雨降り止まずみんみん鳴き止まず 海人
滅びゆく青き地球や鳳仙花
人気無き路地に気ままの秋茜 豊春
仰向けの蝉の転がる石畳
金賞のシールの付いた西瓜切る 炎火
平成の最後の晩夏終活す
遠花火二人を結ぶ闇の距離 洋子
バジル摘む男もすなるイタリアン
夏の夜や子供囃子の稽古かな 薪
紙魚走るアンネの日記捨てにけり
みんみんの終りがみえし揺るる夏 歩智
終戦日十五の空も遠くなり
残酷暑家に止められ句を作る 余白
都会人セミの声など耳通過
果てしなく雲ひとつ無き大暑かな 稱子
長生きを嘆く人あり遠花火
みんみんや冷やしパスタの出来上がる 雲水
みんみんのふと鳴き止みし日暮かな
クサギ(臭木)