数日前から続いている話です。
バフェのガラス越しに見える若い女性が
瓜さんの娘さんであると確信を持った私は
思わず 彼女の名前を呼んだ。
大きな瞳を見開いて
"Yes" と言って
桃ちゃんが私を見つめる。
目尻から出た 太いアイライナーに
最後に この子を見た日の情景が
目の前に広がった。
それは この街の中学であったミュージカルの舞台。
娘の友達のお姉さんが サウンドオブミュージックの
主役をするというので
娘2人を連れ見に行ったら
最後の方のシーンで
桃ちゃんがステージに出て来て
バレーを披露してくれた。
幼児の頃、
日本でバレーを習っていた彼女の踊りは素晴らしく
日本人として 誇りに 感じたことだった。
私が 一体誰だか 分からず
ちょっと困った様子の桃ちゃんに
"お母さんは 如何ですか?" と 尋ねると
"母をご存知なんですか?" と
驚いたように 私の顔を覗き込み聞いてきた。
"ええ" と
頷くと
瓜さんと同じハスキーな声で
"今週の日曜日に母の葬儀があります。
良かったら いらっしゃってください。
あっ 母は2週間前に他界したんですがね。" と
誰だかも分からない私を
大切な場に誘ってくれた桃ちゃんに
瓜さんを想う深い気持ちを感じた。
テキパキとした話しかたが
瓜さんに そっくりでもあった。
瓜さんが亡くなった、、と知り
、一瞬 身体が硬直した、、、が
涙は出なかった。
私の前から去って行った桃ちゃんの背中を
数秒間 ぼんやり見つめ
また 仕事に戻った。
週末 イリノイの家に帰った私は
日曜、早めに家を出
プロム写真を持って
瓜さんの葬儀に向かった
しつっこく 明日に 続きます。
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中国人と働くことを知ったバッキーが
"日本人を嫌う中国人がいるからな、、、" と
言ったことだったが
50代の副シェフは 挨拶をしても
いつもムッツリ顔、、、。
ちょっと 手強そうだ と思っていたら
左トンペイを思わせるような笑顔と一緒に
片言の英語で
声をかけてくれるようになった。
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今日もがんばって働いて来ます。
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