いか@ 筑豊境 寓 『看猫録』

Across a Death Valley with my own Distilled Resentment

「まっすぐ飛べばいいのにね」

2014年08月10日 19時33分55秒 | 日本事情

今の大学生の多くは語学研修を含め「留学」するらしい。

もちろん、おいらは留学なぞしたことはない。

大人になっての初めての海外渡航は[#1]、30歳すぎて、労働ビザをパスポートに張り付けて、カナダにポスドクに行ったときである。

なお、バンクーバーのこのおばあさんについて反応が全くない。 有名人だと思うのだが。 猫々先生だってすれ違っているのではないだろうか?

さて、一昨年2012年の10月にロンドンに行った時の話。 行きの飛行機のおいらの周りは語学研修にいくらしい学生(女性)が数人座っていた。

彼女たちが見ていた資料から語学研修らしいとわかった。ただし、大学名とかはわからなかった。

そうこうしていると、座席前のモニターで成田⇒ロンドン[ヒースロー]の飛行ルートを示した画面を見て、女子学生が、となりの友達に、

「まっすぐ飛べばいいのにね」と言った。

(なおこの画像はネット上のパクリもので、実際はANAではない)

「いやいや、まっすぐ飛んでいるんだよ。これはメルカトル図法(を鳥瞰している)なのだよ」とおいらは内心おもった。

まっすぐ飛んでいる ↓

 

別においらは彼女の表面的な無知を嗤いたいわけではない。

そもそも、メルカトル図法を見て、「なぜ、まっすぐ飛ばないのか?」と疑問を持ち、声を発したことは、彼女が、かなりの知的能力(=疑問検出力)を持つことを示す。

そして、「なぜ、まっすぐ飛ばないのか?」を突き詰めていけば、そして、調べれば、地図の図法と距離や方向の表現についての知見に到るはずなのだ。

問題は彼女がそのとても重要な疑問を解決するように駆動しつづけたかである。

「紆余曲折でも、真理に飛べばいいのにね」

そして、「留学」体験で、いくばくかの重要な「疑問」を持つことを祈る。


[#1] がきんちょの頃、羽田から渡米したことがある。 今なら、羽田から渡米はあり得る。ただし、おいらがカナダに行った20世紀末、カナダで遭った日本人たちに、「昔、羽田から渡米したことがある」というと、皆が驚いたので、こっちが驚いた。