日本のリベラルはまやかしでしかない。アントニオ・ネグリの『ねぐり生政治的自伝…帰還…』(杉村昌昭訳)は衝撃的な書である。もともと憲法擁護などということをほざくような茶番とは、ネグリは無縁な思想家である。憲法を絶対視することなく、構成力を駆使して現状を打破するのを使命と考えているからだ。「赤い旅団」の首領とレッテルを貼り、犯罪者に仕立て上げるのに手を貸したのはイタリア共産党であった▼ネグリは厳しくイタリア共産党を批判している。「イタリア共産党はキリスト教民主党に、スターリン式訴訟とはなんであるかということ、つまり、絶対的断罪・抹消・粉砕といったものを教えたのです。この訴訟は、錯乱した論証、逸脱した合理性のもとに行われました。私の場合を例に引くと、私はたしかに革命的な文書を執筆しました。ところが、彼らはそれを危険であるとみなし、危険であるからには、『危険なこと』をしている人々と、当然接触があるものと判断したのです。したがって、私は犯罪団体の首領であるということになったのです」▼保守政党のキリスト教民主党には、そこまでする勇気はなかった。それこそ今の日本の民進党が日本共産党に振り回されているのと同じで、イタリア共産党にそそのかされたのだった。ネグリの主張は明快である。「肝心なのは、社会を管理し、規律を生み出す権力を、こういったことの実現を容易にするような方向に絶えず押やっていくということです」。日本のリベラルは、イタリア共産党以下の日本共産党と組んでおり、未来への展望がまったくない。現状を変革せんとする情熱がないばかりか、全体主義国家の中共や北朝鮮に膝を屈しているわけだから、若者に支持されるはずがないのである。
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