日々の覚書

MFCオーナーのブログ

Black or White

2009年10月25日 22時15分06秒 | 音楽ネタ

Whatsgoingon

レコード・コレクターズ最新号の特集は、「70年代のモータウン」である。1959年デトロイトに設立されたモータウン・レコードは、今年で50周年を迎える訳だが、60年代の頃はファミリー企業的な社風があり、アーティストはもちろん、ミュージシャンやソングライターも自社で丸抱えして、独自のサウンドを作り出し、ヒットチャートを席捲した。70年代になると、ファミリー的な雰囲気はなくなるものの、ニューソウルの波に乗り、数々の名盤を送り出した。正に、一時代を築いたレコード会社だったのである。洋楽を聴く人なら、誰でもモータウンという名前くらいは知っているだろう。

僕が洋楽を聴き始めた70年代半ばの頃、黒人音楽は「ソウル」というジャンルで一括りにされていた。R&Bなんて言葉は、よほどの通でなければ、使ってなかったように思う。白人がやってるのは「ロック」、黒人がやってるのは「ソウル」、とかなり単純というか乱暴に区別されていた。

この頃、僕はソウルはほとんど聴かなかった。なんというか、このジャンルは、どれを聴いても同じに聴こえたのである^^; それに、なんだか暑苦しいような印象も持っていた。当時よく聴いてたロック・ポップス系と比べると、曲の構成なども明らかに違っていたし、要するに中学生には馴染めなかったのである。未だに、ソウル系は詳しくない。

ソウルを聴かない、というのは黒人アーティストもほとんど知らない、という事を意味するが、もちろん例外はあった。スティービー・ワンダーやアース、ウィンド&ファイア、スタイリスティックスあたりは、FMでもよくかかってたから、他のロック・ポップスと同列にとらえて聴いてた。特に、あの頃(1976年頃)のスタイリスティックスの、日本での人気は凄かった。今でも耳にする「愛がすべて」をはじめ、「ファンキー・ウィークエンド」「16小節の恋」「フロム・ザ・マウンテン」等々、FMAM問わず、ラジオで毎日のように耳にした。もしかすると、カーペンターズやベイ・シティ・ローラーズ並みの人気というか浸透度だったかもしれない。

スティービー・ワンダーは、ジェフ・ベックに曲を提供してるのは知ってたので、ロックの人みたいな感じで聴いてた。実際、ロック系の番組でもよくかかっていた。アース、ウィンド&ファイアは、ディスコみたいな感覚で聴いてた。ソウルは聴かなかったけど、ディスコは好きだったのだ。もちろん、ディスコがソウルと非なる音楽である事は、当時も承知してた。アース、ウィンド&ファイアは、クロスオーバーというジャンルのグループとして、紹介されてたような記憶がある。

こうして名前を並べてみると、なんとなく見えてくる物がある。スタイリスティックスもスティービーもEWFも、いわゆるディープなソウルとは、一線を画した音楽だ。それ故、一般にも浸透したし、中学生にも馴染みやすかったのだろう。

で、そのレコード・コレクターズなのだが、ふと思い出したが、以前にロック・アルバム・ランキングに続き、ソウル・ファンク・アルバム・ランキングというのを掲載していた。てな訳で探してみたらありました。去年3月号で、特集が組まれていた。ロックの時と同じで、60~70年代の黒人音楽のベスト・アルバムをライターが選出し、編集部が順位をつけるのだ。1~100位まで掲載されている。その100枚の中で、僕が持っているアルバムを拾ってみたら、このようになった。

ホワッツ・ゴーイン・オン/マービン・ゲイ(1)
インナービジョンズ/スティービー・ワンダー(4)
ライブ/ダニー・ハサウェイ(8)
スーパーフライ/カーティス・メイフィールド(17)
オフ・ザ・ウォール/マイケル・ジャクソン(19)
3+3/アイズレー・ブラザーズ(26)
キー・オブ・ライフ/スティービー・ワンダー(33)
アイ・ウォント・ユー/マービン・ゲイ(39)

太陽神/アース、ウィンド&ファイア(86)
ディスコ・パーティ/マーサ&ザ・バンデラス(89)

アルバム・タイトルの後ろの( )内の数字は、レココレの順位である。

うむ、ソウル系ほとんど知らない割には、10枚持ってるというのは立派かも(違)。ま、ここにある10枚、いずれもソウルの定番であろうから、持っていて当たり前なのかもしれない。『サー・ジェント・ペパーズ』や『クリムゾン・キングの宮殿』『ジギー・スターダスト』『狂気』みたいなものか。

この10枚のうち、リアルタイムで接したのは、『キー・オブ・ライフ』『オフ・ザ・ウォール』『太陽神』の3枚だけ。『アイ・ウォント・ユー』は、雑誌の広告で何度も見た。『スーパーフライ』は、映画少年だった頃、タイトル曲だけ知ってた。それ以外は、かなり年いってから聴いたものばかりだ。

年いって聴いたせいもあるが、新しいというか意外な発見もあった。ワム!の「イフ・ユー・ワー・ゼア」が、アイズレー・ブラザーズのカバーだとは知らなかった。昔から曲だけは知ってた「ダンシング・イン・ザ・ストリート」「ヒートウェイブ」は、マーサ&ザ・バンデラスの曲だというのも、随分後になって知った。

ここに挙げた10枚、いずれも中学生の頃に、ソウルに対して持っていた“暑苦しい”という印象の作品ではない。マービン・ゲイやカーティス・メイフィールドなんて、ソフィスティケイトされた、クールでオシャレなサウンドだ。アイズレー・ブラザーズは、このアルバムに限っては、かなりロック寄り。スティービーやマイケルは、この時点でソウルを超越していた。もしかすると、ロック好きが聴くソウル、ってのはここいらなのかもしれない。ソウル好きが好むロック、というのに一定の傾向があるのと同様に。

80年代に入り、“ソウル”が“ブラコン”へと進化(?)するのに伴い、より黒人音楽は洋楽ファンに浸透し、白人でブラコンをやる者も増えてきて(それ以前の“ブルー・アイド・ソウル”とは、やはり非なるものである)、“白”と“黒”の境界線は、かなり曖昧になった。ボーダーレスと言っていいのか? ま、それも決して悪い事ではなかろう。だいたい、白人と黒人の音楽を区別する事自体、無意味と言えば無意味なのだ。ただ、一口にブラコンと言っても、かなり細分化され、こっちには訳分からなくなってるのも確か。これは、他のジャンルにも言えるのだけど。僕にとっては、かつての“ソウル”と同じように、“ブラコン”は皆同じに聴こえる。

そうなってくると、昔のように、ロックはロックらしく、ソウルはソウルらしくあった時代が懐かしくもある。こないだ取り上げた「夜汽車よ!ジョージアへ」みたいな曲に、非常に愛着を感じたりするのだ。

所で、ベーシストって、ソウル好きが多いような気がするんだけど、どう思われます?(笑)

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13 コメント

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ふふふのふ。ついに目覚めてしまいましたね(何に?)。 (fxhud402)
2009-10-25 22:53:52
ふふふのふ。ついに目覚めてしまいましたね(何に?)。


さて、ベーシストに何故ソウル好きが多いのか?

それは、この人がいるからです。

グラハム?セントラル?ステイション/パウ
http://www.youtube.com/watch?v=Z1IuD6F3R5I

おまけにもう一曲。
バーケイズ/フリークショウ?オン?ザ?ダンスフロアー
http://www.youtube.com/watch?v=yAO9WtckdDU
返信する
お久しぶりです。 (ここ)
2009-10-26 00:03:29
お久しぶりです。
ソウルは今勉強中ですが、まさか、オーナーさんのブログで勉強できるとは思いませんでした(笑)

マイケルから派生して、ジャクソンズは聴きました!ディスティニーとトライアンフ、いいです♪

私のような若輩者でも名前だけは知っている、スティービー・ワンダーやアース、ウィンド&ファイア、マービン・ゲイあたりの音楽は、ソウルから少し進化したものなんですね。
ソウルの代表というと、もうちょっと前の、レイ・チャールズやジェームス・ブラウンあたりなんでしょうか?

返信する
♪fxhud402さん (MFCオーナー)
2009-10-26 00:03:43
♪fxhud402さん

>ついに目覚めてしまいましたね(何に?)。
何年かに一度、こういう症状が出ます(なんのこっちゃ)

>それは、この人がいるからです
ま、それは確かに...^^; ま、こんなにファンキーでなくてもいいのですが(は?)
YouTubeも見ました。この手のファンク路線を、中学生の頃に聴いていれば、もっとソウルに首突っ込んでいたと思うのですが...
返信する
ライブ/ダニー・ハサウェイ(8) (kamekame)
2009-10-26 00:04:56
ライブ/ダニー・ハサウェイ(8)
最高です。これに入っている
what 's going on
がすごいです。
Bassは後期ドゥーヴィーBrsのウィリー・ウィークスですがAのワンコードですごいこと弾いてはります。
bassistでソウル好きですが
弾けないので 嫌いです。
返信する
♪ここちゃん (MFCオーナー)
2009-10-26 00:07:27
♪ここちゃん

どうも、ご無沙汰してます^^;

>マイケルから派生して、ジャクソンズは聴きました!ディスティニーとトライアンフ、いいです♪
ジャクソンズって、それほど聴いていた訳ではありませんが、結構いですよね。僕は『ディスティニー』がお気に入りです。「シェイク・ユア・ボディ」最高!

>ソウルの代表というと、もうちょっと前の、レイ・チャールズやジェームス・ブラウンあたりなんでしょうか?
僕の感覚だと、ソウルの象徴はアレサ・フランクリンですね。それと、オーティス・レディングかな。どちらも、あまり聴いてないですけど^^;
返信する
♪kamekameさん (MFCオーナー)
2009-10-26 00:11:42
♪kamekameさん

>ライブ/ダニー・ハサウェイ(8)
>最高です
おお、こういうのお好きですか。なんかこう、演奏全体がしなやかな感じしますね。暑苦しくはないです(笑)

>Bassは後期ドゥーヴィーBrsのウィリー・ウィークスですが
あれ?それは見落としてました^^; ドラムがモーリス・ホワイトの弟というのは、気づいてたんですが...しかし、この頃ウィリー・ウィークスも若かったんですよね? こういうのに抜擢されるとは、若い頃から凄かったのか。

>bassistでソウル好きですが
>弾けないので 嫌いです。
あっち系は難しいですよ、ベースもドラムも。たとえ、チョッパーしなくても(笑)
返信する
そりゃオーナー、ぜひともwattstaxをご覧下さい。 (揺れ名人)
2009-10-26 01:05:02
そりゃオーナー、ぜひともwattstaxをご覧下さい。
暑苦しい系のソウルもいいもんです。

「LIVE」のウイリー・ウイークスは最高です。一時期毎日のようにこのアルバムをバックにベースを弾いていましたし、コピーもしましたねえ。

ソウルのベース・・・・
シンプルなのに難しい・・・・。
返信する
>ベーシストって、ソウル好きが多いような気がす... (陰陽師@勤務中(笑))
2009-10-26 08:55:25
>ベーシストって、ソウル好きが多いような気がするんだけど、どう思われます?(笑)

え!?ワタクシのこと???

黒っぽいのは全く聴きません(笑)。全然違う世界って感じですな。チョッパー(あえてチョッパーと呼ぶ)も出来ないし、、、orz

第一あの裏声、、、、モノマネするにはやりやすいですが、ちょっとねぇ~~~。

第二に黒っぽいバンドは人数多過ぎ。ワタクシは六人以上ステージに立ってるバンドは認めません(は?)。だからEW&Fも米米クラブも認めません(へ?)。

やっぱりトリオです(自画自賛)。
返信する
♪揺れ名人さま (MFCオーナー)
2009-10-26 18:54:07
♪揺れ名人さま

>ぜひともwattstaxをご覧下さい。
ふむ、これはバンド名ですか? それとも、テレビ番組?(ソウル・トレインなたいな)
>「LIVE」のウイリー・ウイークスは最高です。
やっぱり^^ 持ってはいますけど、そこまで聴いてなかったので、じっくろ聴いてみますか。
>一時期毎日のようにこのアルバムをバックにベースを弾いていましたし、コピーもしましたねえ。
やっさんにも聴かせてあげましょう(笑)

♪陰陽師さま

>黒っぽいのは全く聴きません
たしかに、陰陽師さまからソウル系の話題が出たことはありませんね。ラッシュの名前はよく出ますが(笑)
>第一あの裏声、、、、モノマネするにはやりやすいですが
ファルセットとは、実は裏声ではなく地声なんですねぇ(意味不明)。裏声というと、高くて歌えない部分を歌う時に使う、というイメージですが、実際は全部裏声ですし(だから意味不明)
>ワタクシは六人以上ステージに立ってるバンドは認めません
僕の場合、スペースはある程度確保できるので、窮屈だったことはありませんが(は?)
>やっぱりトリオです
年を取ると、大勢人がいた方が楽しいですよ(違)
返信する
ベーシストではありませんが (BB)
2009-10-27 22:52:37
ベーシストではありませんが
ソウルも大好きですよ
今の私のプレイスタイルに
全く影響はないように見えますけど(爆)
リハとかでよく、”なんかフレーズが
ハネてるんだよな”って言われる事が多く
きっと身に付いちゃっているのかもしれませんね

オーナーの持っていたCD
もちろん私も持っていました。
しかも全部同じなんてびっくり(爆)

もちろんベーシストにもうるさいですよ。(笑)
ウィリーウィークスや
ジェームスジェマーソン
ラリーグラハムも大好き!!
返信する

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