初心者に陶芸を指導する時、「指先で考えよう」と、私はよく言う。指先に神経を集中せよ、という意味だが、物作りにたずさわる人なら、すぐ分かるはず。
最近の都市化した消費生活からは、物を作ることが極端に減ってしまった。例えば、味噌や漬物は作らないし、魚も切り身を買えば済む。裁縫はせず、衣類は買って使い捨てと、まあ全て人任せで金を出す方が便利な世の中になってしまった。
作る怪しげな専門家と、無知な消費者に二分化したと言った方が良いだろうか。従って世の中、単に作る経験がないからだが、不器用な人が多い。
さて、この句の「林檎を剥きながら、指先でもの思う」とは、実際解釈がなかなか難しい。作者にその意味を聞かねばならない.
ダイモンジソウ(大文字草)