▲ 今週のみけちゃん
▼ 新しい街でもぶどう記録;第442週
■ 今週の武相境斜面
■ 今週の花
■ 今週の「変」
■ 今週の いか
Hotaru no Hikari おしゃれおつまみ ギフト珍味専門店「ホタルノヒカリ」
イカのペペロンチーノ
■ 今週の茸
100円。
黒あわび茸 和歌山県岩出 あわび茸ファーム https://www.awabitake.com/
■ 今週の叢書:ローブ古典叢書
エドワード・ルトワクという戦略学者がいる(wikipedia)。ユダヤ系で多国籍人らしい。彼のYouTubeを見てたら、ローブ古典叢書を背景に孫と対話していた。ローブ古典叢書とは;
「ローブ」は「ロウブ」「ロエブ」とも表記される。
英語との対訳もあって広く普及しており、初学者が古典にふれるのを助けている。収録する文献は豊富で、古代ギリシア・ローマの抒情詩、叙事詩、悲劇、歴史書、哲学書、古典的な雄弁の記録、教父の著作などを収める。 (wikipedia)
https://www.youtube.com/watch?v=c_PgZpM5Aq0&t=1s
緑色がギリシア語で赤がラテン語。
一方、渡部昇一先生もローブ古典叢書を背景に語っているYouTubeを見つけた。
https://www.youtube.com/watch?v=B21lWppaKIg
そしてハマトンの教訓に従い、ギリシア・ラテンの古典は英語対照になっているもので間に合わせてきている。具体的には『ロウヴ古典文庫』四五二巻に当たればよい。これは現在一冊二千八百円だから、全巻揃えると百二十万円になる。渡部昇一、『知的生活の方法』1976年
1976年の大卒初任給は、94,300円。2,800円は、3%に相当。2022年は230,000円。現在、プラトンの「プロタゴラスなどを含む」巻は、Amazonで3,830円。1.7%に相当。なお、2011年には2,170円だった(大卒初任給、205,000)。1%に相当。円安と米国でのインフレのせいで、最近の方が高くなっている。
おいらは3冊もっている。このうち1冊は上記の2011年のAmazonからの購入品。残り2冊は、1980年代中頃、仙台で学生だった時、東京に帰省するA君に買ってきてもらった。東京には洋書の開架売り場で売っていると聞いたのだ。おいらが住んだ札幌や仙台ではローブ古典叢書なぞ見たこともなかった。
のち、2004年、ワシントンDCで泊まったホテルの近くにあった本屋にふらっと入ると、並んでいた。
■ 今週借りた本;『西郷隆盛を語る』
1976年に大和書房(だいわしょぼう)から『西郷隆盛全集』というのが刊行されたらしい。その全集の月報をまとめた本。昭和の大御所が西郷について対談している。
海音寺潮五郎は西郷を英雄とみる作家であり、顕彰、称賛に終始しているのはよいとして、西南の役で天を恐れぬ反逆を起こし、逆賊となり、結果、滅亡した西郷を擁護するため、元来仲間である大久保利通や岩倉具視を貶めているところだ;
朝鮮問題の議論の場合における岩倉や大久保の反対は、岩倉はどうかわかりませんが、大久保の反対は西郷を政府から追い出す為です。岩倉も陰謀の達人ですが、大久保も達人です。
なぜ大久保が西郷を政府から追い出したかったかというと、大久保は内務省を創設し、警察機構を充実させ日本を警察国家としたかった、というのが海音寺潮五郎の見解。戦前日本は警察国家で敗戦まで連綿と続いたと愚痴っている。
さらには、山形有朋の山城屋和助問題と、井上馨の尾去沢銅山問題など政治腐敗問題で、江藤新平が司法から処罰をしようとしている。その江藤を、大久保は、政権から追い出そうともしていたと海音寺は主張。なお、岩倉使節団で外遊した大久保と木戸孝允はけんか。それを岩倉がとりなして、西郷ー江藤への対抗を進めたと海音寺はみている。まあ、腐敗派とそれを糺す清潔派(西郷ー江藤)という図式。
▼「敬天愛人」とテロ・クーデター・戦争・内戦・日本人殺し
この1976年刊行の『西郷隆盛を語る』では、幕府を挑発しついには鳥羽伏見の戦いにもちこんだ「騒乱行為」は言及されていない。ただし、抽象的に
「騒乱行為」:騒乱行為はますます拡大していき、慶応3年11月末(1867年12月末)には竹内啓(本名:小川節斎)を首魁とする十数名の集団が下野出流山満願寺の千手院に拠って檄文を発し、さらに150名をも越える一団となって行軍を開始[6]。同年12月11日(1868年1月5日)から数日間、栃木宿の幸来橋付近や岩船山で関東取締出役・渋谷鷲郎(和四郎とも)率いる旧幕府方の諸藩兵と交戦し、鎮圧された[6][8]。敗れた竹内は中田宿で捕らえられ、処刑された(出流山事件)。しかし、参加者数名が脱走して薩摩藩邸に逃げ込んだ。(wikipedia)
昭和には西郷隆盛といえば英雄であったのだろう。でも、最近は、明治維新の見直しが目立っている。
なぜいま、反「薩長史観」本がブームなのか 150年目に「明治維新」の見直しが始まった
西郷隆盛=テロリストとは普通に認められるようになった。
坂本多加雄、中央公論社、日本の近代2、『明治国家の建設』、1998年。 策謀と明記。
「敬天愛人」を語るテロリストを理解するのは難しい。でも、この問題が重要なのは、国家、この場合近代日本の正統性(legitimacy)が問われるからだ。正統性(legitimacy)が薄弱では、次の革命、内戦を惹起する温床となる。そもそも、国民の忠誠心が薄れ、国力は衰退する。
奈良本辰也は;
「敬天愛人」などといっているが、彼のあの言葉は本当に身についているよ。そこから出てくるものは本ものの仁政思想だ。東洋的民主主義とでも言うのかな、そういうものが、西郷にはある。
といっている。一万人が死んだといわれる戊辰戦争を始めたことが、「敬天愛人」、仁政思想なのかね?もちろん、テロが「敬天愛人」、仁政思想の手段となるという理論はありうる。その場合、そのテロの妥当性を判断する基準、価値観が必要だ。
徳川幕府を倒すことが至上命題で、そのためには何でもありという風潮が結構最近まであった。これは進歩的歴史観で、歴史の進歩には「革命」が必要で、旧勢力打倒には流血は必然という歴史感に基づくものだ。共産革命の夢がぬぐえていない時代の産物だ。共産主義プロパーではなくとも、封建主義打倒には流血が当然という考えが支配的だったのだ。
▼ 岩倉使節団
本書で複数見られる指摘として、岩倉使節団は失敗した、どうしてあんな(すべきでない)ことをしたのか、があった。失敗とは条約改正ができなかったこと。ところで、現在、岩倉使節団は欧米文化導入に有益であったという認識であり、不平等条約の改正失敗は指摘されていない(とおいらは思うのだが)。
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