山本あきさんは昨年7月の前作『春ふたつ』では幸せ演歌で新境地を開いたところですが、今回は切な系の本格演歌です。ジャケ写も初めての和服姿でこれまでとイメージががらりと変わりました。
彼女はもともと歌謡曲系の歌手ということもあり、この曲での歌唱は、こぶしを抑えて素直に歌っている感じです。コアな演歌ファンには物足らないかもしれませんが、くせのない親しみやすい歌唱だと言えます。
曲の内容は、はかない女心をもろく崩れる砂の橋になぞらえてしっとりと歌い上げています。特に目新しいフレーズやアレンジはなく、それだけにカラオケでも歌いやすい反面、平板にならないよう工夫が必要でしょう。
彼女にはこの曲でさらにステップアップし、本格演歌も歌謡曲もこなせるスケール感のある歌手として活躍してもらいたいものです。