何のために暇空茜氏が戦っているかというと、それはアニメやゲームを規制しようとする勢力があるからだろう。その勢力の急先鋒となっているCoLaboなども弱点を突いたのだろう。政治的な意図をもって始めたのではなく、それが結果的に、左翼スターリン主義者である共産、立憲、社民、れいわの対決することになったのだ。
小林秀雄が「自由」(『常識』収録)というエッセイで書かれていることを読めば、なおさら暇空氏のことを理解できるはずだ。ハーバード・リードから小林は、イギリスでは「自由」について、二つの意味があることを教えられた。リバティーは一般的な市民の権利だが、フリーダムというのは、あくまでも「個人的な態度」をさす。与えられたリバティーを、どのように生かすかというのは、フリーダムの問題なのである。
芸術家の創造する「自由」はフリーダムであって、小林の解釈によれば「リバティーとはフリーダムという価値の基盤にすぎない」のである。それだけに、「言論の自由を与えよ」というプラカードの下に、たくさんの人が行進しても、それは単なる「自由の死骸」でしかないのである。
暇空氏は傑出したクリエーターであったから、フリーダムが侵害されるのを放置できなかったのである。小林は「精神の自由は眼に見えない。黙々として個人のなかに働いているし、またそれは個人にしか働きかけない。精神の自由を集団的に理解することはできない。そういう事実が、実は、文化の塩となっている」とも書いている。
暇空氏の戦い方が少数精鋭にこだわるのは、それなりの理由があるのだ。勢いがよいとか、金儲けができるとかのレベルで応援されても、暇空氏にとってはありがた迷惑なのである。フリーダムで想像した価値を燃やす者たちへの怒りは、中途半端であってはならないからである。
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