社会を見て、聞いて、感じる。

人生そのものがフィールドワーク。

7月15日(金) 大雄山。

2022年07月17日 08時02分07秒 | 2022年

 6時45分起床。目を覚ますと、娘が横に座っていた。トイレに行きたいとのことで、急いで連れて行く。いつからそうしていたのだろう。起こすのは忍びないと思っていたのだろうか。気づかなくてごめんね。

 娘に朝食を食べさせてから、保育園へ送っていく。朝から雨が降っているので、2人で傘をさしながらゆっくり歩く。

 バイバイのタイミングで、娘から「きょうのおむかえはおかあさんにおねがいしたから、おとうさんはブブーだよ」と言われる。「お父さんは私をお迎えに来たいだろうけど」という強気なスタンスが垣間見えて素晴らしい。

 保育園を出て、そのまま駅へ向かう。今日は夕方にweb会議が入っているが、それまでは延々と分厚い書類の校正をする仕事なので、プチワーケーションにする。

 横浜線で横浜へ出て、東海道線に乗る。座席に座ってiPadを開き、移動しながら仕事をする。行き先は決まっていない。

 乗った電車が平塚止まりだったので、とりあえず平塚まで行く。

 雨は強くなってきている。明らかにお出かけ日和ではない。

 後続の小田原行きに乗り換える。

 まだ行き先は決まっていない。

 小田原から後続の熱海行きに乗り換えて更に西を目指そうかと思ったのだが、到着直前に窓から大雄山線のホームと車両が見え、「そういえば、大雄山線って乗ったことないな」と思い直す。

 初めての大雄山線(伊豆箱根鉄道)である。ワクワク。

 前職時代に出張で乗っていそうなものだが、たまたまこの沿線の企業や組合を担当する機会はなかった。

 とりあえず終点の大雄山駅まで行って、その先にある大雄山最乗寺(道了尊)へ行ってみよう。

 運転席のすぐ後ろに座り、沿線の景色を眺める。もっと自然いっぱいの田舎路線なのかと思っていたが、ほぼずっと街中を走っており、駅間もかなり短い。見た目は全く異なるが、都電荒川線に乗っている感覚に通ずるものがある。

 終点の大雄山駅までは11駅、所要時間は約20分。あっという間である。

 終着駅らしい風情のある駅舎だ。屋根の形は大雄山をイメージしているのだろうか。

 駅前からバスに乗り、大雄山最乗寺(道了尊)へ。

 所要時間は10分にも満たないが、どんどん山道を上っていく。

 ここからは徒歩で山を登る。

 うまく表現できないのだが、歩き始めてすぐに「あ、ここは本物だ」と感じる。百観音巡礼をしていた時にも経験したのだが、後々まで印象に残るようなお寺は最初から雰囲気が違う。

 雨が降っているので、滑らないようゆっくりと参道を歩く。他に誰もいないので、マスクを外して深呼吸する。山の香りが全身に染みわたる。

 山門をくぐる。バス停のずっと(1キロ近く)手前に仁王門もあったが、さすがに真夏にそこから歩く根性はなかった。

 想像よりはるかに規模の大きなお寺である。本来は、「大雄山線って乗ったことないから乗ってみよう。ついでに終点にあるお寺に行ってみよう」という軽いノリで訪れるようなところではない。

 まずは本堂を参拝。堂内に上がり、ご本尊を近くで拝むことが出来る。仏様の前に座って心穏やかになるこの感じ、かなり久しぶりだ。

 せっかくなので、更に奥へも行ってみよう。

 ここは紅葉が有名で、秋には大勢の参拝者が訪れるらしい。

 結界門をくぐる。

 最乗寺には天狗伝説があり、所々に天狗さんがいらっしゃる。先ほどから何度か出てきている「道了尊」というのは人の名前で、師匠である了庵慧明禅師がこのお寺を建立する際に天狗の姿になって飛んできて手伝い、師匠が亡くなったあとは寺を永久に護るために天狗に化身して山中深くに飛び去った。それ以来、寺の守護神として祀られている。

 この奥に三面殿があったようなのだが、私は右手の階段の方向ばかりが気になってしまい、気付かなかった。

 その77段の階段を上り、御真殿(妙覚宝殿)を参拝する。こちらも中まで入り、ご本尊の近くでお参りすることが出来る。ご本尊の手前には大天狗、小天狗が両脇侍として祀られており、その迫力がすごい。

 御真殿のすぐ隣に、天狗の団扇や下駄がたくさん並んでいる。

 大雄山の最も高い位置にあるという奥の院へ向かう。ここからまた空気が変わる。今の言葉でいえば、パワースポット的な目に見えない何かを感じる。

 奥の院へ辿り着くには、354段の階段を上らなければならない。

 途中で大天狗、小天狗が待ち構えている。体力的にかなりきついが、途中で諦めることは許されない雰囲気がある。

 一度立ち止まったら再度踏み出せる自信がないので、淡々と上り続ける。

 上りきる頃には完全に足が笑っていた。Tシャツも汗だくである。我ながらよく頑張った。

 これまで参拝した場所も荘厳だったが、この奥の院は特に素晴らしかった。別の世界に来たかのようである。この場所に来られて良かった。

 帰りは別の道を通る。ここの雰囲気もすごい。

 いつ天狗が出て来ても不思議ではない。

 最後に、慧春尼堂をお参りする。慧春尼様もすごい方で、数々の修行を重ね、最後は人々の幸せを願って火定されている。

 バスに乗り、大雄山駅まで戻る。何となくの思いつきでここまで来たが、大正解だった。これもお導きか。

 大雄山駅から歩いて10分ほどの所にある「農家cafe Raku」で昼食。とても雰囲気の良いお店で、かなり人気があるようだ。たまたま入れたから良かったが、大半の座席は予約客で埋まっていた。

 1階席は全て予約で埋まっており、2階席へ案内される。隠れ家感があって落ち着く。

 1階は開放的な雰囲気。

 季節の野菜を中心に、肉料理と魚料理を両方食べられる「全部のせ定食」を注文。

 お肉料理にコロッケが入っており、「コロッケはお肉料理か?」と思ったが、具沢山で美味しいコロッケだった。ワカシのフライも、紫蘇のソースとよく合う。

 野菜やキノコもそれぞれ素材を活かした調理、味付けをされている。

 セットのドリンクとデザートには、アイスティーとりんごパイを選んだ。

 優しい味のりんごパイである。どの料理も、一貫して素材の個性を大切にする思想が感じられる。

 大雄山駅へ戻る。

 雨は止んだ。

 出来ればこの黄色い車両にも乗りたかったな。

 帰りの小田原行きは青い車両だ。

 ふわふわタイプの転換クロスシートなので、乗り心地はとてもいい。

 小田原へ戻ってきた。また少し雨が降り出している。今日はずっとこんな天気だろうか。

 地下街にあるJA直営の農産物直売所「朝ドレファ~ミ♪」でお土産を購入。小田原産の柑橘類や梅の加工品、三浦産のスイカなどを選んだ。

 小田原13:44発のこだま718号に乗り、新横浜へ戻る。

 外はすごい雨だ。

 14時過ぎに帰宅。机に戦利品を並べてみる。ちょっと買い過ぎたか。

 とりあえず、なかよしハネーサイダーを飲む。薄い蜂蜜ジュースである。

 15時からWeb会議。先ほど買ってきた「梅天よせ」を食べながら参加する。

 小田原の名産品である梅を寒天で固めたもので、原材料は梅、梅ジュース、砂糖、寒天というシンプルなものである。

 先述のとおり、今日は妻が保育園へお迎えに行く予定になっていたのだが、大雨の影響で新幹線が止まっているとのことで、急遽私がお迎えに行く。当然娘は不機嫌になり、帰るまでに30分近く掛かった。

 結局、家に着く頃には妻も帰宅していた。

 3日ぶりに1人でゆっくり入浴する。午前中にかなり歩いたので、足を念入りにマッサージ。

 お風呂上がりに湘南ゴールドジュースを飲む。味が薄い。

 洗濯を済ませ、娘を寝かしつける。そのまま一緒に寝落ちしてしまう。

 気づいたら1時半だった。何とか身体を起こした歯を磨く。

 2時過ぎに就寝。