竹川美子さんが「江釣子のおんな」でデビューしてから早くも6年半が過ぎました。今度の新曲「雪の十日町」はシングルとしては8曲目になります。彼女は広島県出身なのですが、北国とか雪といったイメージの曲が本当によく似合いますね。デビュー曲「江釣子のおんな」がまさにそうでしたし、「雪の海峡 津軽」そしてこの「雪の十日町」と、私はこれら3曲を「美子の雪の三部作」と名付けたいです。
十日町といえば着物の町という印象があります。この曲の歌詞にも「越後ちぢみを織る手に涙」とあり、主人公の女性は機織りを仕事にしているようです。そして十日町のもう一つの顔は日本有数の豪雪地帯ということです。もうこれで演歌の舞台としてのお膳立ては十分ですね。
竹川美子さんの最大の魅力は、哀愁味を帯びた可憐な歌声でしょう。こういう切ない想いを歌い上げるのに彼女ほどふさわしい歌手はざらにはいないと思います。曲の内容は「江釣子のおんな」とよく似ていて、お祭りで愛を誓った相手を、悲しみに耐えながら待ち続けるといったパターンです。彼女の持ち味を最大限に生かしたこの「雪の十日町」が、彼女の代表曲に、そして平成演歌の名曲になることを願っています。