今回のイギリスの総選挙で保守党が圧勝したように、世界的な傾向としてはグローバリズムに対抗する保守派が勢いを盛り返している。しかし、我が国にはその受け皿となる政党が存在しないのである▼安倍自民党は消費増税でアベノミクスを失速させ、安全保障に関しても危機意識が乏しい。桜を見る会騒動への対応も不甲斐なかった。特定野党の言い分を聞き過ぎる国対が譲歩を重ねたために、守りに徹したかのような印象を国民に与えた。来春には習近平を国賓として招くというのだから、保守層から反発されて当然である。安倍以後というよりも、私たちは自民党以後を見据えなければならない。平和な時代であれば、何でもありの調整型の自民党でもよかったが、乱世においては通用しないのである▼暴力の海で舵取りをする日本丸の船長は、マキアヴェッリの言葉を肝に銘じなければならない。「運命の風向きや事態の変化が命じるままに、おのれの行動様式を転換させる心構えをもち、先に私が言ったごとく、可能なかぎり、善から離れることなく、しかも必要とあれば、断固として悪のなかへも入っていく」(『君主論』河島英昭訳)ことのできる能力がなければならないのである。弱腰で中途半端な安倍自民党に期待しても無理なのであり、国益のためにリアリストに徹する真の保守政党が求められているのである。
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