いか@ 筑豊境 寓 『看猫録』

Across a Death Valley with my own Distilled Resentment

アメリカ幕府 藤堂高虎

2005年09月23日 20時51分09秒 | 日本事情
先日9/21, NHKのテレビ番組・その時歴史が動いたで、藤堂高虎をやっていた。。戦国 出世の方程式 ~藤堂高虎 大坂夏の陣の大勝負~そこで、思い出したのが「アメリカ幕府」。「アメリカ幕府」といのは渡辺昇一センセの造語であるらしく、現在の世界情勢を穿った表現である。そういう「アメリカ幕府」的状況で日本は藤堂高虎のごとく生きよ!というのが渡辺センセの御主張らしい。雑誌に掲載されたその文章が現在本として出版されているのかわからず、原文を見れていないので、その渡辺センセの御主張のまとめを2つネットで拾った;

イラク攻撃でフセイン政権は崩壊した。上智大学名誉教授の渡部 昇一氏は『Voice』2003年5月号の「アメリカ幕府が始まった」で、機能が麻痺した国連に代わり、イラク攻撃を支持した日米英にスペインを加えた4カ国同盟を結成せよと呼びかける。そうなれば、日米間の安全保障面での結びつきは強まり、集団的自衛権の行使を認めないとか、非核3原則でアメリカの核持ち込みに応じないといった非現実性も改められ、北朝鮮や中国を牽制するうえで、アメリカから見ても日本はより頼もしいパートナーになれると言うのだ。渡部氏によると、イラク攻撃で日本国内の意見が分かれるのは、「どちらが正義か」という視点だけで見ようとするからで、大事なことは「自らの国益をいかに守るか」という視点だと指摘する。氏はさらに現在の国連が日本やドイツを敵国条項から外していないことを問題視して「国連とNATO(北大西洋条約)という第2次大戦後の世界をリードした2大組織にヒビが入ったことは、日本にとってきわめて有利に働く」と判断する。氏は現在の世界は江戸開幕期の状況に似ていると見る。共産主義の残党を潰す戦いが始まろうとしている時、日本はアメリカにとって藤堂高虎になれと提言する。高虎は豊臣家の家臣だったが、天下をとった徳川家に勝てないとみて徳川につき重臣に取り立てられた戦国の武将である。

ソース

今のアメリカと世界のあり様を、うまく表現しているのが、渡部昇一さんの「アメリカ幕府が始まった」(『ボイス』五月号)という論文です。
・「現在の世界を比喩的にあらわすなら、ソ連の解体によって、四百年前の日本と同じ状況になった」
・「一六〇〇年の関ケ原の戦いで西軍(石田側)が敗北し江戸幕府が開かれ、以後、徳川家に武力で対抗する藩がなくなったように、現在のアメリカに武力で対抗できる国はない。そうイメージすれば、世界が現在どのような構図にあるのか、はっきり見えてくるだろう」
・「現在の世界が江戸開幕期の状況にあるとするなら、これから起こるのは『大坂冬の陣と夏の陣』で、つまり共産主義の最後の残党である北朝鮮と中国を潰す戦いが始まる」

ソース

■問題はこの「渡辺モデル」では大阪の陣はまだなのです。渡辺モデルでの豊臣家は中国、北朝鮮とのこと。つまり、渡辺モデルでは、今後中国、北朝鮮との戦争を米国がやるから、日本はしっかりそれについていけというもの。

■この渡辺モデル・「アメリカ幕府」認識で日本は行こうと主張しているのは、次の首相候補でもある麻生太郎氏。

麻生太郎は言う;

私はブッシュ政権が仮に来年の11月に再選したら、たぶん共産主義の残映を残し、覇権を唱えている中国や北朝鮮との戦さが始まるだろうと想像しています。その時日本では、アジアだからとかいった情緒的理由ではなく、真の国益を考え、中国への思いや、未練を断ち切り「アメリカ幕府」を支えなけりゃならない事が有り得る、という心構えと言うか覚悟をしておかねばならないんじゃないでしょうか。

■中国、北朝鮮との戦さが始まる。と明快に見通し、かつ米国を支えると。

ん~、すごい覚悟だ。それにしても、日本は、日本国民は戦争をする覚悟があるのか、ないのかを真剣に決断しないといけなくなりそうです。別に憲法9条を守るのも一策と思います。しかし、その場合でも、戦争すると決断した場合と同様、覚悟が必要です。戦後まもなくの所与のものとしての憲法9条を不可避的に戴いてきた状況と違い、自分として9条を着るのか、脱ぐのか決断しなければなりません。ただ改正しないからそのままある、というのでは最悪の状況をもたらすでしょう。