次の日は近鉄で明日香村へ。阿部野橋駅から乗り換えなしで45分で行ける。
駅前のMICHIMOステーション飛鳥で、予約してあったレンタカーを借りる。
そのレンタカーがこれ。MICHIMO。
前後に2人が乗れるかわいい電気自動車だ。
ルノーが作っているそうで、この場合、右ハンドルも左ハンドルもないが、
左ハンドル車メーカーゆえ、ウインカーは左側にある。
そして、ドアはこんなふうに開く。
わぁ~、ランボルギーニ・カウンタックと同じシザーズドアだ!
ただし手動。手でよいしょと持ち上げる。
窓はビニール製の覆いがあるだけなので、雨の日は雨が吹き込む。
注意書きに、レインコートは各自持参のこととあった。
この日は晴れでほんとによかった。
電気自動車だから、エンジン音はせず、とても静か。
でも、30キロから40キロくらいのスピードを出すと、かなりガタガタして、
乗り心地はあまりいいとは言えない。
南から北に向かって回ろうと、最初に向かったのは、キトラ古墳だった。
iPhone のグーグルナビに従って走ったのだが、これが大きな間違い。
明日香村はメインの広めの道から一歩脇道に入ると、狭くて曲がりくねっている。
ひどく狭い道に案内されたうえ、最後は車両通行止めの道を行くよう指示されたのだ!
ちょうどそこでは何かの催しをしていて、道ばたにテーブルを置いて、
あたかもマラソンのエイドステーションのようになっていた。
地元の人が2、3人いたので、車を降りて道を尋ねたら、
一人の女性が正しい道へ出られるところまで親切に先導してくれた。
このときはほんとうにありがたかった。
このあと、グーグルナビはやめて、ヤフーナビに切り替えた。
四神の館で、キトラ古墳内部のようすは復元で見られるのだが、
じっさいの古墳は土の山だ。
けっこう小さい。うちの近くの名もない前方後円墳のほうがずっと大きいかも。
(いや、名前はちゃんとあるけど、市内の人しか知らない)
それにしても、いい天気だ。ジャケットも必要なかった。
その次に高松塚へも行ったが、やはり壁画館で復元図が見られるだけ。
今年、世界遺産になった百舌鳥・古市古墳群にしても、同じかもしれない。
前方後円墳の形は上空から見ればわかるだろうけど、地上から眺めたら
木の茂った小高い丘という感じにちがいない。
その点、石舞台古墳は壁画などはないものの、近くで形がよくわかり、
内部へも足を踏み入れることができる。
裏側
このときは人もそれほどおらず、ゆっくりと写真が撮れたのだが、
帰ろうと戻りかけたそのとき、とつぜん修学旅行生の大群がやってきて、
石舞台の前に並んでクラス写真まで撮り始めたのだった。
タッチの差で助かった。
でも、この高校生集団、このあと全員がレンタサイクルで散っていくことになる。
行った先々で自転車の車列に出会って、危なくてしようがなかった。
たとえば、左へのウインカーを出しているのに、車の右側からも左側からも
どんどんすり抜けて行くのだから。全部いなくなるまで待つしかなかった。
明日香村にはいろいろな石造物があるが、近くまで行ったものの
駐車する場所がなくて、けっきょくあきらめたものもあった。
この二面石は橘寺の中にあるので見ることができた。
橘寺は聖徳太子誕生所だ。
5時間ほどあれば、かなり回れるだろうと思っていたのに、
狭い道をぐるぐる走ったりして、けっこう時間を無駄にしてしまった。
最後に甘樫丘へ行くつもりだったが、戻り時間を考えたら無理だった。
でもまあ、MICHIMOで明日香村を走ったのは、ゴーカートで公道を走っているような
爽快感があって楽しかった。なかなかできない体験だ。
ひとつショックだったのは、MICHIMOのキーを見せたら、わたしが入った
多くの施設で入場料が無料になるはずだったこと。
ステーションで、石舞台の有料駐車場は無料になると教えてもらっていたが、
それなら、入場料も無料になると教えてほしかった!
そういう案内が書かれた印刷物は、いっしょに渡されたカラーのパンフに比べて
とても地味だったし、活字も小さくて、出発する前によく目を通さなかったのだ。
千円以上も、払わなくていい入場料を払ってしまった。ガ~ン!