次期大統領に就任するトランプと安倍首相が去る17日に会談したことに対して、民進党からは批判や揶揄する意見が相次いでいる。超大国アメリカの指導者に就任する人間と、個人的な関係を築いておくことは大切であるのに、それに難癖を付けるのだから、どうかしている。幹事長の野田佳彦は、在任中のオバマ大統領に失礼だとか、「一時間ちょっとでは信頼関係が築けない」とか言いたい放題である。代表代行の安住淳は「朝貢外交」とまで述べている▼トランプの登場は、アメリカの多くの国民の意思を代弁している。高坂正堯は『日本存亡のとき』のなかで、アメリカの民主主義の特徴として、トックビルが指摘した「隣国を持っていない」との言葉を引用しながら、アメリカ人のなかには孤立主義があることを指摘していた。だからこそ、アメリカが世界にかかわるにあたっては「民主主義にとって安全にするため」とか、それなりの大義名分を必要としたのだという▼第二次大戦後と第一次世界大戦の短期間は別にして、それ以外は孤立主義に徹してきたのがアメリカである。トランプが孤立主義に本当に復帰するのか、これまでのように世界にコミットするのか、同盟国として、日本は助言をする立場にある。外野席で騒ぐだけの民進党には、その辺のことがまったく理解できないのである。
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