碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

今週の「読んで書いた本」 2011.04.16

2011年04月16日 | 書評した本たち

「石原軍団の炊き出し」など、さまざまな芸能人の“被災地支援”が話題だ。

本格派の杉良太郎や石原軍団はともかく、人によっては、いろんな動機があることは承知の上で(笑)、実際に活動してくれるのは、とてもいいことだと思う。

でも、中には、「震災をネタに使うんじゃないよ」と言いたくなる“活動”もあって。

サンスポの「神田沙也加、6年ぶり歌手復帰」という記事にびっくり。


女優、神田沙也加(24)が6年ぶりに歌手復帰することが14日、分かった。

20日発売のデビュー10周年アルバム「LIBERTY」(ポニーキャニオン)で、自ら作詞も手掛けたオリジナル曲を発表。

3月11日の東日本大震災が発生した際は、母の歌手、松田聖子(49)と親子の絆を再確認したといい、大事な人々への思いも込めた記念盤に「この10年で作られた私の“成分”がつまった集大成。少しでも日本を元気づけたい」と誓った。
(サンスポ 2011.04.15)


うーん、困った(笑)。

今の日本は、あの神田沙也加が、6年ぶりで復帰してまで、「元気づけたい」と誓ってしまうほど、元気がないのか。

神田沙也加の歌で元気づけられるニッポン。

こりゃ、ほんとに危機なのかもしれない。

母・松田聖子の「復帰するなら、今よ」の声も聞こえてきそうだ。

久しぶりで、「どさくさまぎれ」という言葉を思い出しました。


えーと、今週、「読んで(書評を)書いた」のは、以下の通りです。

白石雅彦 
『飯島敏宏~「ウルトラマン」から「金曜日の妻たちへ」』 双葉社

太田治子 
『時こそ今は』 筑摩書房  

野地秋嘉 
『TOKYOオリンピック物語』 小学館  

山本厚子 
『パナマ運河 百年の攻防』 藤原書店 


・・・・飯島敏宏さんが作ってきた番組を、私は視聴者として随分見てきた。

テレビ界に入ってからは、師匠のひとりである実相寺昭雄監督から、飯島さんのお名前を聞くことがよくあった。

お二人は、TBS→円谷プロという時代から、長いご縁があったのだ。

当時と現在で、テレビとテレビマンたちの何が変わり、何が変わらないのか。

この本を読みながら、そんなことを考えていました。


* 上記の本の書評は、発売中の『週刊新潮』最新号(4月21日号)に
  掲載されています。