日々の覚書

MFCオーナーのブログ

想い出のアルバム-ROYAL SCAM

2007年06月11日 23時04分13秒 | 想い出のアルバムシリーズ

Royalscam

幻想の摩天楼/スティーリー・ダン(1976)

1.滅びゆく英雄
2.アルタミラの洞窟の警告
3.最後の無法者
4.狂った町
5.トルコ帽もないのに
6.緑のイヤリング
7.ハイチ式離婚
8.裏切りの売女
9.幻想の摩天楼

久々の「想い出のアルバム」シリーズ、前回スティーリー・ダンの事を書いたので、せっかくだし(笑)続けてスティーリー・ダン・ネタでいってみたい。

前回も書いたように、僕がスティーリー・ダンの名前を知ったのは、この『幻想の摩天楼』が出た頃である。確か、当時のミュージック・ライブ誌のレコード評のコーナーで、“今月最高”の星五つ貰っていたはず。そんなに一般的には人気あるとは思えなかったスティーリー・ダンだが、実は高い評価を受けていたのだ。あの、ミュージック・ライフでさえ“今月最高”だったのだから(笑)

実際、彼らの最高傑作と言っていいと思う。世間的には、次作となる『彩(AJA)』がスティーリー・ダンの最高傑作であり代表作と言われていて、それを否定する気は毛頭ないが、なんとなく一流セッション・ミュージシャンたちの演奏の比重が高い感じのする『彩(AJA)』より、この『幻想の摩天楼』までは、あくまでもフェイゲン&ベッカーの楽曲及びコンセプトを具現化する為に、ミュージャンたちが演奏してるような感じがする。そっちの方がスティーリー・ダンらしいという気がするのだ。だから、僕は『幻想の摩天楼』や『うそつきケティ』の方が好きである。

この『幻想の摩天楼』というアルバム、一言で言ってしまうと、とにかくカッコいい。元々、フェイゲン&ベッカーの2人はジャズ好きで、デビュー時からロックとは一言で言い切れない、摩訶不思議な音楽性が特徴だった。よく分からんけど、コード進行も複雑らしい。彼らはスティーリー・ダンを結成する前に、ソングライターとして出版社と契約してたらしいが、「デモテープを聞かせると、どいつもこいつも、もう勘弁してくれ、とか言って外へ出て行ってしまうんだ」なんて本人たちが言ってるのを読んだ記憶があるくらいで、フツーの人には耐え難いような曲を作ってたそうな。スティーリー・ダンとしてデビューしてから、順調にヒットを放っているのを見ると、そんなひどい曲を作ってたとは思えないけど(笑) ま、そんな彼らのソングライターとしての才とアレンジの妙、そしてラリー・カールトン、チャック・レイニーといった一流ミュージシャンたちの演奏が見事に結実し、捨て曲なしの完璧なアルバムに仕上がっている。楽曲のレベルという点だけで見れば、『彩(AJA)』以上ではないか。個人的には、「滅びゆく英雄」「狂った町」「緑のイヤリング」あたりが好きだ。ロックと呼ぶには洗練され過ぎてるし、ジャズ系に分類するには荒っぽい感じがある。AORという程軟弱ではない。セオリーにとらわれない曲作り、単純なエイトビートは登場しないリズム・パターン、ベースは黒っぽいけど、ギターソロは無骨な音だったりするミスマッチ感等々、こういった要素が微妙に絡み合って、ジャンル分け不能なスティーリー・ダンの音楽を構成している。病みつきになる事うけあいである。

何故か、このスティーリー・ダンって、ベスト盤が何種類も出ているが、やっぱりオリジナル・アルバムを聴かなくては。というか、ベスト盤聴いてるだけでは物足りなくなって、結局オリジナル・アルバムも買ってしまうので、同じ事なんだな(爆)

アマゾンやHMVのサイトで、スティーリー・ダンを検索すると、同傾向のアーティストとして、ドゥービーやボズ・スキャッグス、TOTOなんてあたりの名前があるが、それに混じってディーコン・ブルーなんて名前もある。ご存知、スティーリー・ダンの「ディーコン・ブルース」からバンド名をつけた、というバンドで、80年代イギリスでは大人気だった。が、名前だけで、音楽性はスティーリー・ダンと同傾向といえるのか? ま、僕の場合、ディーコン・ブルーは一枚聴いてみたものの、印象悪くてそれきりになってるので、何とも言えないが(笑)

余談だが、この『幻想の摩天楼』に入っている「トルコ帽もないのに」だけど、原題は「The Fez」という。辞書にも“トルコ帽”と出ているが、これずばり、コ○○ームという意味があるらしい。この曲の歌詞もいきなり“お前はトルコ帽なしでやるのか”と始まる訳で(笑) らしいというか、何というか。もし、僕がスティーリー・ダンのコピバンを結成したら、バンド名は絶対に「The Fez」にしたいものだ(爆)

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想い出のアルバム-ZABRISKIE POINT

2007年04月28日 01時32分07秒 | 想い出のアルバムシリーズ

Zabriskiepoint2

砂丘 オリジナル・サウンドトラック(1970)

1.若者の鼓動/ピンク・フロイド
2.ブラザー・マリー/カレイドスコープ             
3.ダーク・スター/グレイトフル・デッド
4.崩れゆく大地/ピンク・フロイド
5.テネシー・ワルツ/パティ・ペイジ 
6.シュガー・ベイブ/ヤングブラッズ
7.ラブ・シーン/ジェリー・ガルシア
8.一人ものになれたら/ロスコー・オルコム      
9.ミッキーの歌/カレイドスコープ      
10.死のダンス/ジョン・ファヘイ               
11.51号の幻想/ピンク・フロイド

ピンク・フロイドのファンはたくさんいるが、『砂丘』でフロイドの事を知った、というのは僕ぐらいではなかろうか(笑)

以前にも書いた事があるが、僕はかつて映画少年だった。映画を見る事以上に音楽に興味を持ち、FMの映画音楽特集をよく聴いていた。今では信じられないだろうが、昔は映画音楽の特集を2時間放送するとか、映画音楽しかかけない番組とかは、別に珍しくはなかったのだ。1970年代半ば頃の話だけどね(笑) で、そんな中で『砂丘』を知り、ピンク・フロイドを知ったという訳である。まだ『原子心母』も『狂気』も聴いた事なかった。

でもって、その『砂丘』のフロイドの音楽が、僕にとっては物凄く衝撃的だったのだ。エコーをかけたバスドラによる心臓の鼓動のようなビートに効果音がコラージュされる「若者の鼓動」、静かに潜行するものの突如歌ではなく絶叫が炸裂する「51号の幻想」、特にこの2曲は凄かった。音楽であるようなないような、正に“前衛”という言葉がふさわしい音楽。もちろん、それまでこんな音楽は聴いた事なかった。「ロックって、こういうものなんだ」と10代前半のガキが、誤った認識を持ってしまったのも仕方あるまい(笑)

そういえば、中学1年の時、同じクラスにロック好きのませた女子生徒がいて、彼女と話をしている時に、何気なく「ピンク・フロイドっていいね」と言ったら、「あら生意気ねぇ、どのアルバムが好きなの?」なんて突っ込まれて、あたふたした記憶がある(爆) なにせ、小学生の頃からクイーンやツェッペリンを聴いてて、中学生になる頃には飽きてしまった、という人だったしね、彼女は。よく音楽室に自分のLPを持ってきて、皆に聴かせていたけど、僕にはちんぷんかんぷんだった。思えば、その頃彼女が持ってきたのはジェネシスとかキャラバンとかだったような。

と、話がそれたが(笑)、『砂丘』でピンク・フロイドを知り、その後『狂気』や『炎』を聴いて、新たに衝撃を受ける訳だが、今でも「若者の鼓動」や「51号の幻想」のインパクトは強烈だ。このサントラの曲は、フロイドのベスト盤等には収録されておらず(権利関係か)、サントラ自体がCD化されてから、ようやく手に入れる事が出来た。その時に初めて、フロイド以外の曲も聴いたのだが、はっきり言ってフロイドの曲ほどのインパクトはなかった。なので、今でも『砂丘』のサントラはフロイドしか聴かない。でも、この3曲の為だけに金を払っても惜しくない、とすら僕には思える。

は、で、映画としての『砂丘』はどうなのか、ですか? すいません、見てないです(爆)

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想い出のアルバム-TURN BACK

2007年03月29日 23時17分32秒 | 想い出のアルバムシリーズ

Turnback

ターン・バック/TOTO(1981)

1.ゴールデン・ガン
2.イングリッシュ・アイズ
3.リブ・フォー・トゥデイ
4.ミリオン・マイルズ・アウェイ
5.グッドバイ・エリノア
6.スタンド・ユー・フォーエバー
7.ターン・バック
8.ラスト・ナイト

気のせいかもしれないが、日本で最も人気のあるロックバンドはTOTOではなかろうか。とにかく、ファンが多い。「ファンです」と公言しなくても、何かのきっかけでTOTOの話が出ると、「実は好きなんです。昔、よく聴いてました」と言い出す人が多くて、「えっ!あなたもですか?」と驚いてしまうバンドのNo.1である。少なくとも、僕の周囲では。去年の来日公演も、僕以外は皆行ったのではないか、と勘ぐってしまうくらい、見に行った人が多かった。ファン率の高さといったら、ビートルズ・ストーンズ・クイーンの3大Bを凌ぐのではないか。この3大Bの場合は、熱心なファンが多数いる反面、「知らない、聴いたことない、興味ない」という人の数もそれなりに多いのだが、TOTOに関しては、そういう人は皆無とすら思える。コピバンだってたくさんあるし。何故、TOTOはこんなに日本で人気があるのか。

TOTOといえば、さらに不思議なのだが、メンバーの中では特にジェフ・ポーカロが人気あるように思う。ドラマーが一番人気というのも珍しいけど、この人の場合、ドラマーでない人にも大変な人気があるのだ。ジェフ・ポーカロ、コージー・パウエル、キース・ムーン、の3人は“ドラマーでない人にも人気あるドラマー”のベスト・スリーと言っていい。ま、確かに上手い人ではあるけど...

ただ、TOTOのサウンド・イメージを固めていたのは、ジェフ・ポーカロであるのは間違いない。この人のプレイを一言で言ってしまうと「タイト&ジャスト」、非常にかっちりとしたプレイをする人だ。ルーズなノリとか、ファンキーな感覚とかは、あまり感じられない。それまでのロックやR&Bのドラマーとは、明らかに違うタイプ。要するに黒くないのだ。そこいらが物足りない、という声も聞いた事あるけど、そのジェフ・ポーカロの“上手いけど黒くない”ブレイが、TOTOのようにブルージーでもなくファンキーでもなく、けどロックンロールでもなくプログレでもない、というバンドの音にはピタリとハマるのだ。彼がTOTO結成以前にプレイしたスティーリー・ダンやボズ・スキャッグスにも、それは当てはまる。黒人音楽をルーツにはしているが、それを独自に消化してコピーではない新しいタイプのロックを志向した彼らに、ジェフ・ポーカロのドラムは大きく貢献した。そしてTOTOやボズの成功は、後のブラコンやAOR、或いは産業ロックといったジャンルの確立に繋がっていく。そういったジャンルの音楽が徐々に浸透していった70年代から80年代にかけて、ジェフ・ポーカロが多くのセッションに参加しているのは、単に上手いからというだけの理由ではない。彼の“黒くない”プレイが必要だったからなのだ。ジェフ・ポーカロは“非黒人音楽”の第一人者なのである。

やや話が逸れたが(笑)かくいう僕もTOTOは好きだった。ジェフ・ポーカロにも憧れ、尚且つ影響を受けた一人でもある。その割には、自分のプレイに片鱗すらないのは悲しいが(爆) アルバムも、ジェフ・ポーカロ存命中の『キングダム・オブ・ティザイア』まではずっと買ってた。ドラマーが現在のサイモン・フィリップスになってからは、あまり聴いてないけど^^; 1995年の『タンブ』の印象があまりにも悪かったせいもあるが(笑)、やっぱりジェフ・ポーカロのいないTOTOなんてTOTOじゃない、という思い込みもあったからだ。なので、1998年のデビュー20周年記念盤『TOTO XX』は、喜んで聴いてた(笑) けど、バンドとして本当に好きなのは、この『ターン・バック』を含む80年代前半までのTOTOである。こればかりは否定できない。

という訳で、やっと『ターン・バック』の話になった(爆) かなりギターを前面に出し、ハードロックバンドみたいな作りだが、実は哀メロ(Cジャスミンさん)満載のアルバムなのである。最初に聴いた時は、それこそギターが目立ちすぎてるような気がして、今イチ好きになれなかったが、何度も聴くうち、丁度高校を卒業する頃で精神的に不安定だった事もあって(笑)、哀愁すら感じさせる楽曲たちにすっかり魅せられてしまった。「ミリオン・マイルズ・アウェイ」「ラスト・ナイト」あたりも、ほろりとするメロディの佳曲だが、なんといっても僕は「スタンド・ユー・フォーエバー」が一番好きである。歌いだしからサビに至るまでのメロディが、とにかく素晴らしい。そこに絡むアルペジオも秀逸。ギターソロも泣ける。次曲の「ターン・バック」へのシーケンスもドラマチックでたまらん。地味ながらも名曲である。

冒頭を飾る「ゴールデン・ガン」もまたカッコいい曲なのだが、この曲もホロッとくる部分がある。「グッドバイ・エリノア」は、その頃周囲の連中はこぞってコピーしてた。TOTOのコピバンなら、必須曲であろう。この曲もそうだけど、全体的にシンプルに作ってあるようでいて、さりげなく高度なテクニックをかましてくるのが、実にTOTOらしい。その上、哀メロ(Cジャスミンさん)てんこもりだ。当時、日本でよく売れたのが分かる気がする(笑) 個人的には、『宇宙の騎士』や『ハイドラ』の方が好きだけど、『ターン・バック』はTOTOのアルバム中、最も琴線に触れる曲が多いアルバムと思う。故に、想い出深いのだ。人を喰ったジャケットもよろしい(笑)

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想い出のアルバム-FOOTLOOSE

2007年03月05日 22時20分52秒 | 想い出のアルバムシリーズ

Footloose

フットルース オリジナル・サウンドトラック(1984)

1.フットルース~メインテーマ/ケニー・ロギンス
2.ダンシン・イン・ザ・シーツ/シャラマー
3.レッツ・ヒア・イット・フォー・ザ・ボーイ/デニース・ウィリアムス
4.パラダイス~愛のテーマ/マイク・レノ&アン・ウィルソン
5.ヒーロー/ポニー・タイラー
6.アイム・フリー/ケニー・ロギンス
7.危険なガール/サミー・ヘイガー
8.誰かの愛が.../カーラ・ボノフ
9.ネバー/ムービング・ピクチャーズ

僕にとっては、マイコーの『スリラー』と並んで、80年代を象徴するアルバムである。

実は、しょうもない事なんだけど(笑)、このアルバムは結構想い出深くて、丁度ヒットしていた頃、つまり1984年の夏頃、僕は都内某所の6畳一間風呂なしのアパートを借りて、そこから大学に通っていた。で、僕はそのアパートの2階に間借りしていたのだが、下の階に住んでたヤツが、その頃毎日のように、この『フットルース』を大音量で聴いていたのである。もちろん、全然知らないヤツで顔だって見た事ない。男か女かすら分からない。だけど、そいつが毎日飽きもせず『フットルース』を聴き続けたせいで、すっかりこのアルバムの曲に馴染んでしまった(笑) でも、今にして思うと、そいつは常にA面から聴いており、ずっと聴いてればB面にいく事もあったけど、ほとんどA面しか聴かされなかったような気もする(笑) ヤツもA面の方が好きだったのかもしれない(笑)

そんな訳で、『フットルース』と聞くと、クーラーもない暑い部屋で過ごした1984年の夏を思い出してしまうのだ。ついでに言うと、毎日『フットルース』を聴いてた階下の住人は、さすがに飽きたのか(笑)、秋頃からはピタリと『フットルース』をかけなくなった。一時的にビリー・ジョエルの『イノセント・マン』をヘビー・ローテーションしていた時もあったけど、そのうち音楽は何も聴こえてこなくなり、年が明け2月になりテストが終わる頃には、僕はそのアパートを引き払ってしまった為、その後ヤツがどうしてるのかは分からない(爆) 故に、『フットルース』=夏、なのである(なんのこっちゃ)

ある意味で、この『フットルース』は画期的だった。映画のサントラというのは、一人の作曲家が本編に流れる音楽を書き下ろし、それを一枚のアルバムにまとめるもの、とずっと相場が決まっていた。確かに、例を挙げると『サタデイ・ナイト・フィーバー』とか『FM』とか『アーバン・カウボーイ』とか(後ろの2つはややマニアックか)、有名ミュージシャンの新曲や既発表曲を収録したサントラもあるにはあったが、『フットルース』はミュージシャンの曲を並べる所までは同じでも、収録曲の大半は映画の脚本を担当したディーン・ピッチフォードが作詞した、映画の場面と連動した新曲ばかりで、しかも映画そのものが各曲のプロモーション・ビデオを繋げたような作りになっていた。映画の劇伴ではなく、各曲を聴かせる(見せる)為に映画を作ったような感じ。結果、映画自体の印象よりも、そこに流れる音楽が印象的な映画となった。この後、空前のサントラ・ブームが起こる訳だが、『フットルース』ほど徹底した映画はなかったような気がする。

有名なケニー・ロギンスのメインテーマをはじめ、どの曲もいかにも80’sポップスらしく、キャッチーで聴きやすい。今聴くとチープな感触のサウンドも80’sだ。デニース・ウィリアムスの全米No.1「レッツ・ヒア・イット・フォー・ザ・ボーイ」なんて、当時は最先端と感じたけど、あんな無骨なシンセベースの音、今なら小学生だって出すだろう(笑) シモンズビシバシの「ヒーロー」なんかもそうだな。打ち込み丸出しって感じの音作りも、ドラムにかかる意味のないエコーも、あちこちで鳴ってるハンドクラップも、ミョーに乾いたギターのカッテイングの音色も、とにかく全編80’sの香りがプンプンする。当時は、この手の音があまり好きでなく、毎日聴かされていた割には『フットルース』自体別にいいとは思ってなかったが、今聴いてみると、そういう80’s的な部分に、愛着を覚えたりする。軽い作りだな、なんて思いつつも、このアルバムが愛おしかったりするのだ。この心境の変化は何だろう?

このアルバムを、アマゾンやHMVで検索してみると、“この商品を買った人は、こんな商品も買っています”という、要するにオススメの所に、『フラッシュダンス』『セント・エルモズ・ファイア』『ストリート・オブ・ファイア』『トップガン』『ダーティ・ダンシング』等々が並んでいるのも、80’sだぁって感じ(笑) そういや、ケニー・ロギンスは『フットルース』以降すっかりサントラ歌手みたいになってしまった。ヒット曲は全て映画絡み、それも自作曲ですらなくなってしまったような。『フットルース』は自作だったんだけど。こういうのも悲しいな。この前にも、ちょいちょいヒットは出していたのに。スティーブ・ペリーと共演した曲もあった。「Don't Fight It」というんだけど、邦題は「サンライズ・パーティ」だったかな(笑) この曲でギターを弾いていたニール・ジェラルドは、パット・ペネターの亭主としても知られていた。なんか、ひたすら80’sなネタがたくさん出てくるなぁ(爆)

余談だが、「パラダイス~愛のテーマ」は、この頃TBS系で放送されていた『金曜日の妻たちへⅡ』というドラマの主題歌に使われていた。高橋恵子、小西博之、伊武雅刀らが出ていたドラマだ。小林明子の歌に乗せて不倫を流行らせたドラマは、この翌年の『金曜日の妻たちへⅢ』であるので、勘違いしないように(爆)

さらに余談(笑) このアルバム、ボーナストラック入りでCD化された際、既発表曲だけどフォリナーの「ガール・ライク・ユー」が追加収録された。映画の中で、この曲が流れたなんて全く記憶がないけど、覚えてる人います?

80’sも遠くなりにけり...か...

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想い出のアルバム-TAKE MY TIME

2007年02月24日 01時26分14秒 | 想い出のアルバムシリーズ

Sheena

モダン・ガール/シーナ・イーストン(1981)

1.花束は贈らないで
2.クライ
3.テイク・マイ・タイム
4.眩しすぎる貴方
5.ワン・マン・ウーマン
6.愛のプリズナー
7.ムーディ・マイ・ラブ
8.9 To 5(モーニング・トレイン)
9.ソー・マッチ・イン・ラブ
10.ラジオの囁き
11.嵐の前の静寂
12.モダン・ガール
13.一人だけの秘密
14.夏の終わりに

本格的に1980年代に突入した頃、彗星の如くイギリスから登場したシンデレラ・ガールが、シーナ・イーストンであった。いきなり「モダン・ガール」と「9 To 5」がヒットし、文字通り一夜にしてスターとなった彼女は、デビュー翌年にはアメリカでのデビューシングル「9 To 5」を全米No.1とし、グラミーの新人賞を受賞、007シリーズの主題歌も担当したりなんかして、ほんと飛ぶ鳥落とす勢いだったのである。ここに紹介するのは日本でのデビューアルバムで、UK盤をベースに日本のみに収録曲を追加して(今で言うならボーナス・トラック)発売されたもの。写真は再発されたUS盤CDのものだが^^; 出てすぐ買ったので、日本発売は1981年の4月頃だったと思うのだが、その年の10月頃にはセカンドアルバムが発売された。正に日の出の勢いというか、旬のうちに商売してしまえ、というか(笑)

さすが、デビューアルバムだけに、初々しい歌声が聴ける訳だが、「モダン・ガール」でもそうだったけど、シーナの声ってやや硬い感じで、好きになれない人もいただろう。このアルバムでも、硬い声質に加え、低音部がしっかり出ていなかったりして、荒削りな印象。歌手としてはまだまだ、という所。ま、ジャケットでも分かる通り、可愛いけど鼻っ柱の強そうな顔だし(笑)、当時見た雑誌に、本人の「初めて買ったレコードはジギー・スターダスト」なんて発言が載ってたりもして、彼女自身はロック志向だったのかもしれない。けど、このアルバムは、完成度の高い洗練されたポップスであり、正に職人の仕事といった感じのサウンドと彼女の硬い声が、奇妙な化学反応を起こしているようで面白い(笑)

シーナ・イーストンが、新時代のシンデレラともてはやされたのは、そういったアイドル風だけどそうでもない、という所にもあったと思う。事実、ヒットした「モダン・ガール」にしても「9 To 5」にしても、歌のテーマがちと違う。前者は自立する女性の歌だし(キャリアウーマンなんて言葉はまだなかったけど、まさにそれ)、後者はズバリ不倫の歌である。確かに、アイドル然とした女性が歌う内容ではないわな(笑) ただ、そういった“新しい女性”のイメージでシーナを売り出した訳で、その目論見は見事に成功したと言えよう。けど、その割には、アルバムにはフツーのラブソングも入ってたりするんだけど(笑)

とはいえ、その硬い声さえ気にならなければ、表現力もあるし、収録曲はどれも粒よりだし(個人的オススメは、3.5.9.13.あたり)、前述したけどサウンドも見事だし、なかなかに気持ちよく聴けるアルバムだ。そういえば、「モダン・ガール」のコーラス部で、最初は主語が“She”なんだけど、最後には“I”に変わる。だけど、バックの男声コーラスはずっと“She”のままで、ポップスの奥深さを見た、なんて言ってる人もいたなぁ(笑) この頃は、結構会う人ごとに「シーナ・イーストンいいよ」なんて、薦めまくっていたものだ(爆)

でも、これ以降シーナのアルバムは買ってない。セカンドからの先行シングル「涙のブロークン・ハート」があまり好きでなかったので、結局買わずにそれきり(笑) でも、「リトル・テンダネス」のシングルは持ってる(笑) とはいえ、レンタルなどで、ずっとチェックはしてた。ある時期からダンス系に傾倒し、プリンスと引っ付いたりして、そちらを極めようとしてた事もあったなぁ。ま、それはそれで良かったと思うけど。90年代半ばには、オーケストラをバックにスタンダードを歌うアルバムを出してたような気がする。今はどうしてるのかな。ベスト盤以外は廃盤になってるようなのが残念だが。ヒット曲は多いけど、却って一発屋みたいなイメージを持たれてる感じもある。『マシーナリー』とか『ラバー・イン・ミー』とか、良いアルバムもあったんだけどね。惜しいなぁ。

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