10月7日
すみだトリフォニーホール 新日本フィルの公開リハーサル コンサートマスター 豊島泰嗣 指揮 熊倉優
(本番)10月8日 新日本フィルハーモニー交響楽団 第625回定期演奏会〈ジェイド〉
指揮:熊倉優
ヴァイオリン:竹澤恭子
新日本フィルハーモニー交響楽団
- 曲目 ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77
チャイコフスキー:交響曲第4番 ヘ短調 Op.36
手紡ぎウールで織物をされるAさんは新日本フィルを支援するために賛助会員になったとのことでゲネプロの招待があり、誘っていただきました。プログラムも聴きたい曲だったので、すみだトリフォニーまで出かけて行きました。こういう支援の仕方があったのですね。息子さんが小さい頃からオーケストラの活動をされていたとのことです。
本番直前でしたので、完成度の高い演奏でした。最後のブラッシュアップ、作り込みが行われました。公開リハはチャイコフスキーのみでしたが、全部通して演奏された後、指揮者からの注意やお願いがありました。
海外のオーケストラの来日公演を聴く機会が多い私にとって久々の日本のオケでしたが、若手が多く、頼もしく思いました。コロナで長い間孤独に過ごしてきた団員たちの真剣なまなざしと音楽ができる楽しさが伝わってきました。本番と違う空気感がありました。音楽を作り上げる真剣さが伝わってきました。曲を作り上げるプロセスが少しわかりました。
8か月ぶりに聴く生の音はいいですね。私も自然の森と、音楽の森がないと生きていけない人間だな~と最近つくづく思います。
前の方に座り、演奏者の一人一人のお顔を見ることができて、音楽が個人が集まり全員で作りだして行っていることが良くわかりました。作曲家がシンフォニーを作るということはすごいことだと改めて思いました。それぞれの楽器で全く違う音楽を作り、それを合わせていくのですから、本当に天才ですよね。チャイコフスキーの交響曲第4番。弦のメロディーの中に木管楽器の魅力的なフレーズがちりばめられます。初めてチャイコフスキーってブラームスっぽい響きもあるのだと思いました。こんな感覚は初めてです。今までこの二人の作曲家は全く別の路線と思っていたのですが、調べるとほぼ同年代だったのですね。新しい発見がありました。
最初は全部通して、そして最後にさらったり、注意をして一つの作品を作り上げていきます。ベルカントの時も先生の指導も拍とかをよく注意されたけれど創り出していくということはおもしろいです。28歳という若い指揮者が年齢差のある、キャリアの長い演奏者にも自分の意見を丁寧にわかってもらうように説明をしていました。ほとんどの団員が年上のようでした。
最後に短いインタヴューがあり、無観客で行われるコンサートと観客がいるのではやっぱり違いますと話していました。演奏者側としても観客と共に作り上げていく感じがあるとのことでした。みんなの魂や思いが一つの音楽に昇華していくような感じでしょうか? 私たちが演奏者を必要としているように演奏者も観客を必要としていることが聞けてうれしかったです。
いい音楽を聴いた後は、おなかがすいていたので、北斎茶房というところで食事をして、久々のAさんとゆっくりして帰りました。おみやげに買って帰ったどら焼きと豆大福もおいしかったです。
今まで経験をしたことのない機会に感謝です。
Oct. 7 2020 Kinshichou