朝起きたらどんよりした曇り空だったが、6時半にS建さんから、今日、建前やりますと連絡が来た。7時45分に現場に行くと、すでに全員そろっていて、工事の準備が始まっていた。お日柄のいい昨日のうちに、塩や米を撒いて柱を1本立てる作業は終わっていて、今日はわたしから施主のあいさつをしたあと、日本酒で乾杯しただけで工事が始まった。うまく話せるか心配だったが、意外に落ち着いて話ができた。
10人がかりなので、土台しかなかったところに、見る見るうちに柱が立てられていく。それを見ながら、社長さんとあれこれ話をしているうちに、薄日がさしてきた。
いったん辞して歯医者へ行く。その後、名古屋から来る母を駅まで迎えに行き、昼前に現場に戻った。晴れて、すごく暑くなってきた。柱は立て終わり、早くもFPパネルが取り付けられ始めていた。できあがったら見えなくなってしまうが、このFPパネルこそこの家で一番お金をかけたところだし、どんな住宅設備より大事な部分だ。F&Pの文字と水色の水玉模様に胸がおどる。
窓のはいる場所を除いた壁にFPパネルを取り付け終わったところでお昼休み。大工さん、S建の社員さんたちと一緒に食事をする。社長さんを母に紹介したかったのだが、用があって社長さんはお昼に来られなくなったのが残念だった。午後の作業が始まったので、母と喫茶店へ場所を移してしばらくおしゃべりしたあと、駅まで送っていき、わたしはいったん家へ戻った。
5時ころにまた現場へ行く。作業は屋根を張るほうに移っていた。社長さんは、朝の話では、5時に人に会う約束があるので夕方は現場に来られないとのことだったが、なぜか5時に再登場。聞けば、予定より早めに会う算段をして、大急ぎで切り上げて駆けつけていらしたのだそう。その心遣いがかなりうれしかった。
形になってきた家は、模型や図面から思いえがいていたよりも、ずっと大きい。しかも「この辺ではちょっと見かけないような家になりますよ」と社長さん。細かく希望を出すお施主さんの場合は希望に沿った外観にするけれども、わたしの場合、おおざっばなイメージしか提示しなかったので、「デザインでちょっと遊んでみました」ですって。じつはそれこそわたしの望んだところ。しろうとが貧困な指示でできあがりを限定してしまうより、プロにまかせたほうがきっといいものができると思うから。とはいっても、好みのあわない人ではだめだが。
明日雨が降ってもいいように屋根にシートをかけて、本日の作業が終了したのが6時。みなさんに、ご祝儀とお酒を1本ずつ手渡して労をねぎらう。大工さんたちもお疲れだと思うが、わたしも疲れたー。