去る3月3日、スピンオフ四人囃子のライブ配信を見た。
確か3~4年前、岡井大二と坂下秀実に、根本要と西山毅と山崎弘を加えたメンバーで、スピンオフ四人囃子のライブが開催された。オリジナル・メンバー2人がいるとはいえ、本物ではないのでスピンオフな訳だが、本家が活動していない事もあり、自分的には意外な顔ぶれにも興味をそそられてたりもして、これは見たいとずっと思っていた。そんな中、去年の4月、六本木でスピンオフ四人囃子のライブがあると聞いて、勇んでチケットを入手したのはいいが、コロナ騒ぎでライブは延期となってしまった。非常に残念だったが、仕方ないと言えば仕方ない。
と、紆余曲折を経て、先日、スピンオフ四人囃子のライブは開催されたのだが、僕は諸事情によりチケットを払い戻していたので、延期になったライブ日程を知らなかった。気づいたのは実は妻で、たまたまぴあから来たメールを見て、スピンオフ四人囃子のライブ開催及び配信があることを知り、僕に知らせてくれたのだ。もちろん、ライブは既にソールドアウトで行けないのだが、配信のチケットは間に合うタイミングだったので、すかさず申し込んで貰った。そして、有り難い事に、ついに念願だったスピンオフ四人囃子を見る事が出来たのである。
という訳で、スピンオフ四人囃子のライブなのである。まずメンバーはというと、
岡井大二(Dr)
根本要(G、Vo)
西山毅(G)
山崎洋(Bs)
三国義貴(Key)
当初、坂下秀実(Key)が参加すると聞いていたが、昨年末の不慮の事故(岡井がMCでそう言ってた)により、今回は不参加で、三国義貴が代役を務めた。この人、僕は不勉強にも知らない人だったのだが、札幌出身でなんと、四人囃子の2代目ギタリストの佐藤満とバンドやってたらしい。三国が大学入学で上京した頃に、佐藤が四人囃子に加入し、その縁で、岡井をはじめとする四人囃子のメンバーとは知り合いなんだそうな。驚き。
根本要は、ご存知の通り、スターダスト・レビューのあの人だ。その根本が、四人囃子に参加するなんて、意外中の意外であったが、やはり当日のMCによると、1974年のワン・ステップ・フェスティバルで四人囃子を見て以来のファンらしい。ワン・ステップ・フェスティバルに行ったのは、別のバンド目当てだったそうだが(笑) その時こっそり録音したテープを元に、四人囃子の曲をコピーしてバンドで演奏してた、というから筋金入りだ。その当時、自分で録音した音源とは別に、どういうコネクションが分からんが、PA卓で録音されたテープも所有しており、それが後年、ワン・ステップ・フェスティバルがCD化される際に根本から提供されたそうな。なんというか、凄い関わり方をしてる人なのだ。
西山毅は、元ハウンド・ドッグだそうで、申し訳ないけど、全然知らない人だった。実に上手い人ではあるが。彼は、高校生の時、アマチュア・バンドこのコンテストに出て、予選で落とされたそうだが、その時の審査員が岡井大二だったらしい。これも凄い縁だな。ちなみに余談だが、僕の大学の先輩がプロを目指してコンテストに出場して見事に玉砕したが、その時の審査員も岡井大二だったらしい。かなり厳しい事を言われたそうな。
ま、そんな濃いつながりを持つメンバーによるスピンオフ四人囃子、オリジナル・メンバーは岡井大二しかおらず、要するにプロによるコピバンみたいなものだ。もちろん、そこいらのアマバンとは比較にならない演奏を聴かせる訳だが。とは言っても、皆さん嬉しそうな顔して四人囃子の名曲の数々を演奏してるので、やはり根っこは変わらないのだなぁ、と感じた(なんのこっちゃ)。そんな、ちょっとアマチュア感も漂う素晴らしいライブだった。
とここで、セットリスト。
眠たそうな朝には
Chaos
おまつり
昼下がりの熱い日
カーニバルがやってくるぞ
ハレソラ
空と雲
Nameless
機械じかけのRAM
al-sala-di SCENE
なすのちゃわんやき
一触即発
(アンコール)
泳ぐなネッシー
空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ
選曲は岡井大二らしい。四人囃子の全オリジナル・アルバムから満遍なく選曲されていて、定番と言えば定番のセットリストだが、どうせなら、もっと自分の曲を入れても良かったのでは、なんて思ったりして(笑) 「気まぐれの目かくし」とかね。
曲数の割には長いライブだったが、それはMCが長かったからで、演奏する前に必ずその曲について色々と裏話等が披露される訳だが、根本要が完全なファン目線で喋っててなかなかよろしい(笑) 岡井自身による、当時のエピソードも披露され、非常に興味深いものがあった。ファンとしては言うことなし(笑)
アンコールの「泳ぐなネッシー」は、根本のギター弾き語りだったが、これがまた良い感じだった。今回不参加の坂下秀実に捧げた、というところかな。
正直言うと、森園勝敏や佐藤満と岡井・坂本組が仲違いかなんかして、一緒に出来ないので、代わりのギタリストを入れてスピンオフとしてライブ活動やってるのかな、なんて思っていたけど、実際には、10年くらい前から森園も佐藤も病気でステージに立てる状態ではないらしい。徐々に快方に向かってるので、いずれ昔の顔ぶれで何かやりますよ、とMCで岡井は言ってた。その事は知らなかったけど、現在の四人囃子では、演奏活動の出来るメンバーは岡井しかいない、という事になる訳で、歴代のベーシスト2人(中村真一、佐久間正英)と茂木由多加は故人だし、ほんと呪われたバンドみたいになってしまっている。本当に、復活を祈願してます。
という訳で、スピンオフ四人囃子の配信ライブで、久々に興奮していたのであった。しかし、配信ライブというのは凄いな。昨年からのコロナ禍で、仕方なく広まったという感もあるが、新たな商売として成立してるのではなかろうか。そりゃ、ライブなんてものは現場で体感するものではあるが、遠方とかだと移動の問題もあるし、人気のあるアーティストだとチケット手に入らなかったりするし、その点、配信だと、ライブの時だけ時間を取れればいいし、見に行くより代金は安いし、自宅等で飲食も含めて気楽に見れるし、言うことなしである。アーティスト側も、席数だけチケット売るより、配信でキャパの数倍の人が見てくれた方が儲かるのでは(笑) ライブ配信、今後は主流となりそうな予感。
という訳で、スピンオフだろうと何だろうと、四人囃子最高!!
ところで、↑のチラシの下の方にも、3月3日に豪華3枚組CD BOX発売決定、とあるが、これは『Printed Jelly』『包』『NEO-N』の3枚にボーナストラックを加えて、セットにしたものだ。ファンとしては素通りは出来ないが(笑)、中味をよくよく見ると、『Printed Jelly』『包』のボートラは既発表みたいなんで、それなら個人的には『NEO-N』のみ買いそびれて今に至るので、『NEO-N』だけでいいな、ボートラで「拳法混乱」も入ってるしな、これが一番貴重だな、なのでセットじゃなくてバラ売りしてくれないかな、なんて思ってしまった(笑)
いつの日か、あの四人囃子が復活しますように。