「お祖母ちゃん、私の事信じてくれるの?。」
蛍さんは驚いて思わずまじまじと祖母の顔を見上げました。祖母はああそうだよと言います。
「お前は何も持って無かったからね、家にもスルメは無かったんだ。」
外から帰って来た時、お前はスルメどころか何も手に持って無かったよ。お祖母ちゃんは見てたからねと、祖母は真面目な顔をして蛍さんに話すのでした。
「茜もスルメなんか持って無かったんだろう。あの子も家に来る時、手に何も持って無かったよ。」
服にポケットはあったけど、スルメが入っていればすぐに分かったさ、臭いもしなかったしね。祖母は思い出すように蛍さんに話して聞かせました。祖母はきちんと孫たちの様子を把握していたのでした。それでと祖母は蛍さんに問い掛けました。
「まま事遊びをした時の事を詳しく話してごらん。」
そこで蛍さんは話しだしました。あれこれと、茜さんが最初に始めたのだと、順を追って時間の流れ通りその通りに話して行きます。祖母には何故茜さんがスルメを話に持ち出したのかが不明なのでした。
「何で茜はスルメなんか言い出したんだろうねぇ。」
彼女は呟きました。その独り言を聞いた蛍さんは、お祖母ちゃんは何か分からなくて困っているのだと感じました。私も一緒に考えてあげようと思いました。スルメを言った時の茜さんの様子、その前に起こった出来事を思い出してみます。