ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2012.7.17 ラストシーンににんまり―崖っぷちの男―

2012-07-17 19:50:45 | 映画
 夫のリクエストで標題の映画を観た。
 2時間弱だったが、シネマトグラファーの須賀隆さんがパンフレットに書いている通り、「予想を裏切りながら展開する、したたかに計算されたサスペンス」で、実に面白かった。
(以下、ストーリーに触れてしまう所があるので、これからご覧になる予定の方はお読みにならない方が良いかと思います。)

 原題は「Man on a Ledge」(“飛び降り自殺者”を指して使われる警察用語だそうだ。)。そして邦題が文字通り「崖っぷちの男」。これがもう一つの意味をも匂わせる巧いタイトルである。
 舞台はニューヨーク・マディソン街のルーズヴェルト・ホテル。見晴らしの良い21階の部屋の窓の外―壁面の縁―だ。主人公ニックは宝石警護のバイト中にダイヤを盗んだ罪で服役中の元警官。無実を晴らすために脱獄し、自殺騒ぎを巻き起こす。彼は、1か月前に任務に失敗して若い警官の飛び降り自殺を止められなかった女性刑事マーサーを交渉人に指名するが、その彼女との駆け引きが面白い。
 と同時に、その裏で別の計画が着々と進行している。ニックの弟のジョーイとその恋人アンジ―が侵入するビルこそ、強欲な不動産王で宝石商として財を成し、ダイヤ泥棒として主人公を告発したエド・ハリス演じるイングランダーのもの。
 先読みがなかなか出来ず、あれ、この人いい人、悪い人?というニックの相棒なるキャラクターもいて、そんなことを考えているうちにどんどん話が進行してしまう。単なるサスペンスだけでなくユーモアもたっぷりで痛快なラストに突進した。

 高所恐怖症の人はかなり気分が悪くなるのでは、と思うほど下を見下ろすカットが沢山出てきた。撮影場所の高さを検討するときに、「不安感をかき立てるには十分な高さだが、地上の人々や物が豆粒にしか見えないほどには高くない」ということから、21階(地上60m)が選ばれたという。屋外と屋内をシームレスに撮影するスカイボックスは、客室から窓の外まで一体化された箱状のセットで、地上70mのホテル屋上に置かれたそうだ。
 実際、高い所が苦手な夫は、隣でかなり固まっていた。私は“○○は高い所が好き”と言われるように全く問題ないのだが、最初に夫からこの映画が観たいと聞いたときに、本当に大丈夫?と思ったとおりだ。
 最初から最後まで、手に汗握り暑さも吹き飛ぶ感じ。期待を裏切らない“起死回生のショータイム”だった。

 何より印象的だったのは、ラストシーンで判るあるチャーミングな男性の正体。これには「やっぱり!」と思わず声を出してしまったが、にんまりする素敵なものだった。そうそう、ジョーイとアンジ―のハッピーな結末にも。

 今日も朝からじりじりと照りつける太陽と抜けるような青い空。四国から関東甲信まで梅雨明けとのこと。
 職場では昼休みに食事をしていると、「使用電力が上限値を超えましたので、節電のため空調を止めます。」との放送が入った途端、プツリと風が止まった。
 昨夜は寝苦しかった。ここのところずっと良く眠れていたのだが、寝付きも悪く、寝覚めも悪く、そのせいか耳鳴りが酷い。気圧のせいか、腰痛持ちである夫も私もどうも腰が怖い状況になっている。気をつけなくては・・・。

コメント (2)
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