9月19日
「南ヶ丘美術館・三五荘資料館」は学校法人・中央工学校が保有する文化・研修・宿泊施設「南が丘倶楽部」の敷地内にあります。ゴルフ場に隣接しているこの場所には時々、自転車で通り過ぎたことのある不思議な施設でした。以前陶芸教室のようなものもあって別荘族のためにあるものかと思っていましたが、学校の施設だったのですね。旧軽井沢に別荘を持っている小学校の時の友人からもいいとおすすめがあったので、時間がある時に行きたいと思っていました。今回の短い滞在中に行ってみようかと思い、行きによることにしました。駅で荷物を取って、タクシーで向かいました。
南ヶ丘美術館には内外の美術品や古美術を収蔵しており、藤田嗣治・東山魁夷・荻須高徳・梅原龍三郎・ワイエス・ピカソ絵画などが展示されていました。美術館は小さな作品がこじんまりした会場に並んでいました。ワイエスももっと大きい作品かと思っていましたが、どういうコレクションなんだろうと不思議な感じ。でも誰も他にはいない静かなところで落ち着きます。人が多く出ている軽井沢では穴場的な場所です。でもここで一番良かったのは苔の庭の緑と三五荘という軽井沢らしからぬ古民家です。
三五荘は山梨県塩山市で江戸時代後期に建てられた民家を、日立造船の原田六郎氏が昭和10年に軽井沢へ移築・改修したのにちなみ「三五荘」と命名しました。その後、五島慶太氏・昇氏の別荘となり、20年前に中央工学校の所有になっています。天皇陛下(皇太子時代)や近衛文麿氏なども来訪しています。建物は160年以上の歴史があります。
美術館のある建物のエントランスです。隣接するゴルフ場が苔の庭から続いています。
軽井沢の駅の近くの喧騒から抜け出して、静かな緑の世界へ
隣も何かの施設課と思ったら、別荘ということでした。
見事な苔です。杉苔?
三五荘では他に一組見学者がいて、一緒に説明を聞きました。
山梨にあった地方の名士の家は最上階は蚕を飼っていたという3階建ての建物で、大名も立ち寄るような家だったそうです。
学生の研修にも使われていた宿泊施設にもなっていました。建築関係の学科の生きた資料でもありました。なんという贅沢な設備でしょう・・ 中央工学校という聞きなれない名前に長野県の学校かと思ったら、なんと東京にある学校だったので驚きました。
古い軽井沢彫りが素敵です。
桑の木をそのまま使っているとの説明でした。↓
民家のコレクションですが、囲炉裏の上にどうして魚の飾りかというと、魚は目を閉じないので、一晩中火の守りをするためとのことでした。
娘が外で見つけた見事な桂の葉。甘いいい香りがしました。
フジバカマ
ここから重たい荷物を持って、自転車ではよく走っていたところですが、道に迷って思わぬ時間を取り、クタクタになってペンションに着き、待たせてしまったすぐ近くのいとこの家に行って再会を喜びました。
Sep.19 2020 Karuizawa