ライブ・イン・ザ・ハート・オブ・ザ・シティ/ホワイトスネイク(1980)
1.カム・オン
2.スイートトーカー
3.ウォーキング・イン・ザ・シャドウ・オブ・ザ・ブルース
4.ラブハンター
5.フール・フォー・ユア・ラビング
6.エイント・ゴナ・クライ・ノー・モア
7.レディ・アン・ウィリング
8.テイク・ミー・ウィズ・ユー
ホワイトスネイクの歴史は長い。もう30年近くになるのではなかろうか。しかも、まだ現役だ。今年の夏には、デフ・レパードとのジョイント・コンサートで来日するらしい(関係ないけど、近頃こういうの多くありませんか? ま、お買い得といえばそうなんだけど^^;)。けど、僕に言わせれば、ある時期以降のホワイトスネイクは、ほとんどデビッド・カバーデイルのソロ・プロジェクトみたいなもんであり、ジョン・サイクス、エイドリアン・バンデンバーグ、スティーブ・ヴァイといったトップクラスのギタリストをとっかえひっかえして起用し、豪華なアルバムを作り続け、ファンの期待に応えてきた。しかし、デビューしてからの3~4年は、ボーカルにデビッド・カバーデイルを擁する“バンド”であったのだ。そんな、ホワイトスネイクがバンドとして、最も輝きを放っていた時期の姿を収めたのが、このライブ盤である。
ま、とにかく、この時期のホワイトスネイクは実にカッコいい。このライブ盤のメンバーは、ボーカルのデビッド・カバーデイル以下、バーニー・マースデン(G)、ミッキー・ムーディ(G)、ジョン・ロード(Key)、ニール・マーレイ(Bs)、イアン・ペイス(Ds)、という布陣で、正に黄金期と言ってよかろう。単にパープル・ファミリーと呼ぶなかれ。この頃のホワイトスネイクは、ブルージーでソウルフルなサウンドが特徴で、ハードロックには違いないが、後の様式系HRとは一線を画すものだ。その辺りは、このライブ盤を聴くとよ~く分かる。だいたい、スライドのソロを延々とやるHRバンドなんていないでしょ?(笑)
冒頭の「カム・オン」から「スイートトーカー」への流れは、あまりのカッコよさに言葉もない。ミッキー・ムーディの長いスライド・ソロをフューチャーした「ラブハンター」も素晴らしい。ウェスト・コーストぽさを漂わせた「エイント・ゴナ・クライ・ノー・モア」は、このアルバムのハイライトかもしれない。シンコペーションの効いた「レディ・アン・ウィリング」もカッコいい。この曲は、イアン・ペイスがいてこそ、という感じ。ラストで煽りまくる「テイク・ミー・ウィズ・ユー」も最高。当時のホワイトスネイクのライブを完パケしたものではないと思うが(LPでは一枚ものだったし)、でも最高の演奏を堪能する事が出来る。全体的にゆったりめ(様式系に比べれば、の話だが^^;)のテンポに乗りボーカルも伸び伸びと気持良さそう。やたらと冗長なソロやインプロビゼーションに頼ってないのもいい。6人が一丸となって攻めてくる、という感じ。ロック・バンドはかくあるべき。
ほんと、この時期のホワイトスネイクって好きだ。ライブだけでなく、スタジオ盤も名盤揃いである。強力なボーカリスト、有能なギタリスト、堅実かつ大胆なリズム・セクション、そしてブルースの影。この当時のホワイトスネイクに、ブリティシュ・ロックの伝統を感じるのは、僕だけではないはずだ。そう、ホワイトスネイクこそ、栄えある“最後のブリティッシュ・ハード・ロック・バンド”だったのである。ちょっとB級な雰囲気が漂ってるのもいい。ジャケットもダサくていいでしょ?(笑) バッド・カンパニーあたりと、並べて語られてもいいバンドだったと思う。残念だが、80年代以降、アメリカで大ヒットを飛ばしたホワイトスネイクとは、別物といわねばなるまい。そっちも、それなりに好きだけどね(笑)
で、実は、この25日に、FOREFINGERでライブするのだが、対バンでShiro Heavyというホワイトスネイクのコピーバンドが出演する。Shakee'sでのバンドメイトの会長さん、ASHくん、ダイゴくんがメンバーのバンドだが、あのエイプリル・フールズのセンベーさんも、ツインギターの一翼を担っているのである。彼も実は、70年代のホワイトスネイクが好きなのだが、今回はその頃の曲はあまりやらないらしい。やはり、ホワイトスネイクというと、様式系HRバンドというイメージが強いので、70年代の曲をやるのは遠慮したとかしないとか(笑)
という訳で、しつこいようだが、ライブします。ホワイトスネイクとフォリナーのコピバンの共演、是非聴きに来て下さい。詳細はこちら、またはこちらで。
と、強引に宣伝に持っていくのであった(爆)