンランド(4位+7位)。2枠はイタリア(1位+15位)、イギリス(3位+13位)、スペイン(5位)、リトアニア(6位+19位)、ジョージア(8位)、チェコ(10位+12位)。
アイスダンスには地元エストニアの選手がエントリーしていなかったせいか、ご近所のフィンランドやリトアニアの選手にほぼ地元!みたいな盛大な応援だった。
このあとは男子フリー