創作日記&作品集

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世阿弥 私説3「諸人快楽(しょにんけらく)」

2013-08-18 08:55:48 | 創作日記

「諸人快楽(しょにんけらく)」は花伝書「風姿花伝」の序にある言葉です。聖徳太子が渡来人の秦河勝に命じて天下保全と諸人快楽のために66番の遊宴を行わせ、これを申樂(さるがく)と称したのが能のはじまりとしています。申樂(さるがく)を辞書で引くと、
(1)軽業(かるわざ)・奇術や滑稽な物まねなどの演芸。奈良時代に唐から伝来した散楽(さんがく)を母胎につくり出されたもの。鎌倉時代頃からこれを職業とする者が各地の神社に隷属して祭礼などに興行し、座を結んで一般庶民にも愛好された。室町時代になると、田楽や曲舞(くせまい)などの要素もとり入れ、観阿弥・世阿弥父子により能楽として大成される。さるごう。
(2)能楽の旧称。     ー三省堂「大辞林」ー
寄席みたいなものだったのでしょう。それらが神社なんかに所属していて、座を作り、巡業していた。世阿弥はそんな座の一つ結崎座(後の観世座)を率いる観阿弥の子として生まれます。結崎は面塚のある場所です。
「諸人快楽(しょにんけらく)」はみんなの「たのしみ」という意味でしょうか。信仰を含んだ娯楽です。それは、能にも引き継がれ、重要な要素になっています(いるようです)。でも、能って退屈だなあ。上演時間を調べてみると、狂言1舞台、能1舞台で、休憩時間を合わせて、2時間半くらいが目安とか。無理だなあ。とにかく、能は賎民の芸能。身分は下の下でした。それがどうして、貴と出会い、その庇護を受けたのでしょう。それは世阿弥が美しい稚児であったからです。「児姿幽風(こしゆうふう)」がキーワードです。次回は、この聞き慣れない言葉を考察します。