つれづれなるままに

日々の思いついたことやエッセイを綴る

機械遺産「筑後川昇開橋」

2024年06月09日 | 名所
 現在も定時に昇降する筑後川昇開橋

 TBSテレビの「ガッチリマンデー」という番組があります。「世界遺産」じゃなくて「機械遺産」のタイトルで放映されていました。

 機械遺産とは、日本機械学会が選んだ作品で現在25作品が登録されています。新幹線、YS11(国産航空機)、ロータリーエンジン等お馴染みのものも選ばれている。

 その中に、「筑後川の昇開橋」が入っております。筑後川の上流には若津港、諸富港があり、有明海からの汽船が往来する。佐賀と福岡を結ぶ佐賀線は、沿線住民や家具などの特産品を満載した列車がここを通っていきます。鉄道と汽船の通行を両方生かす方策として昇開橋を考案したのが、鉄道省の技師であった当時37歳の坂本種芳さんでした。

 通常はレールごと橋げたを持ち上げて船舶を往来させ、列車が来たらおろして通過させる。2本のタワーはワイヤーで結んで強度と精度を確保している。
人々を「あっ」と驚かす手品師の発想である。昇開橋の模型は日本の科学を代表させる作品として1937年のパリ万国博覧会にも出品された。

 現在JR佐賀線は廃線となっているが、いまでも毎日定時に昇降している昇開橋は、国の重要文化財として永久保存されている。

 坂本種芳さんは、趣味としてマジックを試みていました。昭和8年設立の歴史を誇るTAMC(東京アマチュア・マジシャンズ・クラブ)に所属して5代目会長の要職を担当していました。昇開橋を完成した3年後には「香炉と紐(ひも)」というマジックで世界的な賞である「スフィンクス賞」を受賞しました。


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