今日も駅前(AKIBAオジン)

ツクバEX開業日から始めた親父居酒屋の放浪記。下町の居酒屋、旅先の地酒・酒蔵・秘湯、森と水の話や、たまには政治談義など。

「神のご意志」は環境破壊か?

2006年02月22日 | アキバ

 痛い唇を我慢して、昨日、虎ノ門でブッシュ政権の環境施策について、元厚生・環境関係省の幹部で現東大教授の講演を拝聴してきた。京都議定書を批准しないアメリカに赴任し、事後調整に携わってきた経験を元にした講演だ。

 どうしてアメリカは温暖化対策に非協力なのか、私の悪い頭でも理解できた。豊富で良質な石炭をバックに電気の50%近くを石炭火力に依存し、電気料金は日本の半値以下であること。また、ブッシュ大統領の宗教的信条から「資源は神から人間に与えられたもの」であり、規制によって資源を最大限に利用しないのは「神のご意志に反する」との考えが根底にあること。仲間への信義に大変厚いと言われている大統領が、再選の強力なスポンサーであるエネルギー企業などの利益を代弁していることもある。大統領周辺はチェイニー副大統領ノートン内務長官などに見られるように、環境施策を敵視する企業側の代表やスポークスマンで固めている。提出する環境法案は民主党時代の規制を緩和する法律ばかりのようで、あまりの企業よりに呆れて辞任した開発派の長官もいたそうである。いざとなればCO2に限らず総量規制には、企業利益を前提に排出権取引で買えばよいとの考えだそうだ。水銀なども取引対象であることには恐れ入った。環境を守るというインセンティブがまったく働かないアメリカの企業活動が、国民すべてを支えているとの考え方にはそら恐ろしさをも感じた。今のブッシュ政権では環境の改善は望めないことがはっきりした。

 いずれにしてもブッシュの頭にはアメリカが世界で常にNO1であらなければ、地球温暖化防止など何の意味も持たない。アフガン、イラク戦争などその延長線であることが、いまさらながら理解できる。

 講演終了後、講演者や主催者、都の幹部連中などと虎ノ門のセンター御用達の飲み屋「ダルニイ」。ブッシュ流「神のご意志」を肴に「一の蔵無鑑査」や久しぶりの「清酒剣菱」でワイワイとやってしまった。

 欠けた歯の固定ワイヤーを見せないように喋るのは辛いものがあるが、飲んでしまえば、すっかりいつもの調子。2時間ばかり飲んで一人2千5百円通し。いつもながら、酒の持ち込みも可、食べ物も結構手間かけてあり豊富で旨くて安い。

 みんなと別れた後、囲碁のライバルでOBのTさんと2人、新橋駅前第二ビルのつまみ全品200円の立ち飲み「こひなた」へ。目の前のお皿に2千円を入れ、ホッピーとご主人が南氷洋で取ってきたという「鯨の刺身」を注文。これまたサシが入って美味である。カウンターの隣に年が近いリーマンのおじさん。オリンピックの不甲斐なさと荒川に期待して意気投合。そうこうするうちに、Tさんの帰りの時間なので早々と切り上げることにする。

 新橋駅でさようならしても、まだ10時前である。昨週の顔面着地の報告を口実に秋葉原の「しずか」へ。ぐらつく前歯を庇いながら「ほたるイカの沖漬け」を肴に燗酒2本飲んで帰宅。

 懲りちゃいないねと、かあちゃんから痛い一言!!