日本人の家族観を否定するような議論が巻き起こっている。結婚そのものに疑問を抱く選択的夫婦別姓などは、まさしくその典型である。マスコミや野党が躍起になって煽っているが、そうした空気に押し流されることは、日本の国柄を根本から突き崩すことなのである▼中村雄二郎は日本人の性格を「感情的自然主義」と評した。その観点から明治以降における我が国の「家族制度」と「天皇制」を問題にしたのだ。とくに中村は『哲学入門』で、憲法学者穂積八束の明治憲法の解釈に言及した。穂積の「祖先教ヲ以テ社会ノ秩序ヲ正フシ祖先ヲ崇拝スルノ教ハ即チ民族ノ宗家タル皇室ヲ奉戴シテ一国一社会ヲ団結スルト云フノ歴史ニ稀ナル法則ヲ数千年間ノ下ニ維持シ得タ」(「祖先教は公法ノ源ナリ」)といった考えは、「感情的自然主義」にほかならないからだ▼文明国でありながら、祖先の霊を崇拝することを我が国の社会構成の基礎にすることは、中村からすれば「『制度』が『自然』に還元され、『法律』が『道徳』に還元されていること、あるいはおのおのが融即敵に、つまりあいまいにまざり合ったものとしてとらえられている」(『哲学入門』)ことであった▼中村は哲学者として、日本の特殊性を取り上げているのだが、西洋的な意味での神が存在しない風土にあっては、自らを律するものが「感情的自然主義」のもとづく「祖先教」なのである。それに背を向ければ、我が国は大混乱に陥るのは必至である。過去から受け継がれてきた価値観を破壊する恐ろしさを、私たちは今こそ立ち止まって考えるときなのである。
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