映画「エディット・ピアフ 愛の賛歌」を観ました。
エディット・ピアフはフランスを代表するシャンソン歌手。
波乱万丈の人生を送った歌姫である。
生まれは貧しかった。幼少期には失明をするが奇跡的に回復する。
9歳の時に街頭で初めて人前で歌い、父について大道芸人として活躍。
ある時パリのストリートで歌っていたときに名門クラブのオーナーに見出された。
力強さも持ち合わせていて「宿無し雀(ピアフ)」と呼ばれた。
ジェルニーズでの舞台は毎晩満席となり大成功だった。
飛ぶ鳥を落す勢いでスターとなり、フランス以外でも人気を得るようになる。
ボクシングの世界チャンピオン、マルセルと最大の愛に出会う。
マルセルとの食事中に映画女優のマレーネ・デートリッヒに「あなたの歌は素晴らしい。パリの夜を思い出して泣いてしまった」と激励の声を掛けられる。
その後も生涯を通じてデートリッヒとは友情を育む。
マルセルとの恋も長くは続かなかった。マルセルの乗った飛行機が墜落した。それを聞いたピアフは半狂乱となり悲しむ。
マルセルに聞かせるためステージで新曲を発表することとなっていた。
その曲名は「愛の賛歌」・・・
そして「私は後悔をしない」を晩年に満員のオランピア劇場で熱唱するところで映画はエンディング。
1930年代から50年代にかけてスターの座に君臨してきたエディット・ピアフは63年逝去。葬儀にはパリ中から人が集まり、パリの交通が完全にストップした。
エディット・ピアフが残した名曲の数々・・・
「愛の賛歌」「バラ色の人生」「水に流して」「ミロール」等々
21世紀になっても、時代を超え、国境を越え、エディット・ピアフの歌は歌い継がれている。
映画を観ながら、越路吹雪の「愛の賛歌」、境遇が似ている美輪明宏や美空ひばりなど日本の歌手が重なって思い出してくる。
不世出の歌姫の47年間の人生は、21世紀になった今もなお心の中に存在している。
(10月8日記 池内和彦)