HQ., 307 R.C.T = HeadQuarter 307 regimental combat team 、Camp Seidenberg、Sapporo、JAPAN
キャンプ・シーデンバーグの第307歩兵連隊司令部。札幌 月寒、元北部軍司令部及び歩兵連隊駐屯地
307th Infantry Regimentの記章が確認できる。
この部隊はフィリピン、グアム、沖縄と転戦し、一旦フィリピンのセブ島で休暇をとり、1945年10月5日に小樽到着、札幌に進駐(愚記事)。
■1945年10月に札幌に進駐した米占領軍の駐屯地である「Camp Seidenberg」が、2020年3月29日の現時点で、Google検索で検出できない(Google [Camp Seidenberg])。Camp Seidenbergに関する情報をネットで得られなかった。
占領下、そしてその後の安保体制での日本の米軍基地に関する情報は米国側から発せられる情報が多い。とても多い。ネット時代になり、個人的回顧・昔の写真など驚くほど多い。しかし、Camp Seidenbergに関する情報をネットで得られなかった。
日本語での情報。Camp Seidenbergを札幌市のサイトでは「キャンプ・シーテンバーグ」[1]と記している;
明治29年(1896年)、月寒に独立歩兵大隊が置かれ、後に歩兵25連隊に改編されました。同連隊は、現在の月寒東1-3から東2-8にまたがる広大な敷地を持っていました。(中略)歩兵25連隊の兵舎群は、昭和20(1945)年10月から22年までアメリカの進駐軍が「キャンプ・シーテンバーグ」として使用しました。(豊平区月寒中央通5丁目) (札幌市平和バーチャル平和資料館 さっぽろの戦跡 歩兵25連隊正門前の松)
Camp Seidenbergは敗戦後から1947年まで使用された(らしい)。のち、札幌の米軍基地はCamp Crawford、キャンプ・クロフォードへ移る。両キャンプの札幌における位置を下に示す;
C-S: Camp Seidenberg (キャンプ・シーデンバーグ)、C-C: Camp Crawford (キャンプ・クロフォード)、赤星印:拓銀本店、米軍司令部、N; 中島公園(米軍施設設置地域)
■Camp Seidenberg(キャンプ・シーデンバーグ)に関する文字・画像情報はネットですぐには見つけられなかった。しかし、むしろ、映像を見つけた(愚記事:敗戦直後の札幌市街の映像;市街地、拓銀本店・77師団司令部、月寒駅、米軍駐屯地)。
The 77th in occupied Japan、University of South Carolina, University Libraries
https://mirc.sc.edu/islandora/object/usc%3A39152 の映像から切り取った。
北部軍司令部。この建物は戦後まもなく焼失したらしい。
北部軍司令部防空指揮所。この建物は最近まであったとのこと(札幌市のsite)
兵舎群。もちろん日本軍のものである。月寒から西の方角の手稲山ー藻岩山の一連の山並みを撮影者は注目していた。詳細は映像で見ることができる。
■ 唯一のCamp Seidenbergについての文字情報
唯一のCamp Seidenbergについての文字情報は、Reports of General MacArthur THE CAMPAIGNS OF MACARTHUR IN THE PACIFIC VOLUME I のchapter II での図である。図に占領軍の部隊配置が時期を追って記載されていた。1946年1月の図にはCamp Seidenbergは認められない。1946年12月の図にCamp Seidenbergが見える。ただし、部隊は187 GLI。
(わかるまでネット検索で相当苦労したのだが結論だけ書くと)
札幌に最初に進駐した第307歩兵連隊を含む第77歩兵師団は、進駐半年後本国帰還。替わりに第11空挺師団が仙台から進駐(関連愚記事;マッカーサーと一緒に「厚木」に来たこの子猿はどこへ行った?)。上の図の部隊を示す記号の 187 GLI とはThe 187th Glider Infantry Regiment(第187グライダー歩兵連隊)を示す。
(GLIが何の略であるか調べてわかるまで半日かかったょ)
つまり、やはり、第11空挺師団が札幌に来たときはまだ Crawford (キャンプ・クロフォード)出来ておらず、少なくとも一部の米兵はCamp Seidenbergに駐屯したのだ。でも、第11空挺師団の記録周辺を検索してもCamp Seidenbergは出てこない。
[1] 札幌市のsiteのSeidenbergの表記が「シーテンバーグ」となっている。なぜtの音なのかわからない。dだと思う。ネットで発音を調べると、(ドイツ式の)サイデンバーグとシーデンバーグがあった。いずれも d 。