「家」 @ 鎌倉七里ガ浜 + 時々八ヶ岳

湘南七里ガ浜(七里ヶ浜とも)から発信。自分の生活をダラダラと書きとめるブログ。食べ物、飲み物、犬の話題が多い。

八ヶ岳西麓原村(4) 小諸市のグラン・ミュール カワグチ葡萄園へ

2019-06-02 06:42:14 | 八ヶ岳西麓の楽しい暮らし
グラン・ミュール カワグチ葡萄園を訪問した。



カワグチ葡萄園の主であるカワグチさんは、長野県小諸市でワイン用のぶどうを生産しているのだ。

生産すると言っても、まだそのぶどうはワインになったことはない。でもその将来性にすでに注目が集まっている。

カワグチさんは、私のかつての同僚。20年以上前からのおともだちだ。

カワグチさんは、なんと米国ウォートン・スクールのMBAなんて学位までお持ちの方だ。

そして英国で金融マンとして働いておられたこともある。

カワグチさんと私は東京のある外資系資産運用会社で出会い、その後何年も一緒に働いた。

ところが数年前、カワグチさんは華麗に転身、葡萄園を始めてしまったのだ。すげーー。

玉村豊男さん(↓の画像)をご存じだろうか?



都会的田舎暮らしの先駆者であり、ワイン生産者であり、仏文学者であり、エッセイの名手でもある方だ。

私も玉村さんの大ファンだ。

複雑なことでも、あそこまでわかりやすい文章で明解に説明できる人は珍しい。つまり頭がいいんでしょうねえ。

生真面目なカワグチさんは、その玉村さんのワイン学校にまずは通うところから、自身の行動を始めた。

千曲川ワインバレーという言葉をご存じだろうか。

長野県を延々と流れる千曲川は、新潟県に入ると信濃川と呼ばれるようになり、海へそそぐ。

全体では日本最長の河川だ。

その千曲川にそって、日本の新しいワイン用ぶどうの生産地域が広がりつつある。



日本のワインというと永らく山梨県が中心的だったが、地球温暖化に伴い、そのウェイトは北の長野県に移動しつつある。

世界的な傾向と同じだ。

その千曲川ワインバレーの上流部にあたる小諸市(赤い丸で囲まれたところ)は標高も適度で、あのマンズワインも多く生産されているところだ。

千曲川に向けて南向きのなだらかに下がる丘にぶどう畑が広がる理想的な土地柄。

この日はそこにあるカワグチさんの葡萄園を訪問した。

ドガティ君もいっしょに。



出発!

原村の山荘から、御柱街道をどんどん下がる。



それから北上しておとなりの茅野市を今度はどんどん上がる。

大門街道と呼ばれるところだ。



やがて蓼科観光の中心地、白樺湖にさしかかる。



さらに行くと女神湖。



とても静かなところです。



そのあたりをピークに再び下がる。

やがて人里に入り、周囲には田んぼが多くなる。



グラン・ミュール カワグチ葡萄園がある小諸市に入った。



小諸市の中心部の地名は「古城」。



島崎藤村のあの「小諸なる古城のほとり・・・」の古城。

さすがだな、この地名。

突然ですが、この日はこのムードだったんだなぁー。



バリー・マニロウが、亡きサッチモの録音とデュエットするWHAT A WONDERFUL WORLD♪

立派な葡萄園主となられたカワグチさんにぴったりな歌だ。

YouTubeで聴いてね。



JR小諸駅前でカワグチさんと再会。二年ぶりかな。



はぐはぐ・はぐはぐ。(^ε^)-☆Chu!!

はう・はぶ・ゆー・びーん? 

あいぶ・びーん・べりー・うぇる。さんきゅー。

今や農家のカワグチさんにリードされて、小諸市内をクルマで移動する。



前を走る軽トラ(↑)はカワグチさんの愛車。いまや葡萄園主となったカワグチさんが、それをゆっくりゆっくり運転する。

着いた。カワグチさんが向こうで呼んでいる。妻とドガティ君がそちらに向かい、私はそれを追いかける。



カワグチさんの葡萄園は3つに分かれる。

これはもっとも低いところで、標高680mあたりだ。

カワグチさんが自ら「名誉の畑」と名付けたところ。



ぶどうの苗木や葉を見てドガティ君が言う。

「それは食べられるの?」



それは無理です。

「なーーんだ」とドガティ君。



見よ、3年目の苗木を。



ぶどうがなるが、これらはやがて摘まれてしまう。



さらにどんどん成長してもらいましょうね。

かわいいねえ、ぶどう。

この眺め。



すごいでしょう? グレートでしょう??

生真面目なカワグチさんらしい、整然としたぶどうの苗木の並び。



みなさん、信じられますかね。

これ全部、カワグチさんがひとりで世話しているんだよ。

しかも、こんなのが3か所にも分かれているんだ。



支柱を植えて、専用の鉄線を張り巡らす。

そこに苗木を植えて、枝を伸ばさせて、葉を選んで摘んで。



一番端の支柱は腐食しにくい太いカラマツ。何番目かを認識する番号がふってある。



これは12番目。

途中の支柱は金属だ。

苗木と苗木の間の広い通路部分を通過し、見学する妻とドガティ君。



ドガティ君も楽しそうだった。

こちらがカワグチさんの農作業グッズ収納小屋。



乗車して動かす草刈り機や、脚立や、苗木を寒冷期に保護する藁も。



この農家的風景を見てください。



これが千曲川ワインバレーの中でも南傾斜を誇る小諸市にあるカワグチ葡萄園。



移動しましょう。



2番目は「喜びの畑」の名で呼ばれるところだ。

ここで標高は850mほど。

こちらが葡萄園主のカワグチさん。今や農家。



妻が歌うのはぶどうの歌?



下がると千曲川。

しかしその向こうは上がって、はるか向こうに八ヶ岳東麓が見える。



普段私が見ている西麓の逆側からの景色だ。

真ん中の山(↓)をご存じ?



小諸から見た浅間山だ。

さらに移動する。

3番目の畑へ。こちらは「希望の畑」



さきほどの畑と同じく標高は850mあたり。

ここを開墾する時に出た岩の数々。農業とは大変なことなのです。



この区画は何も植えられていない。まだこれからだ。



ここには、スイスではとてもポピュラーなシャスラ種(ぶどうの一種)が植えられる予定である。

苗木はすでに日本に到着。

いまは防疫経過期間中。それが終わればさっそく植えられる予定。

ドライな白ワインにもなって楽しめるし、あの有名なチーズ・フォンデュを作る時にもそのワインは使われる。

そうなんだー。すべてこの話は、カワグチさんからの受け売りだ。

小諸のカワグチ葡萄園のこの区画は、日本では稀有なシャスラ種の畑になるぞーー。

カワグチさんが葉と茎の剪定のプロセスを説明するところ。



横に伸ばした苗木の枝から、茎と葉が出て来て上に伸びるが、それらは一定の間隔(こぶしくらい)を開けなければならない。

あまりに混みこみになると、日が当たらず空気も通らなくなり、腐る部分も出てくるからだ。



これ(↓)もやがて間隔をあけて摘まれることになる。



苗木は枝を鉄線にそって水平に伸ばす。



しかし鉄線は気温が上昇すると伸びる。鉄道のレールと同じだね。



するとこの道具を使ってカワグチさんは1本ずつ鉄線を引っ張って締める。



この丸い器具がそれを固定する。



なんと詳細な説明がついた、私のブログでしょう!

でもね、みなさんが気楽にお飲みのワインのもとであるぶどうは、みんなこうやって丹念に作られているのですよ。



ローマ時代からの天の恵みであるぶどうや、それを育てる人、そしてそれを醸造してくれる人に感謝してワインを飲みましょう。

グラン・ミュール カワグチ葡萄園の見学が終了した。

全体で約2時間。

私もいっぱい勉強させてもらった。

ありがとうございました、カワグチさん。

さらに移動する。

葡萄園から少し離れたところに、おしゃれなレストランがある。



サンヒルズ小田(小諸市)だ。



我々は屋外の席についた。ドガティ君がいるからね。



この店のオーナーはカワグチさんのぶどう仲間でもある。

ではこちらで田園風のコース料理を開始。

ロゼ・ワイン?



違います。残念ながら。帰りのドライブがあるからね。

ベリーの冷えたジュースだ。

そしてスープ。まあ、乾いたのどにしみること。



たっぷりとサラダ。



シャキシャキ・シャキシャキ。

「そろそろボクにも何かありますかね?」



うーーん、ないと思います。

これ! これが本日の巨大なメイン。



オランダの料理でパンネ・クーケン。ピッツアじゃないよ。

パンネ・クーケンは英語で言うとパン・ケイク(日本語で、日本語じゃないけど、パン・ケーキ)。

王位を息子に譲ったベアトリクス前オランダ女王が、このカジュアルな料理を大好きだったとか。

このレストランのオーナーは海外駐在が長い方で、オランダにも長く暮らした方だそうだ。

カワグチさんといい、このお店のオーナーといい、極めてローカルながら、インターナショナルな田舎人。

調べるとパンネ・クーケンって、かなりいろんなパターンがあるみたいだ。

お菓子的なのから、お食事的なのまで。



あぁ~、いい日だ。

カワグチさん、妻と、あれこれおしゃべりしながら長いランチ。

デザートが出て来たよ。



名残惜しいが、コーヒー飲んだらランチも終了。



ここでカワグチさんとさようなら。

また会いましょうね。なんていい日なんだろう。

元同僚の長年の努力とその成果を見た、とってもうれしい日。

先のサッチモとバリー・マニロウのデュエットじゃないけど、WHAT A WONDERFUL WORLD♪

【つづく】
コメント (40)
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