(あるがまま/こぶかかえおり/ふゆのみき)
瘤と言えば「こぶとりじいさん」という昔話がある。木の瘤なら問題はないが、人間の瘤となると、大問題である。
こぶとりじいさんの良性の粉瘤腫は良いとして、脳動脈瘤は(この場合は「りゅう」と読む)、脳動脈の壁にできた瘤で、ほとんどがクモ膜下腔にできるので、クモ膜下出血というこわーい病気になる。実は、私の母はこの病気で死んでしまった。
さて、何故ここで「在るがまま」という言葉をもってきたのだろうか。こんな言葉は、俳句には本来必要ないのである。何故なら、この世に存在する全ては、神の御心により「あるがまま」に存在しているのだから。
「在るがまま」をあえて言わねばならなかった、作者のこころは何か、が問題なのである。明確ではないが、作者は心か体に何らかの瘤を持っているのではないか、と想像してしまうのだ。そして、それをあるがままに、ゆるやかに受容しているのではないのか。
旬菜料理・壷中庵