いか@ 筑豊境 寓 『看猫録』

Across a Death Valley with my own Distilled Resentment

ジンギスカン 屋に行った。

2005年10月09日 20時30分04秒 | その他
つくば市二ノ宮 『けむり屋』






ちゃんと、ジンギスカン鍋です。ジンギスカン鍋はドーム状になった、鉄兜のような鉄板。なぜ、鍋というのかは知らない。ただし、この店のジンギスカン鍋は切れ目が入っていて、加熱の炎と煙がじかに肉にあたる。そして、加熱手段が七輪。炭火焼ジンギスカン。

上の画像、見た目がきれいじゃないですね。 きれいなジンギスカンなべの画像はこちら
一人前1000円。野菜とラム肉。

肉は焼肉屋のカルビ程度の大きさ。厚さはやや暑い。北海道の従来のものは手の甲程度んの大きさで暑くない。ジンギスカンのおいしい食べ方は焼きすぎないこと、赤みが消えた瞬間、にじみでた肉汁が乾かない段階でたべること。やわらくておいしい。すっかり焼き上げて食べているひとがいるが、それはまずいよ。

ラムとマトン。ラム肉とは成獣になる前の羊肉。こちらの方がやわらかく、くさみがなく旨いとされている。北海道でジンギスカンが始まった理由は、羊の処分。すなわち20世紀のはじめ頃、大陸での戦争を遂行するため防寒服が必要となり、羊を飼育し始める。国策である。その派生でとうがたった羊をどうしよう?食べよう、ということになった。当然、マトン。

日本にいないはずの羊が国策で日本に導入され活用された。こんな羊は日本にいないはずだ、と自分が関与する広告の写真に写った羊への見知らぬ男からの詰問からはじまる、村上春樹の御伽話『羊をめぐる冒険』はこういう歴史を背景としている。

「しかしもちろん、私は君に日本近代の空虚性について語ろうとしているわけじゃない。私の言いたいのは、幕末以前には日本には羊は一頭も存在しなかったということと、それ以後輸入された羊は政府によって一頭一頭厳重にチェックされていたという二点にある。このふたつが意味するものは何だ?」
『羊をめぐる冒険』より、奇妙な男性秘書の「僕」への質問。




ねこめし。400円。名前だけで注文。まあ、ただたれと鰹節を混ぜて、ごまを振りかけたもの。器が銀色のメタルで、これはコリアン料理屋の器の使いまわでしかありえない。

最近、ジンギスカン屋がぽつぽつできているが、これはたいした調理技術もいらず開業できることも一因だろう。