創作日記&作品集

作品集は左のブックマークから入って下さい。日記には小説、俳句、映画、舞台、読書、など…。そして、枕草子。

風流夢譚・深沢七郎著

2013-08-22 06:34:47 | 読書
朝日新聞に下のような記事が載った。
ー「風流夢譚」電子化で解禁 半世紀前、テロ誘発した作品ー
興味を持ったのは作品の内容と電子書籍という点。作品は深沢七郎(1914~87)の小説「風流夢譚(むたん)」です。作品がテロ(風流夢譚事件)を誘発、作者自らが封印したといういわくつきの作品です。私には、作者が主義主張を振りかざして書いた小説には思われないのですが。世の中が過敏に反応したと……。でも、事の是非は別として、彼の書いたことは今もタブーですね。
また、当時の編集者の一人が志木電子書籍の京谷六二(きょうやむに)代表(51)は当時の編集者の息子であるというのも、作品への思い入れを感じます。
すぐに志木電子書籍のホームページへ。ここから購入は出来ませんでした(立ち読みは出来ます)。思うに、電子書店リンクから書店を選び、購入するシステムらしいです。紀伊國屋BookWebでは該当する本がなく、BookLiveから購入しました。iPadで無料のアプリをインストール。アイコンが出来て読むことが出来ます。
作品の内容については、読者の思想、主義により受けとめ方も異なります。それはともかく、導入部分は見事です。
「私の腕時計は腕に巻いていると時刻は正確にうごくが、腕からはずすと止ってしまうのだ。私は毎晩寝る時は腕からはずして枕許に置くので、針は止って、朝起きて腕につけると針はうごきだすのだ。だから、「この腕時計は、俺が寝ると俺と一緒に寝てしまうよ」と私は言って、なんとなく愛着を感じていたのだった」。思わず引き込まれます。それと、志木電子書籍に注目しました。電子書籍の考え方が私と近いことです。電子本「枕草子」の出版を相談しようと思います。