いつも年が明けてから年賀状を作る遅れてくる私ですが、昨年の写真の中から、印象深かったものを選びます。ちょうど1年前の沖縄、そして秋の湖東、他よく行った高尾山、冬の軽井沢などが浮かんで選んでみました。
まだ、沖縄、湖東、そしてそれ以前の諏訪や山陰の写真をちゃんと載せていなくてアウトラインのみになっていたので、昨年中に載せたかったのですが、これから時間をみつけて間に挟んでいこうかと思います。
若いころから一度行ってみたいと思っていた湖東や湖北のお寺。娘とは金沢に北陸新幹線が復活したら行こうねと話していたので、コロナの合間を見て10月頃行ってみたいと思っていたけれど奥能登は交通の便が悪くいろいろ試みていたけれどうまく行かなくて、たまたま目についた旅行社からの案内に二人の意見が一致。11月の湖東に行くことにしました。そのころ東京のgotoも解禁。19名以下のツアーで移動のバスも一人2シート使用というもので過度なサービスもなくよかったです。湖東三山は車でないと移動が難しいので、ちょうどいいツアーがあり、ラッキーでした。
若い頃読んだ白洲正子さんの「かくれ里」や芸術新潮に載っていた十一面観音巡礼。そして絵画のアトリエで帰りによく日本酒を飲みに行っていたのですが、その時に先輩から聞く奈良や湖北の話にすっかり魅了されていました。
11月15日 米原 - 百済寺 - 善水寺 - 守山(夕食) - 教林坊 - 彦根泊
11月16日 彦根城 - 玄宮園 - 金剛輪寺 - 西明寺 ー 岐阜羽島
11月17日にアップした湖東の秋で2日間の流れだけとりあえず載せています。
こだまでずいぶん時間をかけて米原まで行きました。途中何度も停車してのぞみやひかりが通り過ぎるのを待ちます。
米原からバスでまわりました。
何百年も変わっていないような風景の中、広々として気持ちがいいです。
百済寺
釈迦山百済寺は、飛鳥時代、推古14年(606)に聖徳太子の勅願によって開かれた近江最古の仏教寺院です。
創建当時は、日本に仏教を伝来した渡来僧や先進的な文化、技術を伝えた渡来系氏族の氏寺として発達しました。
平安時代になり、比叡山延暦寺が開創されると、やがて当寺院も天台宗となり、その規模は拡大され「湖東の小叡山」、「天台別院」と称されるほど壮大な寺院になります。
平安末期から鎌倉、室町時代には、度重なる火災や戦乱による厄災によって、建物の多くを焼失しましたが、なお勢力を保ち続け再興を果たします。
室町時代から安土桃山時代にかわる元亀4年(1573)には、織田信長の焼き討ちによって全山灰燼に帰してしまいましたが、御本尊「十一面観世音菩薩」(別名:植木観音菩薩、全高3.2m)は背後の山を越えた8㎞先の奥の院に避難することができ焼失を免れています。天正12年(1584)には仮本堂が建てられたものの、長らく再建には至りませんでした。
江戸時代になり、寛永14年(1637)には明正天皇による再建を勅許する論旨を給わり、僧侶たちは諸国に勧進し、幕府の老中や大奥、東叡山寛永寺、彦根藩主などから寄進、喜捨を受け、慶安3年(1650)に本堂、仁王門、山門(赤門)等が完成し、いまもその姿をとどめています。
ヴォランティア・ガイドの方の話によると湖東の小叡山と言われるようになってから「くだら」から「ひゃくさい」に読み方が変わったということでした。ガイドの人は元市議会議員で、さすが声が大きかった。ここの山を日に3回上り下りしてガイドをしているので健康にいいと話していました。結構登るのが大変でしたが、後ろの足を前に出してと当たり前のことを言われて励まされながら登りました。
紅葉が始まったところでした。
喜見院
この向こう側の山から信長が攻めてきたという・・ 1日の猶予があったので、ご本尊を持って逃げたという。
焼き討ちにあってすべて燃えたという・・ 聖徳太子の建てた寺
歴史を感じることができる、そして今でも歴史が生きる場所。
仁王門
石垣がまるでお城のようです。
本堂
昔、聖徳太子が、八日市の太郎坊山の麓に宿をとられた時、毎夕方に東の山中に瑞光(妙光)をご覧になられた。
不思議に思われた太子が翌朝、山中に分け入られると光湧の場所には幹の上半分が切り取られた大木が立っていた。
この大木の周りには、たくさんの山猿が果物を供えて礼拝している。
太子はその光景を見られて、この杉の大樹こそ聖木であると感ぜられ、この大木を生えたまま、観世音菩薩像を作り上げるよう指示され、第一刀を入刀された。
この観世音は根の付いた大樹であることから「植木観音」と呼ばれ、上半分の幹は百済の龍雲寺で東向きに安置された「十一面観音」となり、西向きの「植木観音」が相向き合った「同木二体の観音さま」となりました。
伝説の菩提樹
「百寺巡礼」の作家、五木寛之さんも百寺満願成就を込めて触れたという。
ミツマタの群生地があります。
秘仏植木観音は50年に一度しか見れないという・・ この日は弁財天が特別公開となっていました。
秋に咲くさくら 長寿桜
宣教師ルイス・フロイスが「地上の天国」とたたえた百済寺
1400年前と変わらぬ風景の中に今も形は変えて存続しています。
Nov.15 2020 Hyakusaiji Temple Shiga