草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

峯村健司氏が想定する台湾有事のシナリオ

2024年06月22日 | 台湾有事
 台湾有事はどのように想定されるのだろうか。峯村健司氏の『台湾有事と日本の危機』はその点に触れており、大いに参考になる。
 それによると、上陸作戦は10月とみている。その5カ月前の5月25日、習近平は「台湾独立分子に対し、断固とした軍事的措置をとる」と宣言する。その当日に中国軍は空母を主力とした艦隊を台湾東岸に展開し、実弾射撃訓練を実施する、その翌日にが爆撃機が台湾側空域に入る。
 中国軍の創立記念日の8月1日を目前にした7月30日、台湾海峡と東シナ海一帯で大演習。空母キラーの「東風21D」2発を台湾東岸に試射する。その矛先は日米両国にも向き、そのミサイルの何発かは、グアム沖ばかりではなく、房総半島沖の日本の接続海域にも着弾する。
 そのタイミングで中国軍は「台湾の独立を支援する勢力およびその同盟国には懲罰を加える」との声明を出す。さらに、日米を牽制するために「核兵器使用宣言」を発する。この段階で日本の世論が大騒ぎになるだろう。
 そして、米軍の空母がグアムやハワイに撤退する事態となり、中国軍の台湾侵攻が10月1日未明からか開始される。中国軍の優位を確保してからの侵攻作戦である。台湾本島への上陸は10月3日で、数十万の中国軍が参加する。これに対して台湾軍も165万人もの予備役を動員するが、中国軍の特殊部隊、中国軍に内通する台湾軍の一部が陸軍中将の指揮で反乱を起こし、台湾の主要閣僚を拘束する。この後、この陸軍中将をトップとする臨時政府が樹立するといったシナリオである。
 そうした事態になることを想定して日米は、様々な訓練を行ってはいるが、どこまで台湾を守り切れるかは心もとない。日米を動けないようにする軍事訓練は、現段階でも日常化しつつある。自衛隊へのトマホークや12式地対艦誘導弾の配備が完了する以前に、中国が手を出してくるような気がしてならない。峯村氏が書いているように、危機は刻々と迫っているのだ。

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