一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

456  非常ベルのボタンが誘うのよ聖夜   澄子

2011年12月27日 | 

  大きな建築物のエレベーターや廊下などには、非常ベルのボタンがある。ガラスなどに覆われていて、簡単には押せないようにはなっている。

  

 当たり前のことではあるが、あのスイッチは、押す為に作られているのにもかかわらず、非常時以外は使ってはいけないのである。公共施設などでこのボタンを押したりすると、犯罪になる可能性だってある。

 

 そのボタンが、「押せよ、押してよ、押してくれよ、ねえ、押してくれない・・・」と作者を誘うのである。今まさに、その誘惑に負けそうな事態なのかもしれない。作者の眼は、非常ボタンに釘付けとなっている。こういう心理を、アフォーダンス理論という。

 

聖夜は単なる付け足しに過ぎない、と私は思う。しかし何故か「聖夜」という男性に呼びかけているようにも聞こえる。

 

すっかり葉を落として、夜景が見えるようになった

眼下は湯河原、遠くは横浜

 

コメント (2)
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