ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2012.7.23 ひよこさん、さようなら

2012-07-23 21:11:23 | 日記
 昨夜、就寝前に何気なく開けたブログを見て、言葉を失った。
 ひよこさんのブログがご家族の手で更新されていたのだ。

“応援してくださっている皆様へ
「ひよこ」は永眠いたしました。今まで、「ひよこ」に温かいコメントを寄せて頂きありがとうございました。”というもの。

 ああ、いつかはそんな日が来るのだということは、頭のどこかでは分かっていた筈なのだけれど、やはり動揺が隠せなかった。

 お悔みのコメントが続いている。
 最後にご本人が更新されたのは、奇しくも先月の17日。私の誕生日のことだった。“肝機能障害が出ており、もう積極的治療は終わりにしたい。”とする「決断」という記事だった。

 私より2歳下で同じ6月生まれでいらしたから、40代最後のお誕生日を迎えられたばかりだ。

 思えば、ナベルビンの副作用が思いのほか酷く、その情報を探して辿り着いたのがひよこさんのブログだった。素敵な写真と繊細な文章に癒されるファンは数多かったと思う。コメントを差し上げるようになったところ、お返事もとても丁寧な方だった。
 昨年の6月末、患者会のゲストとして上京されたことがあった。その時は折り悪く合唱練習と重なっていた。迷った挙句練習に参加し、お目にかかれなかったのが、今も悔やまれる。
 改めて、“会える時に会う、出向ける時に出向く”ということの大切さを痛感する。

 その後、何度かメールのやりとりをさせて頂いていた。そして、秋になったら一度お目にかかりましょうという計画もあった。けれど、夏に脳転移された後は、開頭手術で長期入院され、10月以降、5カ月間ブログの更新がなかった。5カ月ぶりの3月半ば「残された時間」という記事の後、5月半ばにアブラキサン治療をされており、金環日食を見ることが目下の楽しみ、という記事を書かれており、少し落ち着いているのでは、と思っていた。

 更新がないまま、最近では、心ないコメントが寄せられることもしばしば。ご本人がどのくらいまで読んでいらしたかは知る由もないが、最近、ランキングへの参加を止められたのは、そんなことがあってのことか、と思ったりしていた。
 ブログを書いている立場からすると、ランキングに参加することでより多くの読者が訪れてくれることは、間違いなく励みになる。けれど、これも哀しいかな、両刃の剣で、同じ病を持つ患者やその関係者だけではなく、全く病とは関係なく、がん患者がどのように弱っていくのか、どう亡くなっていくかということについてあたかも興味本位のようなコメントを入れる読者たちも、いなくはない。

 今、彼女が天国に旅立たれたことについて、コメント欄に寄せる言葉が見つからず、立ちすくんでいる。
 昨春、彼女がこのブログに寄せてくださったコメントを下記に転載し、ご冥福を心からお祈りしたい。
 ひよこさん、ありがとうございました。さようなら。貴女のこと、忘れません。
 合掌。

※  ※  ※(転載開始)

「どうぞの椅子」に揺られて思うこと (ひよこ) 2011-04-05 08:58:21

いつもコメントを寄せて頂きありがとうございます。過去の記事にも登場させていただきましたひよこと申します。
ほぼ毎日のように更新されているこちらのブログは、「ブログ」というジャンルを超え「コラム」を読む感覚で毎日読ませていただいております。
素人離れしたタッチはとても素晴らしく、故に敷居が高くなかなかコメントも付けられずにいました。

>つまらないブログ・・私を含めてきっと誰もがそんな風には思っていませんよ。なんでもない日常、平凡に暮らすこと、そんな当たり前のことこそが病と共存する私たちの生きる喜びなのですから。
読み手の評価など気になさらず、これからもどうぞロッキングチェアさんらしい日常を綴って下さればと願っています。

治療の副作用、花粉症の症状など重なるとお辛いですね。上手く気分転換しながら乗り越えられますよう応援しています。
御子息の進学おめでとうございます。晴れの日が文字通り桜満開の青天の門出でありますように・・

(転載終了)※  ※  ※
コメント (5)
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