未だに進歩的な文化人面をしている輩がいることが片腹痛い。韓国に媚びる者たちの集会が去る31日に開かれ、岩波書店社長の岡本厚が挨拶し、日本人の間に嫌韓ムードが高まっていることに対して「圧力で相手が屈するとの考え方には、相手への想像力が著しく欠けている」と批判した▼戦後の自称進歩派の代表は岩波書店と朝日新聞であり、そこにNHKが追随したのだった。岩波書店がそんな出版社であったわけではない。敗戦前までは、京都学派と呼ばれた西田幾多郎やその門下の哲学者たちの本を中心に出しており、アカデミズムに徹していた▼それが一変したのは、月刊誌「世界」で左翼の文化人が主導権を握ってからである。その立役者が初代編集長の吉野源三郎であった。吉野は『君たちはどう生きるか』の著者で知られているが、昭和26年の対日講和条約に関して、アメリカを含む52カ国とではなく、ソ連や中共も含めた全面講和を主張した。生粋の左翼活動家であり、共産圏が平和国家であるようなミスリードをした。ソ連や中共をこの世の楽園と絶賛したのである▼とくに月刊誌「世界」は、今と違って徹底的に韓国を糾弾し、北朝鮮を擁護した。文在寅のような大統領が誕生することを待望していたのが、誰あろう吉野なのである。そんな者たちが主導権を握っていたのが岩波書店であり、時代に取り残されたシーラカンスである。戦後の日本を駄目にしたくせに、岡本は責任などまったく感じていないのである。
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