いか@ 筑豊境 寓 『看猫録』

Across a Death Valley with my own Distilled Resentment

捏造の阪大

2006年09月16日 13時11分27秒 | 日本事情

■阪大=大阪大学で、またぞろ、「捏造」「改竄」問題がおき、今回は助手が自殺したとのこと(*1)。現在リンク切れ⇒http://www.asahi.com/national/update/0907/OSK200609070010.html

大阪大学大学院生命機能研究科細胞ネットワーク講座染色体複製研究室
現在リンク切れ⇒事件の研究室のweb site (キャッシュ) 当事者のご尊顔が見れます。「詳細」をクリック。

去年も捏造事件があったし、阪大・産研の川合知二さんを非難したこういう web site 川合研は嘘の枢軸もある。真偽は各自判断すてね。

■そんなことはどうでもよくて、ただ頭の片隅に残っていた昨日、長岡半太郎について調べていたら、彼が阪大総長だったことを知り、ニコニコしてしまった。なぜなら、彼こそが水銀を金に変えたという現代の錬金術の成功を世に、記者会見だけど、発表した、元祖

いか@サマ研究者

に他ならないからである。

 長岡の理研でのエピソードの一つが、“水銀錬金術”に関する記者発表である。水銀錬金術とは、金よりも原子番号が一つ大きい水銀の原子を破壊すれば、金ができるというものである。「この理論に基づいて実験を行い、金ができた」と長岡は、大々的に記者発表を行ってしまったのだ。記者発表の仕掛け人は大河内であり、理研ビタミンに次ぐ成果として注目していたからだ。1924年(大正13年)8月20日に開かれた会見には多くの新聞記者が集まり、翌日の紙面には“驚異すべき学界の成功”との見出しが踊った。しかしながら、原子核内の陽子や中性子の結合力は非常に強く、長岡の方法では金はできるはずもなかった。理研ニュース

●これは、オーバーランである。理論的にできるはずである、という信念を基に、実際にできたと思い込んだのであろう。本人自身、捏造してやろうとは主観的には思っていないのであり、それだからこそ、そのもたらす結果は悪質なのである。

上記の阪大「捏造」者たちも、もしかして、「捏造」しているという自覚がないかもしれないのである。そこまで、自分を欺瞞できるのが、ある種の研究者なのである。

▼長岡というひとは、そういう意味では、なかなか底の深そうなお人だったらしい。

例えば;
 「東洋人は独創的見識が欠乏しているから、始終欧米人の開拓した学問を受け売りするに止まり、東洋人は研究しても成績挙がらず、骨折り損の労れ儲けに終わるのではないかと疑いました。この濃霧に塞がれた私の心中は実に憂鬱でありました。何とかしてこの疑惑を晴らさねば、気が済みませんでした」

一方;
 長岡は、そうではなかった。むしろ物理学界最大の奇人として有名であり、寅彦に「このごろお話になることは、どう考えても全部でたらめであります」と言われるほど“独創過剰”のところがあった

天才と狂人は紙一重である。そのsomething new 絶対思想は、科学者の気質として不可欠のものである。ただ、繰り返すと、それが自分を欺瞞するほど暴走することもある。

上の引用はここから→長岡論

▲のち、文化勲章。この「捏造」事件の後も、長岡は帝国学士院長を務める。大日本帝国の懐は深い。

川合センセも、めげずにがんがれ!

(関係ないけど)とーほぐ旧石器の諸君も、ガンガレ!

っていうか、阪大の付置研で、

『阪大・とーほぐ旧石器研究所』ってできたら、

にこにこできる。

▼それにしても、阪大って、ひどいね。その昔、基礎工でCVD実験のガスが爆発して学生が数名死んだ。その事件で誰も起訴・立件されることもなく、保障は同窓会や援助企業の資金で、支払ったらしい。なあなあの極みだね。そういうアナーキーなところが、魅力なのかね、阪大。

  
親分       院長(大きくてスミマセン)


*1
阪大教授らの論文に「疑問」 共同執筆者の1人が自殺
2006年09月07日10時14分

 大阪大大学院生命機能研究科(大阪府吹田市)の教授らのチームが専門誌に投稿した論文について、同研究科の助手(42)ら複数の共同執筆者から「データに疑問がある」という指摘が出され、大学が8月初めから調査をしていることが分かった。この助手は今月1日に自殺しており、大学は関係者から聞き取り調査を進めている。

 阪大などによると、論文は責任筆者の教授と自殺した助手ら他の研究者4人が共同執筆した。酵母菌を用いてDNA複製の仕組みの一部を調べた内容で、7月12日に米国の生物化学専門誌「ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー」の電子版に掲載された。

 しかし、8月2日に筆者側の申し出で論文は取り下げられた。関係者によると、助手を含む複数の共同執筆者が「オリジナルデータと論文のデータとの間に食い違いがある」と指摘。大学は同9日から調査を始めた。

 助手は今月1日、同研究室内で自殺した。吹田署は毒物のアジ化ナトリウムによる服毒自殺とみている。家族あての遺書とみられるメモには、論文などに関する内容は書かれていなかったという。

 同大学院生命機能研究科長の近藤寿人教授は「助手の自殺と調査との間に因果関係があったことを示す事実は今のところなく、助手が(不正などに)かかわった事実もない」と話した。

 阪大では、05年5月、大学院医学系研究科のグループが発表した論文のデータが捏造(ねつぞう)されていたことが発覚。今年2月、2教授を停職の懲戒処分にしている。


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