『トウルー・グリット』を観た。
父親が雇人のチェイニーに撃ち殺された14歳の少女・マティ。
真の勇気(トウルー・グリット)を持つといわれる保安官コグバーンにチェイニー追跡を依頼する。
別の容疑でチェイニーを追っていたテキサスレンジャーのラビーフも加わり、犯人追跡の過酷な旅が始まった。
コグバーンのジェフ・ブリッジスが渋い。
ラビーフのマット・デイモンも「え、誰?」てなくらい変身。
マティのヘイリー・スタインフェルドは天才少女かも。
彼女がオーディションで発掘されたおかげで、この作品が成立したんだろうなあ、と思う。
69年の『勇気ある追跡』は、いかにもジョン・ウェインの映画だったが(この作品でアカデミー主演男優賞)、こちらはヘイリー・スタインフェルドの印象が強い。
そうそう、『勇気ある追跡』でマティを演じていたのがキム・ダービーで、彼女は翌年、『いちご白書』に出演した。
あの、ばんばんの、というかユーミンの「いちご白書をもう一度」に歌われた『いちご白書』だ。
『トウルー・グリット』は確かに西部劇だし、復讐劇なんだけど、ヘンな暗さや重さがない。
これがコーエン兄弟の監督作品だからだろう。
音楽の使い方も、「え、ここで、このピアノ曲でくるか」と、いい意味での意外性があって。
第83回アカデミー賞では、主要5部門を含む10部門にノミネート。
でも、完全に無冠で終わるあたりも、何だかコーエン兄弟っぽい(笑)。
アカデミー賞には引っかからなくても、「観てよかった」と思える1本でした。