よくぞここまで来たなぁ!というのが実感の、本年最後の2か月の国内株式市場の力強い上昇。そして2020年の日経平均終値は27,444円だ。
今から31年前の話。日経平均は38,915円という史上最高値を付けた。日本のバブル経済崩壊やその後の長い平成不況を目前に控えて、狂乱的な相場がそこで終焉した。そして1990年代以降の日本経済は低迷し、株価も地価も下げる年が多かった。今世紀に入って起こった金融危機のあとには、日経平均が7,000円を割ったこともあった。
日本株式の投信を私は長年持って来たが、9月にすべて償還。しかし私の償還をあざ笑うように、11月と12月はものすごい上昇を見せつけて、先述の27,444円で2020年を終了した。それって1990年8月の水準だ。
日本株式を多くお持ちの皆さん、おめでとうございます。こういう時はモーメンタムがあるので、生涯二度と見ることはないだろうと思っていた31年前の史上最高値を、ひょっとしたら2021年に見ることができるかも・・・なんて思うものだ。株価が上昇するたびに「株式市場は経済実態からかけ離れている」と憤慨する人が出るのだが、それはちょっと正しくないと思う。株価なんて毎日上にも下にも大きく変動し、ほぼ常に経済実態から乖離しているものだ。おそらくそうした人は、金融危機以後ずっと「株式市場は経済実態からかけ離れている」と言い続けていて、納得出来たのは今年始めのコロナ暴落の時くらいのものなのではないか。
コロナ禍でどこの国も大変だ。不気味な新型ウィルスを恐れて、主要各国の株価は今年2月~3月に稀に見る大暴落を記録した。その後は主要国の中央銀行がユルユルの金融政策を取り続け、コロナ禍で落ち込む経済をなんとか盛り返そうと奮闘している。彼らは世の中におカネをジャブジャブ吐き出し、どんどん国債を購入した。国債の利回りがマイナス圏にある国もあるくらいだ。そんな国はこれまで日本だけかと思っていたら、他にも出て来た。新型ウイルスのワクチンや各国の財政政策への期待が高まる都度、おカネは株式に向かい株式市場は急回復し、コロナ禍直前の最高値を軽々と上回った。まだ経済は弱いのに。
東京証券取引所は昨日で本年の取引を終了した。幸せな終わり方だねぇ。
しかしニューヨーク証券取引所は31日まで営業が続く。クリスマス休み明けの今週月曜日以降は年内お休みなしだ(赤線部↓)。
グローバル株式のETFも9月に全部償還させたので、私は普通の株式の保有はゼロだ。いつ落ちるかと冷や冷やすることもなく気楽なものだけれど、人が儲けるのを黙って見ているだけというのはつまらないね。
グローバル・マクロ戦略のヘッジファンドだけは、まだ持っている。これも今月半ばに償還リクエストをすでに行ってあるが、ヘッジファンドは複雑で、償還を請求したらすぐに資金が返って来るわけではない。12月末のファンドの基準価額が1月半ばに確定するが、それにより私が得る償還金額が初めて確定し、それからの私の口座にその金額がドルで入金されてくることになる。早く来い来い、私のドル。
来年のことを考えるために久々に米国株式市場指数であるS&P500の株価収益率( = 株価 ÷ 一株あたりの純利益)を見てみた。株価が純利益の何倍になっているかを見る指標だ。これがあまりに大きければ、株価が純利益の何倍にもなって不自然に高いということになり、その株価は高過ぎると考えるという代物である。
しかし株価も企業の収益も短期的にいろんな方向に大きく動くため、S&P500の株価収益率は短期的にかなりぶれる。下のグラフがS&P500の株価収益率の推移だが、ITバブルのころのピークが高過ぎて、グラフ右端の現在の水準でいったいどう判断すればいいの?という感じだ。
もうちょっと物事を考えやすくしてくれるのが、10年の長期で考え、かつその間のインフレ率も加味して企業の純利益を計算したというシラー教授の株価収益率(株価 ÷ 過去10年間の企業の純利益の平均)である。シラー教授はバブル経済研究の権威で、教授の名を冠した不動産価格指数はとても有名である。
で、そのシラー大先生の株価収益率の指数がこちらだ(↓ ただし月次ベース)。S&P500が考え出されたのは1950年代だが、その前にまでさかのぼって数字を提示している。それを見ると、12/29の株価収益率(33.93)は1929年の大恐慌直前よりも水準が高く、20年ほど前のITバブルよりは低いくらいだ。いずれにしろ相当高いところにあり、割高感を感じるのは確かである。
しかし見方を変えると、1990年代以降は水準がずいぶん切り上がっていて、「80年代以前の高値圏が、90年代以降の安値圏みたいになってしまった」というイメージで捉えることも可能だ。つまり随分上昇したけれど、これが新しいノーマル状態であって、直近この指標が急上昇したことは近い将来の急落を意味しない可能性もある。それで結局どうすればいいって言うのよ?とおっしゃるかもしれないが、わからない。私はさっぱりわからない。長年持ち続けた内外株式も昨年から1年半の間持ち続けたヘッジファンドも、とにかく高水準にあると考えて2020年の終わりに一旦退却だ。2021年、ゆっくり考えよう。
多くの人から尊敬されているオマハの賢人(富豪ウォーレン・バフェットのこと)は、今どう考えているのでしょう? 賢人の見通しも最近は外れることも多いそうだけれどね。
どちらかと言えば田舎のネブラスカ州オマハに1958年に購入した家に、賢人は住んでいる。日本の感覚では豪邸という規模だが米国の郊外ならこんなの普通な規模だ。
何兆円もの資産を持つ人としては、ずいぶん控えめだね。あちらの歌手や俳優の家なんて、たいてい建物も敷地ももっと巨大だ。賢人はこれを62年前に数万ドルで購入し、今の時価も65万ドルほどだそうだ。7,000万円しない。なにせオマハなんて街の郊外だからね。スーパーお金持ちって、地味。
今から31年前の話。日経平均は38,915円という史上最高値を付けた。日本のバブル経済崩壊やその後の長い平成不況を目前に控えて、狂乱的な相場がそこで終焉した。そして1990年代以降の日本経済は低迷し、株価も地価も下げる年が多かった。今世紀に入って起こった金融危機のあとには、日経平均が7,000円を割ったこともあった。
日本株式の投信を私は長年持って来たが、9月にすべて償還。しかし私の償還をあざ笑うように、11月と12月はものすごい上昇を見せつけて、先述の27,444円で2020年を終了した。それって1990年8月の水準だ。
日本株式を多くお持ちの皆さん、おめでとうございます。こういう時はモーメンタムがあるので、生涯二度と見ることはないだろうと思っていた31年前の史上最高値を、ひょっとしたら2021年に見ることができるかも・・・なんて思うものだ。株価が上昇するたびに「株式市場は経済実態からかけ離れている」と憤慨する人が出るのだが、それはちょっと正しくないと思う。株価なんて毎日上にも下にも大きく変動し、ほぼ常に経済実態から乖離しているものだ。おそらくそうした人は、金融危機以後ずっと「株式市場は経済実態からかけ離れている」と言い続けていて、納得出来たのは今年始めのコロナ暴落の時くらいのものなのではないか。
コロナ禍でどこの国も大変だ。不気味な新型ウィルスを恐れて、主要各国の株価は今年2月~3月に稀に見る大暴落を記録した。その後は主要国の中央銀行がユルユルの金融政策を取り続け、コロナ禍で落ち込む経済をなんとか盛り返そうと奮闘している。彼らは世の中におカネをジャブジャブ吐き出し、どんどん国債を購入した。国債の利回りがマイナス圏にある国もあるくらいだ。そんな国はこれまで日本だけかと思っていたら、他にも出て来た。新型ウイルスのワクチンや各国の財政政策への期待が高まる都度、おカネは株式に向かい株式市場は急回復し、コロナ禍直前の最高値を軽々と上回った。まだ経済は弱いのに。
東京証券取引所は昨日で本年の取引を終了した。幸せな終わり方だねぇ。
しかしニューヨーク証券取引所は31日まで営業が続く。クリスマス休み明けの今週月曜日以降は年内お休みなしだ(赤線部↓)。
グローバル株式のETFも9月に全部償還させたので、私は普通の株式の保有はゼロだ。いつ落ちるかと冷や冷やすることもなく気楽なものだけれど、人が儲けるのを黙って見ているだけというのはつまらないね。
グローバル・マクロ戦略のヘッジファンドだけは、まだ持っている。これも今月半ばに償還リクエストをすでに行ってあるが、ヘッジファンドは複雑で、償還を請求したらすぐに資金が返って来るわけではない。12月末のファンドの基準価額が1月半ばに確定するが、それにより私が得る償還金額が初めて確定し、それからの私の口座にその金額がドルで入金されてくることになる。早く来い来い、私のドル。
来年のことを考えるために久々に米国株式市場指数であるS&P500の株価収益率( = 株価 ÷ 一株あたりの純利益)を見てみた。株価が純利益の何倍になっているかを見る指標だ。これがあまりに大きければ、株価が純利益の何倍にもなって不自然に高いということになり、その株価は高過ぎると考えるという代物である。
しかし株価も企業の収益も短期的にいろんな方向に大きく動くため、S&P500の株価収益率は短期的にかなりぶれる。下のグラフがS&P500の株価収益率の推移だが、ITバブルのころのピークが高過ぎて、グラフ右端の現在の水準でいったいどう判断すればいいの?という感じだ。
もうちょっと物事を考えやすくしてくれるのが、10年の長期で考え、かつその間のインフレ率も加味して企業の純利益を計算したというシラー教授の株価収益率(株価 ÷ 過去10年間の企業の純利益の平均)である。シラー教授はバブル経済研究の権威で、教授の名を冠した不動産価格指数はとても有名である。
で、そのシラー大先生の株価収益率の指数がこちらだ(↓ ただし月次ベース)。S&P500が考え出されたのは1950年代だが、その前にまでさかのぼって数字を提示している。それを見ると、12/29の株価収益率(33.93)は1929年の大恐慌直前よりも水準が高く、20年ほど前のITバブルよりは低いくらいだ。いずれにしろ相当高いところにあり、割高感を感じるのは確かである。
しかし見方を変えると、1990年代以降は水準がずいぶん切り上がっていて、「80年代以前の高値圏が、90年代以降の安値圏みたいになってしまった」というイメージで捉えることも可能だ。つまり随分上昇したけれど、これが新しいノーマル状態であって、直近この指標が急上昇したことは近い将来の急落を意味しない可能性もある。それで結局どうすればいいって言うのよ?とおっしゃるかもしれないが、わからない。私はさっぱりわからない。長年持ち続けた内外株式も昨年から1年半の間持ち続けたヘッジファンドも、とにかく高水準にあると考えて2020年の終わりに一旦退却だ。2021年、ゆっくり考えよう。
多くの人から尊敬されているオマハの賢人(富豪ウォーレン・バフェットのこと)は、今どう考えているのでしょう? 賢人の見通しも最近は外れることも多いそうだけれどね。
どちらかと言えば田舎のネブラスカ州オマハに1958年に購入した家に、賢人は住んでいる。日本の感覚では豪邸という規模だが米国の郊外ならこんなの普通な規模だ。
何兆円もの資産を持つ人としては、ずいぶん控えめだね。あちらの歌手や俳優の家なんて、たいてい建物も敷地ももっと巨大だ。賢人はこれを62年前に数万ドルで購入し、今の時価も65万ドルほどだそうだ。7,000万円しない。なにせオマハなんて街の郊外だからね。スーパーお金持ちって、地味。