草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

性の領域に法が介入するのは慎重であるべきだ

2023年04月28日 | LGBT
 LGBT法を拙速に通そうとしている人たちは、人間を簡単に割り切ろうとしているのではないか。マイノリティーと評される人たちの結婚を認め、個々人の判断によって性を決定することは、かえって混乱を引き起こすのではないか。
 福田恆存は『芸術とは何か』において、愛することと、理解することを一致させようとする試みを批判している。
「相手のうちの理解し得ぬ部分に対する敬虔な感情を失ひ、相手をむりやりに自分の理解のなかに閉ぢこめてしまほうとする。かうすることが相手を愛することだとおもひこんでゐるのです。そしてさらに、相手が自分の理解のうちにはまらぬ部分をもつてゐるかぎり、相手は自分を愛してくれぬのだと考へます。かうして、人々は相手を愛し理解しようとして、その孤獨を、いひかえれば孤獨によつて保たれてゐる生の秘密を殺しあふのです」
 相手を理解しようとすればするほど、迷路にはまり込んでしまい、自然の営みとの一体感も失われてしまうというのだ。これは男女関係にとどまらず、LGBTの人たちとの関係にもあてはまるのではないか。異性愛か、それとも違った愛の形を取るかは、それこそ個々人の選択に任せられるべきだが、それすらも揺れ動くのが人間なのである。
 人間としての「孤獨の領域を残すといふことと孤立するといふこととはは別であります」とも福田は書いている。「自他の孤獨を理解の海のなかにたゝきこんでしまひ、そしておたがひに得たものは孤立感といふやつです」ということにならないためにも、彼らを理解したふりをして、法律という制度をつくることは、双方にとって本当に幸福なことなのかどうかを、今こそ立ち止まって考えるべきなのである。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« バイデンは日韓を守る気があ... | トップ | LGBT法をゴリ押しするような... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

LGBT」カテゴリの最新記事