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7月30日(金) ワーケーション。

2021年08月01日 08時12分51秒 | 2021年

 6時45分起床。

 妻と娘を見送ってから身支度を整え、8時半前に家を出る。今日は、試しにワーケーションをやってみる。実際には電車移動の時間が大半なので、一般的に言われるワーケーションとは違うのかもしれないが。

 仕事関係の持ち物はiPadのみ。今日予定している作業は主に書類のチェックと修正点のまとめなので、データ一式をiPadにまとめておいた。

 新横浜から横浜線に乗る。今日の行程は、八王子から中央線で甲府へ出て、身延線を下部温泉での途中下車を挟んで富士まで乗り通し、東海道線で帰ってくるというものである。

 八王子09時39分発の特急あずさ9号に乗る。E353系への初乗車にワクワクする。

 さっそく勤務を開始する。思っていたよりも違和感がなく、集中できる。電車で本を読む感覚と変わらない。鉄道オタクだからかもしれないが、揺れや音も心地よい。

 仕事の書類を読みながら、ふと窓の外に目を向ければ非日常的な景色が広がっているという新鮮な感覚。

 葡萄畑が見えてくると、もうすぐ甲府である。

 甲府に到着し、身延線に乗り換える。今日のメインディッシュである。

 10時44分発の特急ふじかわ6号に乗る。懐かしの373系車両である。以前は特急東海や東海道線の始発、ムーンライトながら(夜行快速)などで東京駅にも乗り入れていた。

 ふかふかのシートが嬉しい。

 序盤は甲府盆地を眺めながら仕事をする。

 甲府を出てから30分ほどで、鰍沢口に到着。駅名が印象的で、ずっと前から一度来てみたかった駅である。ただ、駅周辺にはびっくりするくらい何もない。

 鰍沢口を境にして、本格的に山あいに入っていく。田舎にやってきた感が一気に増す。

 11時27分、下部温泉に到着。乗ってきた列車を見送る。

 この駅で降りたのは私だけだった。

 周囲を山に囲まれた、なかなか味のある駅である。

 駅前にある「丸一食堂」で昼食をとることにする。

 これが噂の「やまなしグリーン・ゾーン認証」というやつか。地域行政が優秀なのは羨ましい。

 確かに、感染症対策は万全である。

 注文は、名物だという「馬鹿丼」(うまかどん)と馬刺し。先に馬刺しがやってくる。(失礼ながら)それほど期待していなかったのだが、しっとりした食感でとても美味しい馬刺しだった。そもそもの肉質が良いのか、処理が上手なのか、それとも他に何か工夫があるのだろうか。

 馬鹿丼は味付けは美味しいが、やはり馬や鹿の肉は火を入れすぎるとどうしても硬くなってしまう。

 事前に調べて一番良さそうだった「下部ホテル」で日帰り入浴。とても大きなホテルである。

 結論からいうと、ここの温泉は素晴らしく、特に夏場に来るには最高だった。温泉組合の共同源泉から引いているアルカリ性単純泉と、ホテルの自家源泉による単純硫黄泉の2種類があり、どちらもしっかり特徴が出ている。また、下部温泉は(旧)源泉の温度が30度前後なのだが、源泉そのままの温度で入れる露天の岩風呂があり、そこに入って風を感じるのが最高に心地よかった。その他のお湯も比較的ぬるめなので、夏場でもゆっくり浸かっていることができる。泉質や温度の違いを楽しみながら、結局1時間近く湯浴みを満喫した。

 次の電車までまだ少し余裕があったので、足湯にも浸かる。ここもとても居心地が良い。このホテルは従業員の皆さんの接客も心温まるものだったし、今度は是非泊まりでゆっくり来たいと思う。

 駅へ戻り、列車を待つ。やはり、私しかいない。食堂や温泉には他の観光客もいらっしゃったが、皆さんどうやら車で来ているようだ。

 先に下り(甲府行き)の特急ふじかわ号が到着。この駅で上下線の特急が交換する。

 ほどなくして私の乗る上り(静岡行き)、13時21分発のふじかわ8号もやってきた。

 案の定、車内はガラガラである。私が乗った3号車は私を含め2人しか乗っておらず、結局その後も私が下りるまでそのままだった。

 再び仕事を開始する。先頭車両の前方に座っているので、時折運転席からの車窓を眺めに行ってみたりする。

 この特急ふじかわ号は、昨年でデビュー25周年を迎えたそうだ。これからも、出来るだけ長くこの373系車両で走り続けて欲しい。

 列車名にもなっているように、身延線は大半の区間が富士川に沿って走っている。

 次の停車駅の案内を見て、途中下車しようか迷った。現地で本場の焼きそばを食べてみたい欲求が湧いてきたのだ。

 しかし、結局そのまま乗車を続ける。この辺りからは街中を走る。もうすぐ身延線の終点・富士である。

 身延線は思っていた通り魅力的な路線だった。唯一残念だったのは、間近に見られるはずの富士山が雲で隠れてしまっていたことである。これはもう一度乗りに来ないと。

 定刻通り、14時25分に富士に到着。ふじかわ号はここから東海道線に入って静岡へ向かうが、私はここで反対方面の東海道線に乗り換える。

 途中、沼津でしばらく停車時間があったので、一旦ホームへ下りる。今や首都圏では見られなくなった211系車両が見られて気分が上がる。

 私が乗ってきたのは東海地区の東海道線で最も一般的な313系。ここでその後方に211系を増結するようである。3両+2両の5両編成にパワーアップ。

 せっかくなので、増結された211系に乗り換える。

 車両を乗り換えたものの、すぐに次の三島で電車を降りる。

 次に乗車する予定の特急まで1時間以上あるので、一旦途中下車してお寿司を食べることにする。ただ、15時という中途半端な時間なので、地場のお寿司屋さんは中休みの時間である。

 チェーン店の「沼津魚がし鮨」に入る。

 沼津港から直送しているという地魚の握りと、本日のおすすめの中からたいら貝を注文。自分で選んでおいてこんなことを言うのは何なのだが、夏場のお寿司にはあまり期待してはいけない。

 デザートに食べた塩ミルクアイスは美味しかった。地元・沼津の塩を使っているらしい。

 駅へ戻り、16時06分発の特急踊り子16号の入線を待つ。この特急は修善寺から伊豆箱根鉄道を通ってやってくるので、三島駅では1番線ホームの途中部分で転線してくる。これが結構な迫力である。ホームもそれに合わせて少しだけ丸く切り取られている。

 三島駅を出てすぐに雨が降り出した。

 踊り子号がE257系で運転されるようになってから初めての乗車である。このE257系は元々中央線特急に使用されていた車両だが、車内はきちんとリニューアルされ、伊豆の海をイメージした青色に塗り替えられている。

 熱海駅で、伊東線(伊豆急下田)からやってきた踊り子号を後ろに接続する。さっきまでは5両だった特急がいきなり14両という大所帯になった。

 どうやら終わりそうにない仕事から目をそらし、海を眺めながら残り少ない乗車時間を楽しむ。

 小田原で下車。もう少し長く乗っていたかった。このまま横浜まで乗るプランにしておいたほうが良かったかもしれない。

 朝からお世話になってきた一筆書き乗車券ともここでお別れである。ありがとうございました。

 駅地下街でお土産を買ってから、新幹線で新横浜へ戻る。

 スーパーで買い物をしてから、18時前に帰宅。

 やり残してしまった仕事をキリのいいところまで進める。結果的にワーケーション中には予定していたところまで終えることは出来なかったが、思っていたよりは問題なく仕事が出来たなという印象である。ただ、通信環境が不安定な場所だと出来ることが大きく制限されるという課題は感じた。まあ、そんな山の中に行かなければいいだけの話なのだが、やっぱりどうせなら空気の綺麗なところに行きたいし。

 保育園へ娘をお迎えに行く。今日で退職される先生がいらっしゃり、最後に挨拶することができた。娘が入園した年に担任をしてくださっていた先生で、弾ける笑顔がとても魅力的な方である。娘はもちろん私も彼女の大ファンで、学年が変わって担任から離れてしまうと知った時はショックだったが、まさか園からもいなくなってしまうとは…。ただ、娘も私も、最後にきちんと感謝の気持ちを伝えることができて良かった。娘を大切に育ててくださって、本当にありがとうございました。どうか、この先もずっとお元気で。

 妻も帰宅後、お土産に買ってきた小田原の和菓子屋「菜の花」の焼きモンブランを食べる。娘はそれほどでもというリアクションだったが、妻が「これは美味しい」と喜んでいた。こういうのが好きなのか。まだまだ知らないことがあるな。

 入浴と洗濯を済ませ、娘を寝かしつける。

 そのまま寝落ちしてしまい、目が覚めたら日付が変わった頃だった。

 パソコンで今日撮った写真の整理をしてから、1時前に就寝。